栄光と屈辱の箱根駅伝 ①快挙の創価大、転落の青学大
復路、大きな逆転劇の末に2021年の箱根駅伝が終わった。
昨年、苦労の末にシード権を勝ち取った創価大学が、
往路優勝を遂げ、明日の復路も往路の勢いを以て総合優勝の夢を抱いたに違いない。
(写真・日刊スポーツ 創価大三上が往路のテープを切る)
「箱根駅伝4回目の出場」で初めて手にする栄光の芦ノ湖フィニッシュである。
高揚した気持ちとわずかの不安をかかえて2021年1月2日、
箱根駅伝初日往路の夜が帳を降ろす。
目標は総合優勝だ!
出場4回目にして初めて追われる立場に立った新進チーム創価大に熱い夜が訪れた。
東京大手町から神奈川芦ノ湖まで5区間107.5㌔、往路の戦績は
① 創価大ー5時間28分 8秒 出場4回目で初優勝の快挙だ。
② 東洋大ー 〃 30分22秒 一位との差2分14秒 過去5回の優勝の実績を賭けての優勝を狙う
③ 駒 大― 〃 30分29秒 二位との差は7秒 2位奪還は可能な目標だ。6回優勝の強豪校だ。
⑫ 青学大ー 〃 35分43秒 人気の青学まさかの優勝候補からの転落 一位との差7分35秒
誤算は3区予定だった主将・神林が昨年末にお尻あたりの仙骨
に疲労骨折がみつかり、メンバーから外さざるを得なかったこ
とだ。原監督は次のように発言する。
「一年間、神林がチームを引っ張った。その精神的、能力的な支えが
なくなったときに挽回するだけの精神力がなかった」
更にまさかのアクシデントが青学を襲う。
4区でタスキをつないだときは10位になり、挽回のチャンスが訪れるの
か。タスキ受けた竹石は山登りのスペシャリストだ。期待が膨らむ。
だが勝利の神は微笑まなかった。レース後半に右ふくらはぎが何度も
痙攣し、区間17位まで堕ちてしまった。その後順位を12位まで上げて
往路終了。シード圏内にあと二つ早大と拓大を抜かなければならな
い。トップとの差7分35秒。シード権を獲得するには拓大との差42秒
を克服しなければならない。
「確実にシード権を取りにいきたい。でも、プライドを忘れずに攻め
のレースを……」
青学・原監督の復路に向けてのメッセージである。
明けて3日、復路スタートの旗が選手たちの緊張を掃(はら)うように振ら
れた。
(つづく)
(2021.1.5記) (昨日の風 今日の風№114)