この本は、1932年ケンブリッジにおいて、ギリシア哲学課程の一部として行なわれたF.M.コーンフォード氏の夏季講座の講義をまとめたものです。
講義は4回。テーマは、「ソクラテス以前のイオニア自然学」「ソクラテス」「プラトン」「アリストテレス」です。
私のような哲学の素人でも、偉大な哲学者といえば、いの一番にソクラテスの名を挙げます。ただ、いったい彼のどこが偉大なのか、その根源なのか、実は全く分かっていません。
ソクラテスのどこが偉大だったのでしょうか?
コーンフォード氏によると、ソクラテスによってはじめて、哲学の対象が「自然から人間へ」と転換されたとのことです。
(p19より引用) ソクラテス以前の哲学は・・・自然の発見とともに始まり、ソクラテスの哲学は人間の魂の発見とともに始まる。
ソクラテス以前、たとえば、ミレトスのタレスに始まるギリシア哲学の流れは、知識をそれ自体のために追求するものでした。
(p20より引用) 理性は、二等辺三角形の二つの底角が等しいということや、なぜそれが等しくなければならないかを知ることに、新鮮な喜びを見いだした。土地測量士はこの真理をさらに地図の作製に利用するが、哲学者は、真であるがゆえにそれを喜ぶ、ということで満足する。
さて、そうはいってもこの本。ギリシア哲学の入門書としては平易なものとのふれこみだったのですが、やはり、全く基礎知識も何もない私にはかなり厄介でした。
ソクラテスの章は、以前「ソクラテスの弁明」を読んでいたので少しは論旨についていけましたが、プラトンとアリストテレスは、正直全く理解できませんでした。
また、ぼちぼちと勉強しましょう。
ソクラテス以前以後 価格:¥ 483(税込) 発売日:1995-12 |