団塊の世代の世間話

60年を生きてきた思いを綴った「ゼロマイナス1 団塊の世代の世間話」を上梓し、その延長でブログを発信。

人生

2008-07-07 11:21:10 | Weblog
 元気な定年退職者が増えている。私の周りでも、そうした人が多い。多くは再就職をしているが、その再就職に多くの問題がある。
 同じ会社に、契約社員として残ることができるのは運のいいほうで、こうした会社は大企業が多いのだが、中小以下の企業はやはり定年で終わり、というのが通例で、自ら再就職先を探さなければならない。
 待遇は別にして、その選択のベストは、いままでの会社でやってきたキャリアが生きる仕事に就けることだろう。スキルが役に立てば、それなりの戦力になり得る。
 しかし、これも稀少なようで、多くの退職者はまったく別の仕事を選ばざるを得ない。ここに無駄が生じるとしか思えない。
 巨視的には、社会がまだ人生80年時代のライフプランに移行できていないことが、その原因とも考えられるが、社会がその無駄に気がつかないこともある。
 60歳を過ぎて、それまでとまったく別の仕事につけば、慣れるまでに時間がかかるしストレスもたまる。心身ともにその仕事に合ってきたと思ったら、退職せざるを得ないケースもあろう。
 だから、定年後その人のキャリアが生かせる仕事を提供できる企業には、厚労省などから一定の補助を出したらどうだろうか。
 すぐにこうしたことで税金を拠出するのは決していいことではないが、それでも5年以上長い期間の安定した職場が得られるとしたら、65歳になっても70歳でも働く意欲は大いに沸くだろう。
 元気な高齢者が働けば、高齢者問題は解決するという論調は分かるが、問題はその人人のキャリアに合った職種を提供できる仕組みにかかっている。
 この制度がもし可能なら、企業の職制そのものも考え直さなければならなくなる。高齢者が職場に入ってくるということは、そこから誰かが追われることを意味する。うまく新規事業などがあれば人材を転用できるが、簡単ではない。
 つまり人生80年時代のライフプランを企業も含めた社会全体で構築しなければならない。これまでは22歳で就職、60歳まで働けば38年間の就労期間になるが、同じ38年間でも30歳から68歳まで働くことも考えられる。少子高齢化社会なら、そのほうがマッチしている。
 別に型にはめる必要もなく、これまでの人生60年の既成の考え方をいちど壊さないと、80年時代の姿が見えてこないのではないかだろうか。
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 筆者の約60年間の人生を振り返りその思いを綴ったエッセー本「団塊の世代の世間話」(これで検索もできます)のホームページはhttp://www2.ocn.ne.jp/~danseken/です。アクセスをお願い申し上げます。