スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

リコー杯女流王座戦&フリテン

2021-10-29 19:09:22 | 将棋
 目白台で指された昨日の第11期女流王座戦五番勝負第一局。対戦成績は西山朋佳女流王座が15勝,里見香奈女流四冠が11勝。これはNHK杯の予選を含んでいます。
 リコーの代表取締役による振駒で里見四冠の先手と決まり中飛車。後手の西山王座が三間飛車にしての相振飛車。この将棋は錯覚で決着がつきました。
                                        
 第1図から☖6五銀☗同歩と進めました。その局面は後手玉の受けが難しくなっているので,先手玉を詰ますほか後手に勝ちはありません。ですが先手玉には詰みがなかったので,先手の勝ちになりました。後手は6六の歩が動いて後手の角筋が通れば詰むと判断して☖6五銀と取っているわけで,相手の玉が詰みだと思って進めていたら詰まなくて負けにしたという将棋です。プロの将棋ではこの錯覚はほとんどみられるものではなく,珍しい一局が見られたということになるでしょう。
 里見四冠が先勝。第二局は来月15日に指される予定です。

 7筒を持っていた方が4筒を持っているより得点の獲得を目指しやすいのに,4筒の方を残して7筒の方を残したのには,ふたつの理由があると考えられます。
 4位のサクラナイツは3位のパイレーツとの差が11000点でした。ですから単に得点を獲得するだけでは,順位が上がらない場合が生じます。順位の上昇を目指すのであれば,なるべく多くの得点を獲得することができるテンパイを果たさなければなりません。そのためには,7筒よりも4筒の方がサクラナイツの手にとっては有用です。したがってサクラナイツのプレイヤーである内川は,大量の得点を獲得して,順位の上昇を目指すということについては,この時点では諦めていないと考えられます。同時に,単に得点を獲得して4位のままでゲームが終了するということについては,受け入れ難いと考えていると想定されます。
 もう一点は,フェニックスが7索をチーしたときにテンパイしていると仮定すれば,4筒を捨てた場合は失点する可能性があるけれど,7筒を捨てることによって失点する可能性はないという点です。これはフェニックスがすでに7筒を捨てていることから分かります。フェニックスは不要であるから7筒を捨てたのですから,その7筒で失点することはないのです。
 麻雀は情報非共有型のゲームのため,他のプレイヤーの手の中は分かりませんし,山にどんな牌が詰まれているかということ,他面からいえば自分がどんな牌を引いてくるかということも分かりません。こうしたゲームの性質のために,前に捨てた牌が後になってまた必要になるということも生じ得ます。これはどんなに強いプレイヤーであっても完全に回避するということはできません。そしてそのまま手が進み,前に捨てた牌が必要な形でテンパイするという場合も生じ得ることになります。これはフリテンといわれる形のテンパイです。フリテンの場合は,自分で引いてきた場合は得点を獲得することができるのですが,だれかがその牌を捨てることによって得点を獲得することはできないというのが麻雀のルールです。なので7筒を捨てているフェニックスに対して,7筒で失点することは絶対にないのです。
コメント
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