ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

混迷

2021-02-04 21:54:00 | 
「まだ生きてて何かあるのだろうか?」
「何を期待して生きているというのか?」
症状が強く出た日によく思うのだ

今日は季節はずれの暑い一日だった
店は定休日
体はだるい
朝はパン、昼は冷凍パスタで済ませたが夕食がない
僕はスーパーへ向かうため、家を出た
顔が前に向かない
強い不安の中、必然的に僕はアスファルトを見つめながら、歩いて10分程の
スーパーへ向かう

行き帰りの道すがら、スーパーでの買い物中、不安の霧の中でぼんやりと浮かぶのだ
「まだ生きるのか、おまえ?」と


この病気になって26年
病院へ通いだして12年
僕は何を望んで生き続けているのだろう?
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心を纏う服

2021-02-04 17:25:50 | 
見覚えのあるおじさんが店に入ってきた
こないだまで普通に歩いていたのに
いまは杖をついている

おじさんのタバコを渡し、値段を伝えると
おじさんは片手で財布を探る
もどかしく、少しばかり寂しい時が積もっていく
ようやくおじさんが小銭を出し、僕は安堵した

店を閉め、コンビニへ立ち寄り、暗がりの家へ向かう
居酒屋から炭酸の抜けたような歌声が
冷たい夜風に乗っかって僕の耳に届く
なんとも幸福そうな声だ

足の裏が痛い
靴底が薄いからだろう
僕を纏っているセーターも
きっと薄いから心が痛いんだ

師走前から輝いている
ひっそりした住宅街でひときわ目立つ派手な電飾
クリスマスも終わったことだし
そろそろ消してくれないかな

僕は電飾に恨めしげな視線を送り
少しだけ目を伏せ、それから足を速め
暗がりの家路へ急いだ
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