二つの人生のイメージ(2) どんな人生を望むのか
「直線的な人生」を駆け抜けてきた団塊の世代に待っていたのは、
老いと、孤独の中で「こんなはずではなかった」という悔恨の念だった。
「 円環的な人生」イメージでは、
誕生→幼少期→若年期→青年期→壮年期→老年期を経て、
生まれてきた場所に戻っていく、という人生観である。
ただひたすら直線的に走り続けるのではなく、
成長発達のそれぞれの段階で、
なすべき役割を果たし、
次の成長発達期へと繋いでいく流れがあり、
それぞれの成長期に成すべきことを成し、
充実感を味わうこともできる。
私たちが築いた文化や社会的規範は次の世代につないでいく義務と責任があります。
与えられた生を自分流に「生き」て、
次の世代につないでいくという、
世代を超えた人生観が、ここには見える。
競争社会の中では、
走り続ける辛さと、
追われる焦燥感がいつも付きまとう。
レースを降りてしまえば役割を果たしたぬけ殻だけが残る人生はさみしい。
百人いれば、
百通りの人生があるが、
走り続けて終わるハツカネズミのような人生よりも、
海の中でゆったりとたゆたうマンボウのような人生を生きることができたらいいと思う。
(海を見つめる老人の背中には、過ぎていった人生の懐かしさと哀愁が漂っているように思えます。人生っていいなー
写真はフリーイラストより)