スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ヒューリック杯白玲戦&テンパイ

2021-10-06 19:05:51 | 将棋
 2日に指宿白水館で指された第1期白玲戦七番勝負第三局。
 西山朋佳女流三冠の先手で5筋位取り中飛車。後手の渡部愛女流三段は居飛車穴熊。後手が松尾穴熊に組むような手順からその銀を前に出すという構想を披露しました。ただ手順が掛かったことが影響して,先手の作戦勝ちになったように思えます。
                                        
 第1図で後手は☖4五歩と突っ掛けていきました。☗同歩は後手の角筋が通るので先手は☗同桂。後手は☖4四銀と上がって先手は☗5八金左と引き締めました。
 ここから後手は☖8六歩☗同歩の突き捨てを入れておいて☖4五銀。これは☗同歩の一手で後手は☖7九角成。先手はそこで☗5四歩と突きました。
                                        
 第2図が先手の手番なら☗2二角成~☗7九飛で必勝です。なので後手は馬の処置をする必要がありますが,ここは☖8九馬とできなければいけません。しかし実戦は☖2四馬。ただこれは後手が積極的に主張するところがない手ですから,駒得の分だけ先手が有利でしょう。第2図で☖2四馬でも指せるみていたのなら大局観がおかしかったということになるでしょうし,そうでないのなら第1図からの仕掛け方に読みの精度を欠いていたということになるでしょう。
 西山三冠が3連勝。第四局は16日に指される予定です。

 トップであるアベマズは,2着のフェニックスとの差が1600点しかないのでした。このために,親のデメリットによって,自動的に2着になってしまう可能性があります。すなわち,アベマズとフェニックス以外の2チームのどちらかが,8000点を自力で獲得すると,アベマズはそのチームに4000点を支払わなければならないのに対して,フェニックスは2000点を支払うだけで済むので,400点差でフェニックスがトップで試合が終了してしまうのです。したがってアベマズは単に自身の失点を防ぐことに重きを置いて打っているだけでは,フェニックスが得点を獲得するという以外の方法でも,2位になってしまう可能性があるのです。
 さらに,次のような事情が加えられます。
 麻雀は,ここまで示してきたような方法で得点が移動するほかに,細かい点数の移動というのがあります。それは,だれも自力でも他の責任でも得点を獲得することができずに局が終了すると,手が得点を獲得できる状態になっているか否かということで,得点が移動するというルールです。得点を獲得できる状況のことはテンパイといわれます。つまりテンパイしているかしていないかで得点の移動があるのです。これは親でも子でも点数は同じですので,親であるか子であるかは無視して,またA,B,C,Dの4人で説明します。
 全員がテンパイしている場合と,だれもテンパイしていない場合には得点は移動しません。Aだけがテンパイしている場合には,B,C,Dの3人がAに1000点を支払い,Aは3000点を獲得します。AとBがテンパイしている場合は,CとDは1500点を支払い,AとBが1500点を獲得します。AとBとCがテンパイしている場合は,Dが3000点を支払い,AとBとCが1000点を獲得します。
 これでみれば分かるように,もしDが1位でAが2位で,その差が1600点であるという場合,だれも得点を獲得しないで局が終了したときに,AがテンパイしてDがテンパイしていないと,AとDの得点は逆転します。つまり順位が入れ替わります。なのでアベマズは,少なくともテンパイには向かわなければなりません。
コメント
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