「ウイルスに目的はない」と言っておきながら「殖えるため」と目的をこじつけるのは論理整合性がない
「ウイルスの生存戦略」など存在しない
「ウイルスの目的は殖えることで 宿主を殺すことではなく 宿主との共存を図ることだ」というが 目的がないのになぜ「共存を図ることだ」と言えるのか 意味が全くわからない
人体の中にも39種類のウイルスが共存しているというが これもまた「結果」であって 「ウイルスは共存することを目的にしている」というのはこじつけである
共存可能だったウイルスが人体に現存しているのであって 共存不可能だったウイルスの全ては宿主ごと死滅した収斂進化の結果であって ウイルスが「共存しよう」といった目的に則って共存進化を選択することはできない
「自然宿主」などいう概念を持ち出してきているが 共存に至るまでの過程でどれだけの犠牲を代償としているかは誰も知らないのである
遺伝的進化というものは 恒常安定性を獲得できなかった全ての種が殲滅された結果であって 結果的に恒常安定性を獲得している現存種だけを取り上げて「ウイルスの目的は共存」などと言い張るのは科学者としてポンコツ過ぎて話にならない
ウイルス研究者が ウイルスが主観的に好きだからといって 正当化のこじつけを科学的論証に持ち込んで良いわけではない
「ウイルスは宿主を絶滅させることはない」ことの論理的根拠はない
現存ウイルスだけを見て「ウイルスの全ては共存することを目的としている」などという話は 科学論理的根拠をすっ飛ばした決めつけに過ぎず 現存株種以外に宿主ごと絶滅した種が絶対に存在しなかったことを科学的に証明することは不可能である
実際に生物史の中では幾度もの大絶滅が起きており かつて存在していた生物種がなぜ絶滅したのか その原因の全てを解明出来ているわけでもなければ かつて存在していた絶滅種の全てを網羅的に全て確認出来ているわけでもないのであり 「ウイルスは宿主を絶滅させることはない」などという話は科学的根拠のない誤謬やデマである
生物やウイルスというものは 絶対的「悪」や 絶対的な「善」があるわけではない ヒトという種の生物の存在自体においても善悪両面存在するのであって あらゆる生物もヒトに対して「悪」の部分も「善」の部分も存在し 状況に応じて働きは変わるものである
ある種の植物のアルカロイド系毒においても 致死量摂取すれば毒だが 用量用法によっては血流改善効果を持った薬としても作用することがあり 塩は人体に必須だが摂りすぎれば毒にしかならない
遺伝子変異によって重篤な先天性疾患が生ずることもあるが 変異があるからこそ進化も促されたという側面もある だが 遺伝的進化というものはあくまで「繁殖の継続」に適さなかった全ての変異個体が死滅する強烈な淘汰圧力が働かなければ生ずることもない過酷な自然現象に過ぎない
石野史敏
胎盤形成に影響した 1億6600年前 PEG10遺伝子
脳梁の発達に影響した 1億4800万年前 RTL1遺伝子
「ヒトはウイルスによってもたらされた」というのは文学的形容詞に過ぎない
ウイルスによる変異であれ 放射線や紫外線よる影響 コピーミスによる変異であれ 運が悪ければ死滅し 運が良ければ存続する それだけのことであって 別に「ウイルスはありがたい存在」であることにはならない
偶発的に「繁殖の継続」に役立ったかどうかだけであって 「存在に寄与している」からといってウイルスや放射線や先天性疾患までをも喜ぶことはできない
遺伝的進化によってもたらされた本能習性によって凄惨な殺し合いをするヒトへの進化を もろ手を上げて喜ぶことは出来ない
主観的に「生きていて良かった」と思っている者にとってはヒトという種の存在は正当化可能だろうが 無責任な事故や犯罪や戦争によって大切な人を奪われた者にとってはヒトという種の存在は必ずしも正当化することはできない
「繁栄を謳歌している」というが 地球上の資源を喰い尽くす程の異常繁殖を都合良く解釈しすぎである 殖えりゃ良いってものではないのである ネズミや農作物じゃねぇんだから
Ende;