「お地蔵さん」
あなた
柔和なお顔の「お地蔵さん」
あなたの前で、グチグチ独り言を言ってる時、優しく頷いてくれる
「お地蔵さん」。
あなたの初盆にリコが買ってきました。
あなたの傍で「チンマリ」とすわっています。
今日はあなたの「立ち日」です。
四年十か月。
あの年の四月は、とっても元気だったひと。
人の「命」の儚さ…
未だに、何故って、信じることが厭です。
でも、刻は経ちました。
お花を買いに行って来ました。
さむい、風が冷たい。
折角冬囲いを外してもらったのに…
花木は驚いている様子。
「タヌ」も寒さのせいか、瞳(め)を瞬いている…
あなたが其方へ逝ってから、随分多くの人結界を越えて逝きました。
寂しく・侘びしく、哀しいものです。
『世の中は夢かうつつかうつつとも夢とも知らずありてなければ』
《詠み人知らず》
通釈
この世は夢なのか現実なのか。現実とも夢とも判別できない。
在って無いのであるから。
寒い日のまま、今日もおわりそうです。