12月初め、河口近くに設置された捕獲施設が撤去され、新たなさけが遡上して産卵を始めていた頃、湧き水の小さな支流では、すでに稚魚が砂利の中から浮上して泳ぎ始めていました。
卵があった川底の砂利の中の水温は10℃余りあり、9月中頃産み落とされた卵が孵化、成長して浮上したものと考えられます。
♂は「♀の後ろで8の字形に泳ぎまわり、体を震わせ♀に近づく」求愛行動を繰り返しています。♀は無視するかのように、尾ビレで砂利を掘り続けています。残念ながらデジカメの電池切れで産卵は撮影できなかった。
↑これは2010年に、この小川で撮影したカップルです。
翌2011年、稚魚が生まれ海へ下った。それから5年、北太平洋で大きく育ったサケが2015年9月ウヨロ川へ遡上、この小さな川の水を嗅ぎ分けて帰ってきた。そして、「2010年」と同じようにカップルが産卵して、再び稚魚が生まれた。
今年ここで生まれた稚魚達は、2010年撮影したサケの孫達なのではないだろうか?
冬のウヨロ川では、サケの命のリレーが、人知れず繰り広げられています。
ウヨロ川では6月まで、次々と稚魚が浮上して海へ下ります。
水中を良く見ながら川岸を歩くと、彼らの姿を見る事ができます。
2月10日 上空を旋回する一羽のオジロワシを見かけた。厳しい冬を過ごしていることだろう。
そして、稚魚を狙う、カワセミ・ダイサギも姿をみせていました。