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99.9%は仮説 (竹内 薫)

2006-07-09 13:04:57 | 本と雑誌

 この本は今でもかなり売れているようです。いつも参考にさせていただいているふとっちょパパさんも紹介されています。
 副題は、「思いこみで判断しないための考え方」です。

 この本では、繰り返し繰り返し、
 「世の中には『確定』したものはないんだ、ほとんどが『仮説』に過ぎないんだ」
ということを理解したうえで、
 「自ら考え、人と接するようにすべきだ」
と説いています。

(p74より引用) 世界の見え方自体が、あなたの頭のなかにある仮説によって決まっているわけなのです。
 ・・・事実はすべて、実は仮説のうえに成り立っているんですね。
「裸の事実」などないのです。
 ということは、データを集める場合も、やっぱりその仮説-最初に決めた枠組みがあって、その枠組みのなかでデータを解釈するわけです。
 つまり、「はじめに仮説ありき」ということです。

 通常、ものごとを理解する場合、人は自分の「世界観」をベースに考えます。
 「世界観」とは、それまでの経験やそれまでに獲得した知識、さらにはそれらを基礎として培われた価値観等の総体です。
 したがって、それは、人により、時代により、場所により異なります。

(p109より引用) われわれは現在、ガリレオのことを偉人としてとらえていますよね。でも、ガリレオが生きていた当時は、彼は偉人でもなんでもなく、ただの変人、狂人だったわけですよ(もちろん、ガリレオを高く評価していた人がいたにしても・・・)。・・・
 つまり、時代と場所によって「正しいこと」は変わるのです。

 このことが、「99.9%は仮説」というタイトルに込めた竹内氏のメッセージです。

 さて、残りの0.1%は、動かしようのない事実・真実ということになります。
 この部分は、デカルトの、「すべての知識を疑ったあげく、疑っている自己の存在は疑えぬ」という例の「われ思う、ゆえにわれあり(cogito ergo sum.:コギト・エルゴ・スム)」に通じるところがあるように思います。

コメント
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