「安易な自死が多すぎる」
「頑張れないのか」
といった意見があるのだが 本当は自死を選んでしまう人は頑張り過ぎてしまっているのである
本当は頑張らなくても良いことに無駄に頑張ってしまうことで視野狭窄に陥って逃げられなくなって非合理な自死に取り憑かれてしまうのである
ヒトというのは先天的な社会性を持っているため どうしても多数他人の価値観を鵜呑みにしてしまい 主体性を喪失してしまう傾向が強い
「社会から生かされている」などと称して主体性を蔑ろにすることの方が「謙虚」などと形容して尊びたがるが 社会を優先して個人の主体的意志を不具にしてしまう「呪い」である
カール:ライムンド:ポパーが「プラトンの呪文」を激しく批判したのも 権威に対する盲目性こそが真理を見極める上において最も害をもたらすからである
ナチス政権下の社会において 「社会から生かされている」からといって社会の方を尊重して良いことにはならない
命を賭けてでもナチスによるユダヤ人迫害には反対しなければ人間としての尊厳にはならない
「生きるためには」などと称して生存を優先しても人間性や倫理の論証にはならないのである
マルティン:ハイデガーはナチスに迎合忖度して生き延びたが 人間としてはクズである
人間として 本質的尊厳のために命をかけるべきであって 世間的評価だの比較だのを基準に安易な「絶望」に溺れることは「身勝手」で「幼稚」である
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「(生物が)生きるために生きてきた」というのは間違いである
「生き延びられた個体だけが生き延びた」 ただそれだけである
生物やその遺伝的進化は膨大な「生き延びることができなかった個体」の死滅・絶滅の果てに偶発的に生き残った結果だけである
「生きるため」という目的はない
個人的に「死にたくない」という主観は「生きる」ことが目的であることの論理客観的根拠にはならない
Ende;