スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

天皇賞(秋)&内川の感情

2021-10-31 19:26:27 | 中央競馬
 第164回天皇賞(秋)
 先手を奪ったのはカイザーミノル。2番手にトーセンスーリヤとグランアレグリア。4番手にポタジェとカレンブーケドール。6番手にエフフォーリアとヒシイグアス。8番手にコントレイルとラストドラフト。10番手にサンレイポケット。11番手にムイトオブリガード。12番手にモズベッロでここまでは一団。2馬身差でワールドプレミアとユーキャンスマイル。後方2番手にペルシアンナイト。4馬身差の最後尾にカデナという隊列。前半の1000mは60秒5の超スローペース。
 直線の入口ではカイザーミノルとグランアレグリアが併走。カイザーミノルが少し外に出たので内に突っ込んだのがトーセンスーリヤでまずはこの3頭の競り合い。ここからグランアレグリアが抜け出すと,外からエフフォーリアとコントレイルが伸びてきました。位置取りの関係で先にグランアレグリアを追う形になったエフフォーリアが,グランアレグリアを差し,コントレイルの追い上げも封じて優勝。一番よい脚を使ったコントレイルが1馬身差で2着。力尽きたグランアレグリアがクビ差で3着。
 優勝したエフフォーリア皐月賞以来の勝利で大レース2勝目。ダービーは2着でしたが正攻法のレースをしてのもので,3歳馬の中では力量上位というところをみせていました。ここはそれ以来のレースで,菊花賞ではなくこちらを目標にした陣営の判断が的確であったということでしょう。グランアレグリアが前にいったことで,持ち味の末脚を発揮することができなかったという面はありますが,2着馬も3着馬も実績馬ですから,斤量の差があったとはいえ,この距離ではこちらの方が上であったという判断も可能かと思います。父はエピファネイア。母の父はハーツクライ。祖母がケイティーズファーストで従兄にアドマイヤムーン。Efforiaはギリシア語で強い幸福感。
 騎乗した横山武史騎手は先週の菊花賞に続く大レース3勝目。天皇賞は初勝利。管理している鹿戸雄一調教師は皐月賞以来の大レース3勝目。天皇賞は初勝利。

 サクラナイツは順位の上昇を目指すことを断念したら,4位を受け入れてゲームを終了させるか,次のチャンスを待つかのどちらかでした。しかし4位を受け入れてゲームを終了させることについては最初からそれをよしとしていなかったのですから,この場合は次のチャンスを待つことになります。そのためには,パイレーツかフェニックスが得点を獲得するとゲームが終了してしまうので,それは阻止しなければなりません。一方,アベマズがテンパイを果たせない場合もゲームが終了するのですから,アベマズがテンパイを果たすためには協力する必要があります。4筒を捨てずに4索を捨てたのは,それを目指すためだったと解するべきだと思われます。
                                        
 それを目指したからといって必ずそうなるわけではないというのが麻雀というゲームの性質です。なのでこの判断は,サクラナイツの,あるいはサクラナイツのプレイヤーである内川のある判断,いい換えれば認識cognitioというより,内川の感情affectusとして理解する方が,スピノザの哲学に照らし合わせた場合は適切です。要するに,内川はこのとき,次のチャンスを待つことを希望したといっておくのが,スピノザの哲学の説明としては適切でしょう。この希望spesという感情については何度もいっているように,不安metusという感情と表裏一体です。つまり第三部諸感情の定義一三説明でいわれているように,ある人間が何らかの希望を感じているときは,同時に不安も感じていることになります。これはこのときの内川についても例外ではありません。このとき内川は,アベマズがテンパイするなり得点を獲得するなりして南4局1本場へと進むことを希望していたのですが,同時にパイレーツなりフェニックスなりが得点を獲得してゲームが終了してしまうということに不安を感じていたということになるからです。
 内川のこの判断の要因となっているのは,パイレーツがリスクを冒してでも順位の上昇を目指しているという認識が,内川の知性intellectusのうちにもあったということと関連していると僕は考えます。麻雀の性質から,それを目指してもそうならないということは,サクラナイツの場合だけでなく,パイレーツも同様だからです。
コメント
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