愉しむ漢詩

漢詩をあるテーマ、例えば、”お酒”で切って読んでいく。又は作るのに挑戦する。”愉しむ漢詩”を目指します。

閑話休題-412 喜界島春景

2024-07-12 17:36:13 | 漢詩を読む

  『源氏物語』の和歌について、その漢詩化に挑戦、逐次紹介していますが、その半ば、54中27帖を通過した。それを機に、ちょっと一休み、先の春、久方ぶりに帰郷、喜界島を訪ねました。その模様を写真で、併せて、漢詩・七言律詩として紹介します。

  喜界島は、東経130度、ちょうど明石の真南、北緯28度、鹿児島より約300mに位置する小島である。隆起サンゴ礁の島で、今日なお成長しているという、興味ある島である。

ブーゲンビリア満開

たんかん 未だ残っていました

文旦 花咲き始める頃

バナナ 収穫にはまだ早い

ウフヤグチ鍾乳洞 入口

洞 天井に生えた木の根っこ

洞 入口付近 木の根っこ

ooooooooooooo  

<漢詩> 

   喜界島春景        喜界島春景     [上平声十三元-上平声十一真通韻]

燦燦陽光橘柚村, 燦燦(サンサン)たる陽光 橘柚(キツユウ)の村,

欣欣木葉招手人。 欣欣(キンキン)たり木の葉 人を招手(テマネ)く。

聞言成長珊瑚島, 聞言(キクナラク) 成長する珊瑚の島,

時想経年大陸新。 時に想う 年 経(ヘ)て大陸 新(アラタ)なるを。

山頂裂開生奇景, 山頂 裂開し 奇景を生じ, 

巌間做洞鍾乳頻。 巌間に洞を做(ナ)し鍾乳 頻(シキリ)なり。

飄飄嫋嫋蝶蜓舞, 飄飄(ヒョウヒョウ)嫋嫋(ジョウジョウ)と 蝶蜓(チョウテイ)舞い,

白白紅紅花発辰。 白白紅紅たる 花 発する辰(トキ)。

 [註] ○喜界島:南西諸島の一小島、; 〇燦燦:太陽が明るく光り輝くさま; 〇欣欣:植物が生気あふれるさま; 〇招手:手を振ってまねく; 〇聞言:聞くところでは; ○飄飄:風に吹かれてひるがえるさま; 〇嫋嫋:風が柔らかに吹くさま; 〇蝶蜓:蝶やトンボ; 〇白白紅紅:色とりどり。   

<現代語訳> 

 喜界島 春の情景 

春の陽光が燦燦と降って 橘(タチバナ)や柚(ユズ)が栄える村、

生気溢れる木々の葉が そよ風に揺れて人を招く。

聞くところでは、今なお成長を止めないサンゴの島、喜界島、

時に思う、幾億万年の時を経て、新大陸となっていようか と。

山頂付近では地が割れて、奇観を呈しており、

巌の間は洞をなし、鍾乳石や石筍が豊かに成長している。

そよ風にひらひらと翻りつつ蝶やトンボが舞っており、

色取り取りの花が開く時節である。

<簡体字およびピンイン> 

 喜界岛春景         Xǐjièdǎo Chūnjǐng  

灿灿阳光橘柚村, Càn càn yángguāng jú yòu cūn,  

欣欣木叶招手人。 xīn xīn mùyè zhāoshǒu rén.  

闻言成长珊瑚岛, Wén yán chéngzhǎng shānhú dǎo, 

时想经年大陆新。 shí xiǎng jīng nián dàlù xīn

山顶裂开生奇景, Shān dǐng lièkāi shēng qí jǐng, 

岩间做洞锺乳频。 yán jiān zuò dòng zhōngrǔ pín.  

飘飘嫋嫋蝶蜓舞, Piāo piāo niǎo niǎo dié tíng wǔ,  

白白红红花发辰。 bái bái hóng hóng huā fā chén

ooooooooooooo   

 

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2 コメント

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Unknown (Rumi)
2024-07-16 19:35:48
原色が映えてますねー。
返信する
Unknown (みき)
2024-07-14 21:01:32
飄飄嫋嫋蝶蜓舞  いつ行ってもいろんな蝶があちこちでとんでるもんね。
喜界島と言えば蝶々🦋と言う感じがします、、
写真の光と空気がとにかく澄んでる!!
返信する

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