(つづき)
「34番」。
上宇美行きは少数派(七五調)。
糟屋郡南部(宇美町、志免町)と福岡市都心部を亀山経由で結ぶ路線のうち、“博多駅を通らないほう”が「34番」。
現在では、“博多駅を通るほう”の「32番」及びその支線的位置付けの「30番」「33番」のほうが主流な感じだが、もともとは「34番」のルートが起源。
「32番」が通る「空港通り」ができる前は、「34番」に天神行きと博多駅行きがあって、呉服町で2方向に分かれるルートだった。
「34番」及び「32番」「33番」「30番」のルートの概念図。
郊外から都心行きでみると、博多駅に行かないのが「34番」で、それ以外は博多駅に行く、という説明で大方の話は済む。
一方で、都心から郊外行きでみると、行先番号で行先を判断するのはなかなか厳しい。
イオンモール福岡で終点となる「30番」があり、上宇美を通らない障子岳・極楽寺行きに「32番」「34番」があって、上宇美を通る障子岳・極楽寺行きは「33番」が付いているのに、上宇美止まりのものは「32番」と「34番」、上宇美や障子岳や極楽寺とは無関係の原田橋行きも「32番」と「34番」である。
博多駅を通るか否か、という都心側の問題と、障子岳・極楽寺行きで上宇美を通るか否か、という郊外側の問題を同列で扱っていることで、番号による線引きが曖昧というか適当になっている感じだ。
ただ、概念図をよく見てみると、「32番」「34番」として運行されるものは、ルートが枝分かれはするものの、その分かれた枝が再び出会わないことがわかる(「30番」も枝分かれしておしまいだが、イオンモール福岡という特定の目標への専用路線の意味合いもあるので以降の考察では除外する)。
「22N」のルートの複雑さについて触れた記事で、
“枝分かれしたルートが再び出会いまくりなので、自分の行きたい場所に連れて行ってくれるのか?というのが、なかなかイメージしにくいと思う”
と書いた。
これを踏まえると、「33番」という番号は、“枝分かれしたルートが再び出会う”ことにより発生するわかりにくさを軽減したいという意図が生んだものと言うことができるのかもしれない。
「33番」を付けた人にそのような明確な意思があったかはわからないが、少なくともその背後には、“枝分かれしたルートが再び出会うのに同じ番号なのはわかりにくい”という意識があったと思われる。
もともと「33番」は、過去の記事で
“「33番」は、障子岳からJR宇美駅、役場、地下鉄福岡空港駅方面への足として開設されたローカル線の「1番」の大幅縮小に伴う代替の機能に、既存の「32番」を組み合わせてできたような路線である”
と書いたように、合理化の中でいろんな役割を負わされて仕方なく登場した感もあることから、“既存の「32番」「34番」ではない”ということが伝わりさえすればよいという面もあったのかもしれない。
このような問題が起きる背景を別の視点から考えてみると、“宇美町の中心部(宇美町役場入口、上宇美)を通らない障子岳・極楽寺行きがそこそこ幅を利かせている”というのも要因としてあると思う。
全体的な本数減少傾向もあり、町の中心部を通る路線の本数が相対的に少なくなっている現状はもったいないなぁと思う。
例えば、このように、「32番」と「34番」の原田橋系統と障子岳・極楽寺系統の全てが、町の中心部を通るような運行体系も検討する余地があるのではないだろうか(旧・室見が丘方式)。
こうすることで、バスの行先表示も「31番」の「篠栗」のように、「宇美」を上段大文字で強調できて、福岡市中心部からの利用者にとってもわかりやすさが向上するのではないかと思う。
なお、今年春の改正で「22N」は、例えば、アイランドシティに行くものは「25N」になる、程度の変化は起きそうな気がするのだがいかがでしょうか。
また、行先がたくさんある「23番」も、“枝分かれしたルートが再び出会わない”ことが、長年、現状維持となっている背景の一つだと思うが、例えば、下原から先、平山、高美台方面に延長された場合に「23番」でよいのか?というのはまた悩ましくなってくる。
(つづく)
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