ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

将王 14手目「ヘボン」

2016-01-06 16:13:38 | 小説
しばらく日も経ち、小倉も冷静さを取り戻していた。自分の存在意義。それは強さ。将棋が誰よりも強いことだ。しかし、それを根底から脅かすものが数年前から世間を、将棋界を賑わしている。

コンピュータである。人工知能といってもいい。その名はヘボン。確かに若手の台頭も全く気にならないといったら嘘になるが、小倉はまだまだ負ける気がしなかった。しかしながらヘボン。彼に勝てるかは自信がなかった。いや、ここ2年ほどは勝てるイメージすら持てなくなっていた。
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