降り続いた雨がようやく上がりました。ノリウツギが咲いています。
ノリウツギは、白老を代表する夏の花ではないかと思います。
近頃はやや少なくなりましたが、今でも道路の縁や走る車窓からも見る事ができます。
ノリウツギ(糊空木) 別名 サビタ ユキノシタ科
日当りの良い山地や原野・湿地を好む、高さは2~3m 時には5mほどになる落葉の低木。
円錐花序に径4㎜ほどの花を多数と、周囲に白い萼片が目立つ装飾花をつける。
ピンクがかった色のものも見かけます。
日当りの良いところで咲くとピンクになるのか、花が終りに近づくにつれてピンクに色を変えるのかもしれません。
満開の両性花 径4㎜ほど
装飾花のアップ
装飾花は、受粉を手伝ってくれる「虫」を呼び寄せる為ではないかと言われていますが、確かなことはわかりません。9月、花が終ってもお辞儀をするように落ちずに残っています。
1月の花序 雪の上に落ちていたノリウツギの花序 装飾花が残っている。
種子をできるだけ遠くへ運んでもらう為に、風を受ける役目も果たしているのかもしれません。
この花にまつわるユニークでうら悲しい昔話がある。村の若者から、恋心を打ち明けられた美しい乙女がいた。若者を好きになれない乙女は、「このサビタの花が散るときがきたら…」と返事した。若者は燃ゆる思いで待ち焦がれた。しかし、花は枯れ果てても落ちず、恋は実らなかったという。
冬には、枝の葉が落ちた痕(葉痕)が楽しい。
和名の由来
糊空木の内皮にはヌルヌルした粘液があり、和紙を抄くときの糊として使用したことから。
又、枝や幹の中心には髄(ずい)があり、これを除去すれば空洞なので空木。
アイヌ民族は、幹や枝を使いキセルや針入れなどを作ったという。
アイヌ語:ラスパニ