脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

You tube 第24弾 W-EB留置術

2025年02月04日 | 動脈瘤

脳動脈瘤の新しい治療器具として、W-EBというものがあります。

みかんのネットのような形のものなのですが、これが血管の分かれ目にあるネックの広い動脈瘤に非常に有効なのです。

どういうことかというと、上の図のように、ステントを併用すると血管をメッシュが横切ることになるため、血液サラサラの薬が長期間必要なのですが、W-EBの場合には術後の長期内服が不要なのです。

もちろん全ての動脈瘤に応用できるわけではありません。

サイズは直径3mm以上〜10mmぐらいまでですし、動脈瘤の向きなども影響します。

しかし、これまでの50例以上の経験で徐々に適応が広がり、多くの動脈瘤に使用できるようになってきました。

今回のYoutubeではこのW-EBについて動画も交えて詳しく説明しています。

ぜひご覧ください!

You tube 第24弾 W-EB留置術

https://www.youtube.com/watch?v=MnRgsVmfE8o

 

 

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You tube 第23弾 かくれ脳梗塞とは?

2025年01月24日 | 脳梗塞

みなさん、かくれ脳梗塞という言葉を知っていますか?

もちろん医学的には正式名称ではありません。

これは自覚症状がほとんどないあるいは全くない脳梗塞のことで、健康診断や他の病気の検査中に偶然見つかることが多い病気です。

別名、大脳白質病変というもので、脳内の小さな血管が詰まることで起きるとされています。

50歳以上の約20~30%にみられ、高齢になるほど多いとされていて、MRIで診断されることがほとんどです。

軽いものから重症まであり、グレード0からグレード4に分類されます。

重症になると歩行速度の低下や認知力の低下につながりますし、

これが出ている人は脳卒中が多いことも知られています。

MRIでこのような所見があることをお伝えすると大きなショックを受ける人もいます。

そこで今回はこの話題を取り上げました。

MRIで「白いところがある」などと説明された方はこの病気の可能性が高いです。

お時間があればぜひご覧ください。

https://youtu.be/hPavClsmIJ8?si=wQOVNAr0Nyq70nGv

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You tube 第22弾 脳動脈瘤手術後の検査

2025年01月16日 | その他

みなさん、こんにちは!お元気でしょうか。

今日は脳動脈瘤術後の検査について紹介します。

治療が無事終わった後は、外来での定期検査が行われます。最初の数ヶ月は良いとしても、1年を過ぎてくると、「いつまで検査を受ければいいのですか?」と質問を受けます。

これにお答えするには、それぞれの患者さんの動脈瘤の再発率について考えなければなりません。

脳動脈瘤術後の再発率は以下の条件で変わってきます。

  • 治療方法
  • 動脈瘤の種類、位置、サイズ
  • 危険因子

(高血圧、喫煙、家族歴、大量のアルコール摂取、高脂血症など)

(多発性動脈瘤、高齢、女性、なども関連因子)

 

「治療法によって再発率が違う」と聞くと驚かれる方もおられるかもしれませんが、実際に治療法やその結果によってかなり再発率が違ってきます。

また、それぞれの治療後に適した検査法があります。例えば、脳動脈瘤クリッピング術後はクリップが邪魔になってMRIでは血管が見えにくいことが多いため、CT造影検査が行われます。また、ステントやフローダイバーターを使用した場合にはステント内の血流が通常のMRIでは見えなくなるという問題点があります。

そのような場合には最新のMRI撮影法であるサイレントスキャンを行うことで、血管がうまく見える場合が多いので一度試されると良いと思います。

今回の動画では実際の事例を含め、術後の検査について詳細に紹介しています。

https://www.youtube.com/watch?v=ZXcrjA5FPCc

ぜひご覧ください。

 

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Val d'Isère (ヴァル=ディゼール)での学会 ABC WIN 2025に参加してきました

2025年01月16日 | 学会/研究会

みなさんこんにちは!

本日まで、フランスのヴァルディゼール(Val d'Isère)で開催されているABC WIN2025に参加してきました。

この学会は脳血管内治療に関する最も歴史のある学会で、これまで何度か参加してきました。コロナ蔓延でしばらく参加を見合わせていたのですが、昨年末に世界脳血管内治療学会の理事に選出されたため、会議参加のため参加してきました。

この会はフランス奥地のスキーリゾートで開催されるのですが、その発表レベルは極めて高く、世界最先端の取り組みが続々と発表されます。

今回もいくつかの印象的な発表がありましたが、なかでも

1) 難治性頭痛に対する脳血管内治療

2) 高度石灰化頚動脈狭窄に対する新たな治療デバイス

3) 低髄圧症候群(頭蓋内圧低下症)に対する血管内治療

4) AIを用いた術中アラームシステム

などが特に興味深いものでした。普段、仲良くしている世界の同僚たちが新たな治療にチャレンジしていることに感銘を受けました。世界はどんどん前に進んでいます。治療出来ないと諦めている患者さん達に、より良い治療を届けられるよう、自分も頑張らなければ、と思いました。

低髄圧症候群や頭痛が治らずお困りの方は下記までご連絡下さい。ぜひお役に立ちたいと思います。

Email: stroke_buster@mail.goo.ne.jp

電話:0798-45-6455

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You tube 第21弾 フローダイバーター留置術

2024年12月29日 | その他

みなさんこんにちは!

私のYouTubeも20回を超えました。動画によっては1万回以上見てもらったものもあります。

市民講座などを行っても、500人以上集まることは稀です。

みなさん、本当にありがとうございます。それにしてもYouTubeのパワーはすごいですね。

ところで、先日外来で「フローダイバーターの会はないのですか?」と質問を受けました。

実は、フローダイバーターについては治療の動画を撮影しており、いずれアップする予定なのですが、治療自体を今回紹介することにしました。

 

まず、フローダイバーターとは、目の細かいメッシュの筒のことです。

名前の由来は、「フロー(流れ)」を「ダイバート(変える)」もの、という意味です。

つまり、血管に目の細かいメッシュの筒を置くことで、動脈瘤への流れを減らして治す、治療器具です。

動画ではアニメーションを使って説明しています。

 

全ての動脈瘤に使えるのか?

いいえ、そうではありません。直径5ミリ以上で、分岐部でない部分にある動脈瘤が対象となります。

治療後の治癒率は1年で80%台程度ですが、5年経過すれば95%程度に達します。

ただし大型や枝のある動脈瘤では治癒率が下がるというデータもあります。

 

動画では留置した時に枝が詰まる確率や合併症率についても率直に紹介しています。

ぜひご覧ください!

 

https://www.youtube.com/watch?v=FAJgQrBsGRI

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You tube 第20弾 脳動脈瘤術後の定期検査

2024年12月17日 | 動脈瘤

みなさんこんにちは、今回は脳動脈瘤術後の定期検査について紹介しました。

 

治療が終わった後、どの程度の頻度で受診すればいいのでしょうか?これは多くの患者さんから受ける質問です。

脳動脈瘤の大きさ、多発か単発か、どのような治療を受けたか、などによって必要性は変わってきます。

では何をもとに医師は定期検査を進めるのかというと、再発していないかどうか、そして、多発性の場合には残っている動脈瘤が増大していないかどうかを確認しているのです。

また新たな動脈瘤ができることもあります。一般の方は0.5%未満とされていますが、脳動脈瘤がある程度大きくて治療を受けたような方はやや頻度が高いとされています(0.5〜1.0%)。このため脳動脈瘤治療後の方で、特に危険因子のあるような方は長期、検査を継続される方が多いです。

ではどんな検査法がいいのか?以前は開頭クリッピング術は全員、CT造影検査(CTA)や血管撮影を受けてもらっていました。またステント併用コイル塞栓術やフローダイバーター留置術後はMRIではステントの中が見えないので、脳血管撮影が行われていました。

しかし最近ではサイレントMRIなどでステントやフローダイバーターの中まで確認することが可能になってきました。

今回はこの定期検査について詳しく紹介しています。

ぜひご覧くださいね。

 

https://www.youtube.com/watch?v=ZXcrjA5FPCc

 

 

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You tube 第19弾 脳動脈瘤術後の内服

2024年11月20日 | 脳卒中

皆さん、こんにちは。

外来でよく受ける質問に「脳動脈瘤の術後の内服はどんな薬が必要で、いつまで続ければ良いか?」というものがあります。

内服薬は以下のように分けられます。

 

1)危険因子管理 - 高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙などの治療薬

2)ステント留置に対する内服管理 - 抗血小板薬

3)てんかん発作予防 - 抗てんかん薬

 

まず1)は血圧や採血データを元に管理され、内服治療と並行して生活スタイルの改善(禁煙、ダイエット、運動など)も指導されます。

次に2)については血管の中にステントという金属メッシュが留置されると、それに膜が張って覆われるまで血液サラサラの薬を飲まないといけません。

3)は、実際にてんかんを起こした人だけに必要ですが、中止する時期などは明確ではありません。

これらについて詳しく説明を行なっています。

ご自身やご家族が内服治療を受けている場合には参考になると思います。

ぜひご視聴ください!

https://www.youtube.com/watch?v=820XeAwfzxo

 

 

 

 

 

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閃輝暗点

2024年11月12日 | トピックス

視界に上の図のような光の模様が突然現れて、驚いたことはありませんか?

これは「閃輝暗点(せんきあんてん)」と呼ばれる症状です。

目の前にキラキラと煌く光の帯のようなものが見える現象で、一部見えにくい部分を伴うことがあり、数分で消えることが多いですが、初めて見た人は不安になると思います。片頭痛の前兆として現れることが多いのですが、頭痛を伴わないこともあります。

特徴

  • 上述のように、視界の一部にキラキラと明るい光が見えたり、ジグザグの線が見えます。
  • 視界の一部が見えなくなることもあります。
  • 数分から1時間程度続くことが一般的です。

メカニズム

閃輝暗点は、脳の視覚を処理する部分(後頭葉)の神経細胞が過剰に活動することによって起きると考えられています。

後頭葉に脳血管疾患(出血、梗塞、腫瘍、血管奇形など)が起きていることもあります。

 

対処法

 

  • 安静: 閃輝暗点が発生したら、目の一部が見にくくなります。運転や作業などは危険ですので、一旦とめて、発作が治るまで安静にしましょう。また水分補給や少量のカフェインが症状を和らげることがあります。

  • 医師の診察: 閃輝暗点が見えた場合には、頭痛の有無に関わらず、医師の診察を受けてください。片頭痛専用の痛み止めや、発作自体を減らす薬もありますし、一度は脳のMRIなどでチェックを行った方が良いと思います。

     

     

     

 

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You tube 第18弾 海綿状血管腫

2024年10月21日 | 脳卒中

皆さんこんにちは!

今日は「脳海綿状血管腫」について紹介します。

脳の中に血管のかたまりが紛れ込んでいる病気で、多くは無症状ですが、脳出血、てんかんなどを起こすことがあります。

比較的珍しい病気で、1000人に数名、という頻度です。

最近はMRIで無症状のものが見つかることが増えていますが、その場合、治療をどうするのか、検査はして行ったほうがいいのか、相談を受けるkとが多いです。

特に手術を勧められた場合に、「本当に必要なのか?」ということで来院されることが多いので、今回はこの病気についてまとめてみました。

ぜひこの動画をご覧くださいね!

 

https://www.youtube.com/watch?v=Rpv5-XqD3T4

 

 

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You tube 第18弾 脳出血

2024年10月13日 | 報道・出版関係

脳卒中の3つの疾患の中の最後の1つは脳出血です。

脳出血の主な原因は高血圧ですが、他にも様々な原因があります。

一般的に50歳代から70歳代の中高年層に多いとされていて、出血する場所によって症状は様々です。

他の疾患と違って診断は頭部CTが主流です。白く、はっきりと描出されます。

ではどんな治療が望ましいか?

ガイドラインではどんな推奨がされているか?

動画で説明しています。ぜひご覧くださいね!

 

 

 

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