スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ヴィクトリアマイル&よい定義

2018-05-13 18:49:36 | 中央競馬
 第13回ヴィクトリアマイル
 クインズミラーグロは立ち上がるような発馬でほかの馬より3馬身ほど遅れました。先手を奪ったのはカワキタエンカ。2番手にレーヌミノルとリエノテソーロ。4番手にレッドアヴァンセとアエロリット。6番手はレッツゴードンキとラビットラン。8番手がミスパンテールとジュールポレール。10番手にアドマイヤリードとソウルスターリング。12番手にエテルナミノル,リスグラシュー,デンコウアンジュの3頭。15番手以降にメイズオブオナー,ワントゥワン,デアレガーロの順で続き,クインズミラーグロだけが17頭から3馬身ほど開いての最後尾という隊列。前半の800mは46秒8の超スローペース。
 直線に入るところでカワキタエンカにリエノテソーロが並び,その外にアエロリットで最内に進路を取ったのがレーヌミノル。カワキタエンカとリエノテソーロはすぐに脱落。レーヌミノルもその後で一杯になり,先頭に立ったアエロリットの外にレッドアヴァンセ。さらに外からジュールポレールで大外からリスグラシューも伸びてきて4頭の争い。アエロリットはレッドアヴァンセに前に出られてからまた巻き返しましたが,3頭には及ばず。3頭の真中のジュールポレールが激しい争いを制して優勝。大外のリスグラシューがハナ差で2着。内のレッドアヴァンセがクビ差で3着。さらに内のアエロリットは半馬身差で4着。
 優勝したジュールポレールは重賞初制覇を大レースで達成。一昨年の10月から昨年の3月にかけて条件戦を3連勝してオープン入り。昨年もヴィクトリアマイルに挑戦して3着。9月に降級した準オープンを即卒業してまたオープンに。エリザベス女王杯はおそらく距離の影響で大敗。その後は休養して前哨戦の阪神牝馬ステークスを使ってここに向かっていました。明らかにここを狙ったローテーションで,昨年の成績から考えれば優勝しておかしくない1頭。着差からいっても,また雨の影響で力を出し切れなかった馬もいた筈で,これでトップに立ったとまではいえないでしょう。距離が伸びるのはおそらくマイナスで,牡馬相手に通用するかもやや微妙な面があるかと思います。父はディープインパクト。5つ上の半兄は2010年に東京スポーツ杯2歳ステークス,2011年に弥生賞,2012年に京王杯スプリングカップとマイルチャンピオンシップ,2014年に中京記念を勝ったサダムパテック。Jour Polaireはフランス語で白夜。
 騎乗した幸英明騎手は昨年の高松宮記念以来の大レース制覇。ヴィクトリアマイルは初勝利。管理している西園正都調教師は2012年のマイルチャンピオンシップ以来の大レース5勝目。ヴィクトリアマイルは初勝利。

 それが共に定義Definitioの条件を構成するとみられる限りで,本性essentiaの条件と発生の条件は対立するわけではありません。それらは共に,定義される事物の存在existentiaを定立するという要件を満たす上に,定義された事物の特質proprietasのすべてを帰結させるという要件も満たすからです。そしてこれらの要件を満たすなら,定義における定義される事物の発生自体は,虚構で構わないとスピノザはいうのです。この考察との関連では,このときにスピノザが何をもって虚構といっているかを正確に把握しておく必要があります。
 平面上に1本の直線があり,この直線の一端が固定してもう一端が運動すると,平面上すなわち二次元上に円という図形が描かれることになります。これは円の発生を十全に示しているといえるでしょう。したがってここからは円という図形が有するすべての特質が帰結します。よってこれは円のよい定義であるとスピノザはいいます。
 同様に,半円という図形があるとしましょう。この半円が直線部分を軸として一回転すると,三次元上に球という図形が生じることになります。これは球の発生を十全に示しています。よってここからは球という図形が有しているすべての特質を帰結させることができます。ですからこれは球のよい定義であるということになります。
 ここでよい定義というのは,それ以上の定義はない,すなわち最善の定義であると意味であって,円の定義とか球の定義というのは上に示したような定義でなければならないという意味を有します。たとえば円についていえば,中心からの距離がすべて等しい二次元の図形という説明はあり得ますが,これは円の発生を示すことはできません。ですからそれは円の定義ではないのです。むしろ,中心からの距離が等しいということは,一端が固定しもう一端が運動して作成される図形ということから帰結することです。したがってそれは円の特質であるということになります。球もまた同様に,中心からの距離が等しい三次元上の図形という説明があり,それは球の説明としては正しいすなわち真verumであるのですが,球の発生を示してはいないので,直線部を軸とした半円の回転から帰結する特質なのです。
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