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主婦の立場で「宅急便」 (経営はロマンだ! (小倉 昌男))

2006-09-15 00:33:17 | 本と雑誌

 「官僚と闘う男」として勇名をはせたヤマト運輸の二代目社長小倉昌男氏が主人公です。

 この本を読むまで知らなかったのですが、もともと「大和運輸(現ヤマト運輸)」は、1919年(大正8年)創業の、この業界では大手の老舗だったそうです。ただ、1960年代以降、長距離輸送興隆の波を見逃し、経営は低迷、経営危機に直面しました。
 その起死回生の大ヒットが、1976年(昭和51年)、関東一円で開始された「小口貨物特急宅配システムである”宅急便”」でした。

 「宅急便」というサービスを立ち上げるにあたって小倉氏が最も重視したのは「主婦感覚」でした。

(p120より引用) 宅急便の商品化計画で最も重視したは、「利用者の立場でものを考える」ということだった。主婦の視点がいつも念頭にあった。
 たとえば、・・・宅急便ではブロックごとに均一料金とした。東京から中国地方行きなら、岡山も広島も同じ料金。どちらが遠いのかなど主婦の関心事ではない。分かりやすさを最優先した。・・・
 「荷造り不要」も同じである。荷造りしないと荷物が壊れるというのは運送業者の論理で、「壊さないように運ぶのがプロの仕事でしょ」というのが主婦の論理である。

 「お客様のためにではなく、お客様の立場になって考える」と語ったのはイトーヨーカドーの鈴木敏文氏でした。
 この基本姿勢は、宅急便が追われる立場になっても不変でした。

(p145より引用) 当たり前だが、優れたサービスとは客がしてほしいと思うことをすることである。しかし、企業は往々にして供給側の論理で考えてしまう。これは絶対に犯してはならない過ちだ。

 他社の参入、いわゆる「動物戦争」においても、小倉氏は「お客様の立場」で、一層のサービスの向上を目指しました。
 そして登場したのが、「スキー宅急便」「ゴルフ宅急便」「クール宅急便」などなどでした。

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価格:¥ 630(税込)
発売日:2003-01-07

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