8日と9日にセルリアンタワー能楽堂で指された第34期竜王戦七番勝負第一局。対戦成績は豊島将之竜王が9勝,藤井聡太三冠が8勝。
野村ホールディングスの副社長による振駒で藤井三冠が先手となり,相掛かり。終盤まで難解な将棋が続いていましたが,急に終ってしまうという内容になりました。
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先手が歩を取り込んで王手を掛けたところ。ここで☖2二玉と逃げれば後手玉は最も安定します。それに対しては☗4一龍とするのが最善でAIの判断では先手が優勢ですが,後手がすぐに負けるというような局面ではありません。
実戦は☖3四同王と取りました。これにも☗4一龍。☖3三桂と跳ねるのが狙いだったようですが,これには☗3六玉と取られ,☖3五歩に☗4七玉。
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第2図となっては双方の玉の危険度に違いがありすぎるため,一遍に先手の勝勢となりました。豊島竜王としては☖2二王としてもその後の道筋が描けなかったのかもしれませんが,仮に同じように負けるのであったとしても,最後まで相手を苦しめた上で負けるのでなければいけなかったように思います。
藤井三冠が先勝。第二局は22日と23日に指される予定です。
副露の基本的なルールは理解しておく必要があります。
4巡目に近藤が発声したポンという副露は,同じ牌を3枚晒す副露でした。したがって,自身の手の中に2枚の同じ牌があり,ほかの3人のプレイヤーのだれかがその牌を捨てたときに可能となる副露です。これはどのような牌でもできますし,自分以外の3人のだれからでも可能な副露です。
チーという副露は,横並びの数の牌を3枚晒す副露です。ですから,4巡目に近藤がポンをした發のような牌は,チーの対象にはなりません。麻雀の牌は大きく分けて二種類あり,そのうちのひとつが發のような字牌といわれる牌です。つまり字牌はチーの対象になりません。チーすることができるのは,数牌といわれる牌に限定されます。
横並びの3枚を晒すのには,大きく分けてふたつの仕方があります。ひとつはたとえば3と4を持っているときに,2や5をチーして晒す方法です。もうひとつは,2と4を持っていて,3をチーして晒す方法です。なお,1と2と3を持っていて,4をチーすることは可能ですが,そのときに1を捨てることは,許されないとされるルールが多いです。
チーにはもうひとつルールの制約があります。それは,ポンがだれからでもできるのに対して,チーは自分の前の順番の人からしかできないというものです。この局でいえば,パイレーツはアベマズから,フェニックスはパイレーツから,サクラナイツはフェニックスから,アベマズはサクラナイツからのみチーをすることができます。この点は意外に重要です。たとえば各チームがどういう規準で打つかを説明したときに,場合によってはパイレーツはフェニックスに協力することがあるといいましたが,フェニックスはパイレーツからはチーすることができますから,この座り順はその協力がしやすくなっているのです。同様にサクラナイツも,次のチャンスを待つためにはアベマズに協力する余地があるのですが,やはり同じように協力がしやすい座り順となっています。
麻雀は同じ牌が4枚で構成されています。ですからふたりが同じ牌にポンの発声をすることはあり得ません。同じ牌が5枚ないとそれは生じないからです。
野村ホールディングスの副社長による振駒で藤井三冠が先手となり,相掛かり。終盤まで難解な将棋が続いていましたが,急に終ってしまうという内容になりました。
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先手が歩を取り込んで王手を掛けたところ。ここで☖2二玉と逃げれば後手玉は最も安定します。それに対しては☗4一龍とするのが最善でAIの判断では先手が優勢ですが,後手がすぐに負けるというような局面ではありません。
実戦は☖3四同王と取りました。これにも☗4一龍。☖3三桂と跳ねるのが狙いだったようですが,これには☗3六玉と取られ,☖3五歩に☗4七玉。
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第2図となっては双方の玉の危険度に違いがありすぎるため,一遍に先手の勝勢となりました。豊島竜王としては☖2二王としてもその後の道筋が描けなかったのかもしれませんが,仮に同じように負けるのであったとしても,最後まで相手を苦しめた上で負けるのでなければいけなかったように思います。
藤井三冠が先勝。第二局は22日と23日に指される予定です。
副露の基本的なルールは理解しておく必要があります。
4巡目に近藤が発声したポンという副露は,同じ牌を3枚晒す副露でした。したがって,自身の手の中に2枚の同じ牌があり,ほかの3人のプレイヤーのだれかがその牌を捨てたときに可能となる副露です。これはどのような牌でもできますし,自分以外の3人のだれからでも可能な副露です。
チーという副露は,横並びの数の牌を3枚晒す副露です。ですから,4巡目に近藤がポンをした發のような牌は,チーの対象にはなりません。麻雀の牌は大きく分けて二種類あり,そのうちのひとつが發のような字牌といわれる牌です。つまり字牌はチーの対象になりません。チーすることができるのは,数牌といわれる牌に限定されます。
横並びの3枚を晒すのには,大きく分けてふたつの仕方があります。ひとつはたとえば3と4を持っているときに,2や5をチーして晒す方法です。もうひとつは,2と4を持っていて,3をチーして晒す方法です。なお,1と2と3を持っていて,4をチーすることは可能ですが,そのときに1を捨てることは,許されないとされるルールが多いです。
チーにはもうひとつルールの制約があります。それは,ポンがだれからでもできるのに対して,チーは自分の前の順番の人からしかできないというものです。この局でいえば,パイレーツはアベマズから,フェニックスはパイレーツから,サクラナイツはフェニックスから,アベマズはサクラナイツからのみチーをすることができます。この点は意外に重要です。たとえば各チームがどういう規準で打つかを説明したときに,場合によってはパイレーツはフェニックスに協力することがあるといいましたが,フェニックスはパイレーツからはチーすることができますから,この座り順はその協力がしやすくなっているのです。同様にサクラナイツも,次のチャンスを待つためにはアベマズに協力する余地があるのですが,やはり同じように協力がしやすい座り順となっています。
麻雀は同じ牌が4枚で構成されています。ですからふたりが同じ牌にポンの発声をすることはあり得ません。同じ牌が5枚ないとそれは生じないからです。