白老の自然情報

☆北海道にある白老町の自然情報を写真でお届けします。&私の”知る楽しみ”にお付合い下さい。☆

キツネとタヌキの食料探し 冬のウヨロ川

2010-02-12 17:11:06 | サケの観察

風邪が治ったので久しぶりにウヨロ川を歩きました。

雪が積もったウヨロ川の川原をキタキツネがエサを求めて歩いています。
川原には秋から初冬にかけて産卵を終えた鮭(シロザケ)の死骸が埋まっています。
ただ、11月に大雨があり、川原の死骸の多くは水中に流されて死骸は少なく苦労しているようです。

食べ物を探すキツネ

食べ物を求めて河原をさまようキタキツネ



尻尾に毛がありません。疥癬とうい病気にかかっているのだろうと思います。
今年、ウヨロ川の対岸でキタキツネを3度見かけていますが、いずれも尻尾に毛がありませんでした。
其の内の一度はこちら↓です。
http://blogs.yahoo.co.jp/aoisoraok/11725985.html
毛の様子から多分同じ個体だと思います。

100mほど上流へあるくと、雪穴の中で何者かかがうごめいています。

しばらく待ちました。

エゾタヌキでした。

雪穴から出てきました。もう少し食べたかったようです。

毛がふさふさし体も大きく、キツネに比べると栄養十分に見えます。
川原の鮭の死骸を探り当て穴を掘って食べていました。

浅瀬を渡り穴を覗くと



穴の縁には、少し肉がついた肋骨が残っていました。


キタキツネやエゾタヌキが食料を求めて雪を掘った穴が並んでいます。↓
http://video.nifty.com/cs/catalog/video_metadata/catalog_100212282154_1.htm
このうち幾つの穴で食料にありついたのでしょう?

そして、この穴を掘ったのは何者でしょう?
キツネはウロウロして、すでに掘られた穴を覗いてみるだけで、自分で掘ろうとする様子はありませんでした。
エゾタヌキだろうか? 少し調べてみました。

エゾタヌキの生態
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%BE%E3%82%BF%E3%83%8C%E3%82%AD

脚は短く、穴を掘ることに適している。

キタキツネ
http://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/10300.html

出産には毎年同じ巣穴が使われる傾向がある.巣穴は沢地や林内の斜面に横穴を掘ったタイプが多く,奥に産室があって,平均4つ程度(最大36)の出入り口がある.食性:ノネズミ類が主要な食物,他にウサギ,浜や川辺に打ち上げられた魚類,鳥類,爬虫類,昆虫類,果実や農作物,人家の残飯など。

キタキツネの子育て住宅
http://www.sumainavi.net/column/zatsugaku/col040113.php
どちらも、穴を掘ることができます。

エサを求めて穴を掘るタヌキ
http://www.youtube.com/watch?v=kD8uVEI-Sec
http://www.youtube.com/watch?v=03qcGJkX-YE&NR=1

これを見ると、どうも主に掘っているのはエゾタヌキと思えます。
ウヨロ川のこのあたりでは、鮭の死骸に近づくホンドテンが撮影されており、アライグマの足跡も確認されています。確かなことはわかりません。

対岸にも動物の足跡がたくさんありますが、キツネは1匹の可能性もあります。
フットパス側にも1匹はいるとは思いますが、足跡ほどに多くはなく、毎日食料を求めて歩き回っていよるうです。

尻尾に毛のないキタキツネを見て思い出したことがあります。
私の大先生である方が「白老の自然」94号に、” 白老町での19年度の有害鳥獣駆除”のデータを載せています。
*************
有害駆除 カラス464羽、キツネ 15頭
狩猟   カラス223羽、キツネ 78頭
特定外来生物の対策
アライグマ捕獲実績 51頭
わな免許所有者以外でもアライグマを捕獲することが可能になり、被害者(農民)自らわなをかけ実施。
町ではわなの貸出しを実施。
**************
コメントなしです。「コメントなし」がずーっと気になっていました。
今回少し調べてみました。

キタキツネの駆除
白老町
平成14年度 まちづくり懇談会要望事項回答書
http://www.town.shiraoi.hokkaido.jp/ka/keiei-hp/kyuukikaku/matikon/14nendo/seikatsu/1-1-1.pdf

平成15年度 まちづくり懇談会要望事項回答書
http://www.town.shiraoi.hokkaido.jp/ka/keiei-hp/kyuukikaku/matikon/15nendo/seikatu/2.pdf

登別市
http://www.city.noboribetsu.lg.jp/fin/h17kessan/no2.htm

具体的に、キタキツネはどんな害を人間に及ぼしていて「駆除」されたのでしょう。
白老に農家はたくさんありません。
エキノコックスなら、人間の方が注意するしかないはずです。
カラスも、人間がゴミの始末をちゃんと行えばよいわけで、
どちらも殺されるほどの悪さをしているとは思えないのですが。

キツネを駆除し続けるとどうなるのでしょうか?

イナゴ・ネズミの大発生(朝日新聞アイヌ民族取材班「コタンに生きる」(岩波同時代ライブラリー)
http://www.asahi-net.or.jp/~HI5K-STU/tezuka/t_shrt03.htm

ネズミ樹皮を食べられたカラマツ(白老町森野)


では、殺鼠剤をばらまくことになるのでしょう。
ネズミの仲間は,リスなどとともに,餌を巣などに貯める貯食という行動を行い、食べわすれた種子がそこで発芽して森をつくるはたらきもしているはずなのです。
殺鼠剤は私たちが気付かない土の中の生き物を殺してしまうかもしれません。

馬鹿な私はこんな風に、分ったようなことを書いてしまうわけです。

昨日見たワシ(片道で見た延べ数)
オオワシ(幼鳥) 1羽


オジロワシ 7羽

彼らにとって厳しい冬がもう少し続きます。

コメント
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