しばらく日も経ち、小倉も冷静さを取り戻していた。自分の存在意義。それは強さ。将棋が誰よりも強いことだ。しかし、それを根底から脅かすものが数年前から世間を、将棋界を賑わしている。
コンピュータである。人工知能といってもいい。その名はヘボン。確かに若手の台頭も全く気にならないといったら嘘になるが、小倉はまだまだ負ける気がしなかった。しかしながらヘボン。彼に勝てるかは自信がなかった。いや、ここ2年ほどは勝てるイメージすら持てなくなっていた。
コンピュータである。人工知能といってもいい。その名はヘボン。確かに若手の台頭も全く気にならないといったら嘘になるが、小倉はまだまだ負ける気がしなかった。しかしながらヘボン。彼に勝てるかは自信がなかった。いや、ここ2年ほどは勝てるイメージすら持てなくなっていた。