ゴールデンウイークは、娘の子の初節句の祝いに参加するほかは、庭の掃除や草花をいじってみたり、本を読んで過ごすことにした。
(咲き始めたチリアヤメ:1日しかもたずに次々と咲くところがいい)
さて・・・徹底的に読書三昧と決めたゴールデンウイークの第1冊めは・・。
(「私の欲しいものリスト」グレゴワール・ドラクール著中島さおり訳2014年2月初版発行 早川書房)
作者は男性だが、私という語りで登場する主人公は女性である。
文体は小気味よくてスピード感もある。
図書館から借りた本だが、引っ張り出して最初のページの書き出しに引かれたので借りた。
「人はいつも自分をごまかす。」で始まっている。
特に章とかで区切ってなくて、すこし余白を空けて短い文章が節をなしている。
その始まりは、常に短い。
例えば、「さて、私は四十七歳だ。」とか「ジョーと結婚して私は幸せだ。」とか「私は父に会いに行った。」と云う具合。
ただ、文章は小気味良いのだが、内容には何となく違和感を覚えた。
男性が描く女性だからだろうかとも思ったが、どうやらそうではないらしい。
「幸福は金では買えない」という教訓が経済危機にあえぐ人々にうけたというあとがきにもこれまた違和感が・・・。
現代的な価値観に根ざすものというのか、ヨーロッパ的な合理性のようなものが精神世界を描く中にちゃっかり座り込んで存在を誇示している感じがしたというのが、多分私の違和感の原因物質のような気もする。
フランスで発売される前に、12国の出版社から翻訳権の申し込みがあったというから、話題作だったのだ。
文章の小気味よさ、スピード感には・・・ただ脱帽・・・・一同、礼!!
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