雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

風の行方(30) 「仮の町構想」(14) 帰らない人びと(3)

2013-04-18 22:52:15 | 風の行方・原発

風の行方(30) 「仮の町構想」(14)

  帰らない人々(3)

 

 今後4年間は帰町しないことを打ち出した4町は、

放射性物質の汚染が激しく、全住民が町外に避難を余儀なくされている。

政府は、避難住民の生活立て直しを「仮の町構想=町外コミュニティ」によって推進する政策を打ち出した。

 

 しかし、復興庁の「住民意向調査」の結果、

町外コミュニティの基盤となる災害公営住宅への入居希望者は、

少ない現実が浮かび上がった[風の行方(29)参照]。

 

 

 『いつ帰れるかわからない故郷』、4年後には帰還できるのか。

本当のところは誰にもわからない(一概に比較はできないが、チェリノブイリ原発事故により消えた村は、

26年経った現在でも立入禁止となっている)[風の行方(17)参照]。

 帰還意向

 

帰還意向あり

判断がつかない

帰還意向なし

大熊町

11.3%

43.5%

42.3%

浪江町

39.2%

29.4%

27.6%

双葉町

38.7%

26.9%

30.4%

        富岡町

15.6%

43.3%

40.0%

 

※ 無回答の項目はカット

 

  表から推測されることは、「捨てがたき故郷」とはいえ、

ざ帰還となると、これを断念せざるを得ない理由があるのだろう。

大熊町や冨岡町では「帰還の意向あり」と答えた人はわずかに1割強(4町平均で26.2%)である。

仮設住宅や借上げ住宅で不自由な避難生活に耐えながら、

災害公営住宅の設置を待ち、

「仮の町(町外コミュニティ)」で故郷への帰還の時期を待つ姿が見えてくる。

 

 「帰還意向なし」の回答からは、

一刻も早く生活の立ち直りを計り、

自立への道を検討する若い人たちの姿が推測される。

「判断がつかない」と回答した人の割合が4町とも多い。

次回では、どんな思いが「判断がつかない」を選んだのか、この人たちの心の内を考えてみたい。

                                                        (つづく)

 

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