ウヨロ川サケ遡上観察会
サケの遡上、産卵行動の様子を観察し、野生サケの意義などを専門家から学びます。
【親子観察会】
対象 小、中学生及びその親
日時 11月13日(日)9時30分~11時30分
集合場所 萩の里自然公園駐車場(川までバスで移動)
講師 自然ウォッチングセンター島田明英氏、小原聡氏
持ち物 雨具(カッパ)、長靴、筆記用具
参加料 親子1組500円
定員 12組(申込み先着順)
申し込み 氏名・年齢・住所・電話番号をFAX,メール、電話にて申し込み下さい。
締め切り 11月10日(木)まで
主催 NPO法人ウヨロ環境トラスト
詳細 齊藤 ☎36―5753
FAX32―6747
【一般観察会】
対象 一般(高校生以上)
日時 11月13日(日)13時~15時
参加料 300円
定員 30人(申込み先着順)
集合場所、講師、持ち物、申し込み、締め切り、主催、詳細は、「親子観察会」に同じ。
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ウヨロ川には、人工孵化・放流事業によるサケと、ウヨロ川で自然産卵により生まれた 野生のサケが遡上しており、その姿を間近で見ることができます。 上流では11月~12月上旬まで産卵しています。
私たちが食べるほとんどの鮭は人工孵化・放流事業によるサケです。 自然の鮭は、川で生まれて、海へ下り、北太平洋で育ち、川へ戻って産卵します。 主に4~5年前にこの川で生まれたサケが、数千キロの旅をして戻ってきました。 生まれた川を目指し帰ってきますが、幾つかの関門を乗越えなければなりません。 ほとんどのサケは川につく前に定置網などで捕獲されて、私たちの食卓に上ります。 運良く定置網で捕まらなかったものも、川に上り始めたところで、 今度は“ウライ”とよばれる人工授精の為の捕獲施設が待っています。 大雨の時運よくそこを乗越えた数少ないサケだけが、この川に遡上しています。 川に遡上を始めると何も食べません。ひたすら6キロほど川を上ってきました。 鮭が一生に一度、命をかけて子孫を残す懸命なサケの姿を見ることができます。 サケの稚魚を放流すれば帰ってきますが、どんな川でも産卵でき、子孫を残す事ができるわけではありません。 鮭が産卵して子どもが生まれるのは、握りこぶし位の大きさの砂利と湧き水があり、深さが20~30位の所です。 そして、春に生まれた子供たちが、その川で育ち、海へ旅立つことができる環境が必要です。
ウヨロ川では、 来年の春には、川で生まれた野生のサケの子供たちをたくさん見ることができます。
石狩川中流におけるサケ(Oncorhynchus keta )の自然産卵の考察(68ページ)によると、
特に「伏流水や湧水」の存在が重要なようです。
最近、野生のサケを守ることの重要性が指摘されています
北海道の人工孵化放流されたものは、近年は、約5%が無事に近海へ帰っていました。
沢山帰るのは、稚魚が最初の夏から秋を過ごす、オホーツクの海の温度が、生育に適した8~12℃だからだといいます。
このまま、地球温暖化が進むと、適した水温の面積が、どんどん減り、また、北海道から遠くなり、
サケへの影響は計り知れないといいます。温暖化を食い止めることは勿論、
川で自然産卵により生まれた野生のサケは、孵化場育ちのサケより環境変動への適応力の高いと考えられており、
自然産卵で稚魚が生まれて育つ、河川生態系を復活する事が重要だと言われています。
どちらも北海道大学 帰山先生によるものです。
岩手県では、サケの回帰率がピーク時(96年)の5.5%から、1~2%に低下。
北海道でも、2003年の6.1%をピークに減少しており、昨年は3.8%でした。
今年も不漁が伝えられています。
確かな原因は分かっていないようです。温暖化による影響の兆候かもしれません。
サケの回帰率(放流した稚魚に対して帰ってくる数の割合)
全国の単純回帰率の推移
道立さけます・内水面水産試験場が、原因の調査や対策のため、白老町の孵化(ふ・か)場で
蛍光色素(ALC標識)を施した稚魚を毎年250万~300万匹用意して調べているという。
サケの資源は、人工ふ化・放流事業に頼っていましたが、野性のサケの実態調査 も始まっているようです。
自然産卵するサケの回帰 (さけます・内水面水産試験場)
サケの遡上を観察しながら、野性のサケ保全についても考えてみませんか?