『夢の小筥』

再び廻り来る事のない、この刻(いま)を、そっと筥に納めてみました。

いつの時代も「秋」は物悲しい~~…

2019-09-30 13:42:34 | Weblog

   

     あなた

 長月も今日で終わり…

 

 知り合いが

 またひとり…

 そちらへ

 逝きました

 

 慌ただしく

 長月も終わり

 季節は

 移ろぎ

 早や「神無月」~~…

 

 再び巡りくる季節は

 あっても

 今日の日は過去……

 

 行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。

 よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。

 世の中にある人とすみかと、またかくの如し。

 

 鴨長明 「方丈記」冒頭です

 

 秋(あき)は夕暮れ(ゆうぐれ)。

 夕日のさして山の端(は)いと近うなりたるに、烏(からす)の、

 寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。

 まいて、かりなどのつらねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。

 日入り果てて、風の音(かぜのおと)、虫の音(むしのね)など、はた言ふべきにあらず。

 清少納言 「秋」より 

 

 いつの時代も

 秋は物悲しく

 侘しさも一入……

 

 長月最後の午後

 静かで

 穏か……

 

 眩しい陽が

 眼にいたい……