脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

You tube 第21弾 フローダイバーター留置術

2024年12月29日 | その他

みなさんこんにちは!

私のYouTubeも20回を超えました。動画によっては1万回以上見てもらったものもあります。

市民講座などを行っても、500人以上集まることは稀です。

みなさん、本当にありがとうございます。それにしてもYouTubeのパワーはすごいですね。

ところで、先日外来で「フローダイバーターの会はないのですか?」と質問を受けました。

実は、フローダイバーターについては治療の動画を撮影しており、いずれアップする予定なのですが、治療自体を今回紹介することにしました。

 

まず、フローダイバーターとは、目の細かいメッシュの筒のことです。

名前の由来は、「フロー(流れ)」を「ダイバート(変える)」もの、という意味です。

つまり、血管に目の細かいメッシュの筒を置くことで、動脈瘤への流れを減らして治す、治療器具です。

動画ではアニメーションを使って説明しています。

 

全ての動脈瘤に使えるのか?

いいえ、そうではありません。直径5ミリ以上で、分岐部でない部分にある動脈瘤が対象となります。

治療後の治癒率は1年で80%台程度ですが、5年経過すれば95%程度に達します。

ただし大型や枝のある動脈瘤では治癒率が下がるというデータもあります。

 

動画では留置した時に枝が詰まる確率や合併症率についても率直に紹介しています。

ぜひご覧ください!

 

https://www.youtube.com/watch?v=FAJgQrBsGRI

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You tube 第20弾 脳動脈瘤術後の定期検査

2024年12月17日 | 動脈瘤

みなさんこんにちは、今回は脳動脈瘤術後の定期検査について紹介しました。

 

治療が終わった後、どの程度の頻度で受診すればいいのでしょうか?これは多くの患者さんから受ける質問です。

脳動脈瘤の大きさ、多発か単発か、どのような治療を受けたか、などによって必要性は変わってきます。

では何をもとに医師は定期検査を進めるのかというと、再発していないかどうか、そして、多発性の場合には残っている動脈瘤が増大していないかどうかを確認しているのです。

また新たな動脈瘤ができることもあります。一般の方は0.5%未満とされていますが、脳動脈瘤がある程度大きくて治療を受けたような方はやや頻度が高いとされています(0.5〜1.0%)。このため脳動脈瘤治療後の方で、特に危険因子のあるような方は長期、検査を継続される方が多いです。

ではどんな検査法がいいのか?以前は開頭クリッピング術は全員、CT造影検査(CTA)や血管撮影を受けてもらっていました。またステント併用コイル塞栓術やフローダイバーター留置術後はMRIではステントの中が見えないので、脳血管撮影が行われていました。

しかし最近ではサイレントMRIなどでステントやフローダイバーターの中まで確認することが可能になってきました。

今回はこの定期検査について詳しく紹介しています。

ぜひご覧くださいね。

 

https://www.youtube.com/watch?v=ZXcrjA5FPCc

 

 

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You tube 第19弾 脳動脈瘤術後の内服

2024年11月20日 | 脳卒中

皆さん、こんにちは。

外来でよく受ける質問に「脳動脈瘤の術後の内服はどんな薬が必要で、いつまで続ければ良いか?」というものがあります。

内服薬は以下のように分けられます。

 

1)危険因子管理 - 高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙などの治療薬

2)ステント留置に対する内服管理 - 抗血小板薬

3)てんかん発作予防 - 抗てんかん薬

 

まず1)は血圧や採血データを元に管理され、内服治療と並行して生活スタイルの改善(禁煙、ダイエット、運動など)も指導されます。

次に2)については血管の中にステントという金属メッシュが留置されると、それに膜が張って覆われるまで血液サラサラの薬を飲まないといけません。

3)は、実際にてんかんを起こした人だけに必要ですが、中止する時期などは明確ではありません。

これらについて詳しく説明を行なっています。

ご自身やご家族が内服治療を受けている場合には参考になると思います。

ぜひご視聴ください!

https://www.youtube.com/watch?v=820XeAwfzxo

 

 

 

 

 

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閃輝暗点

2024年11月12日 | トピックス

視界に上の図のような光の模様が突然現れて、驚いたことはありませんか?

これは「閃輝暗点(せんきあんてん)」と呼ばれる症状です。

目の前にキラキラと煌く光の帯のようなものが見える現象で、一部見えにくい部分を伴うことがあり、数分で消えることが多いですが、初めて見た人は不安になると思います。片頭痛の前兆として現れることが多いのですが、頭痛を伴わないこともあります。

特徴

  • 上述のように、視界の一部にキラキラと明るい光が見えたり、ジグザグの線が見えます。
  • 視界の一部が見えなくなることもあります。
  • 数分から1時間程度続くことが一般的です。

メカニズム

閃輝暗点は、脳の視覚を処理する部分(後頭葉)の神経細胞が過剰に活動することによって起きると考えられています。

後頭葉に脳血管疾患(出血、梗塞、腫瘍、血管奇形など)が起きていることもあります。

 

対処法

 

  • 安静: 閃輝暗点が発生したら、目の一部が見にくくなります。運転や作業などは危険ですので、一旦とめて、発作が治るまで安静にしましょう。また水分補給や少量のカフェインが症状を和らげることがあります。

  • 医師の診察: 閃輝暗点が見えた場合には、頭痛の有無に関わらず、医師の診察を受けてください。片頭痛専用の痛み止めや、発作自体を減らす薬もありますし、一度は脳のMRIなどでチェックを行った方が良いと思います。

     

     

     

 

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You tube 第18弾 海綿状血管腫

2024年10月21日 | 脳卒中

皆さんこんにちは!

今日は「脳海綿状血管腫」について紹介します。

脳の中に血管のかたまりが紛れ込んでいる病気で、多くは無症状ですが、脳出血、てんかんなどを起こすことがあります。

比較的珍しい病気で、1000人に数名、という頻度です。

最近はMRIで無症状のものが見つかることが増えていますが、その場合、治療をどうするのか、検査はして行ったほうがいいのか、相談を受けるkとが多いです。

特に手術を勧められた場合に、「本当に必要なのか?」ということで来院されることが多いので、今回はこの病気についてまとめてみました。

ぜひこの動画をご覧くださいね!

 

https://www.youtube.com/watch?v=Rpv5-XqD3T4

 

 

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You tube 第18弾 脳出血

2024年10月13日 | 報道・出版関係

脳卒中の3つの疾患の中の最後の1つは脳出血です。

脳出血の主な原因は高血圧ですが、他にも様々な原因があります。

一般的に50歳代から70歳代の中高年層に多いとされていて、出血する場所によって症状は様々です。

他の疾患と違って診断は頭部CTが主流です。白く、はっきりと描出されます。

ではどんな治療が望ましいか?

ガイドラインではどんな推奨がされているか?

動画で説明しています。ぜひご覧くださいね!

 

 

 

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高血圧医療はウソ?

2024年09月21日 | 脳卒中

未破裂脳動脈瘤があり、定期検査を受けている患者さん(80代)のご家族から質問がありました。以下、修正を加えたやり取りを紹介します。

Q: 脳動脈瘤を破裂させない対策の一つとして、高血圧に気をつけることを教えて頂きました。ただ、長年服用している降圧剤について、いろいろ調べますと、その副作用について以下の記述を目にしました。

-------------------------

降圧剤の内服によって末梢まで血流が届かなくなる
細い血管が詰まり、脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクが高まる
細胞の隅々まで血流が届かない事により、認知力の低下や癌のリスクが高まる
目の血管に栄養が届かなくなり、白内障や緑内障のリスクが高まる

-------------------------

上記リスクを回避することよりも、脳動脈瘤の破裂の要因の一つが高血圧である以上、降圧剤は毎日服用し続ける方が無難なのでしょうか。

 

確かにこのような情報を目にされると大変不安になると思います。しかも医師がホームページに記載しています。

ただ、調べると、高血圧の専門ではない内科のドクターで、高血圧の医療自体に否定的な方のようです。そのホームページには、日本の高血圧ガイドラインで以前不正があったことを紹介し、「高血圧の医療はウソだ」と記載されています。

そこで、下記のようにお返事しました。(個人情報保護のため、一部改変しています)

A: ご家族のために様々な情報を入手されていること、大変素晴らしいことと思います。ただ、個人的な意見より、世界的な大規模調査の結果の方が信頼できると考えます。
 
まず、未治療の脳動脈瘤における増大・破裂因子は1)高血圧、2)喫煙、3)大量の飲酒です。
 
【参考文献】
 
しかも、高血圧の管理は脳だけでなく全身の様々な疾患を減らすことが証明されています。
(中略)
下記の情報と参考文献(日本で不正があったということなので海外のメジャーな論文です)がお役に立つかと思いますので参考にして下さい。
 
---------------------------------------------
 

高齢者であっても、血圧の管理は非常に重要です。80代の患者さんにとっても、適切な血圧管理は健康を維持し、合併症を予防するための重要な要素です。以下に、その理由を説明します。

1. 脳卒中や心臓病のリスクは年齢とともに増加

高齢者では、血管が硬くなりやすく、高血圧がさらに進行する傾向があります。血圧が高い状態が続くと、脳卒中や心臓発作のリスクが特に高まります。80代でも、血圧を適切に管理することでこれらのリスクを大幅に減少させることができることが科学的に証明されています。研究では、高齢者においても血圧管理が脳卒中の発症リスクを下げ、心臓病や心不全の予防に効果的であることが示されています 。

2. 認知機能の低下を防ぐ

高血圧は、脳への血流に影響を及ぼし、認知症や軽度認知障害(MCI)のリスクを高める可能性があります。血圧をコントロールすることで、脳へのダメージを軽減し、高齢者の認知機能を維持する効果も期待されています。これは、特に長寿社会において大きなメリットです 。

3. 全身の健康管理

高血圧は心臓や脳だけでなく、腎臓や血管系全体にも影響を及ぼします。高齢者は腎機能の低下や血管の硬化が進行しやすいため、血圧管理によってこれらの臓器の健康も保つことができます。腎臓の機能が低下すると、体内の老廃物を処理する能力が減少し、さらなる健康問題を引き起こす可能性があります 。

4. 安全な血圧管理のアプローチ

高齢者の場合、低すぎる血圧もリスクとなるため、医師と相談しながら個別に最適な血圧目標を設定することが重要です。薬物療法や生活習慣の改善により、無理のない範囲で血圧をコントロールすることが推奨されます。

まとめ

高齢であっても血圧管理を怠るべきではありません。逆に、高齢だからこそ、脳卒中や心臓病、腎機能低下などのリスクを避けるために、血圧を適切に管理することが重要です。年齢に関係なく、血圧をしっかりコントロールすることで、健康で活動的な生活を送ることが可能になります。

【参考文献】

以上の情報がお役に立てば幸いです。

これ以外にも普段の医療で質問があればぜひお寄せ下さい。

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通勤中に見かけた夏の花

2024年09月05日 | 閑話休題

この何年かは自宅から駅まで歩いて通勤しています。

片道20-25分ぐらい。とても良い運動になります(夏は汗だくですが...)

ところで今日の朝、通勤途中にとても可愛らしい花を見かけました。

調べると「ニチニチ草(ビンカ)」とあります。

その中でもレッドアイという種類のようです。

とても可愛らしいですね!

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You tube 第17弾 脳動脈解離:若くても発症する?突然の頭痛・首筋の痛みに要注意!

2024年08月30日 | 報道・出版関係

みなさんこんにちわ。

本日は脳動脈解離についてお話ししたいと思います。

といっても、この言葉が難しいですよね?

脳動脈解離とは

  • 脳内の動脈壁が裂けることによって起こる病気。
  • 動脈壁の内膜と中膜の間に血液が侵入し、内側に膨らんで血流を妨げたり、破裂によってくも膜下出血を引き起こすことがある。

日頃の生活の中で、首を強く捻ったり、首に衝撃が加わることで起きる病気です。

ただし、何も思い当たることがない、というケースも多いです。

症状は突然の激しい頭痛や頚部痛です。

そう言われるとみなさん心配になるのではないでしょうか?

今回はこの脳動脈解離について詳しくお話ししました。

ぜひご覧くださいね!

https://www.youtube.com/watch?v=8NkjxTd7-dc

 

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You tube 第16弾 硬膜動静脈瘻とは? 耳鳴り、目の充血に要注意

2024年08月21日 | 報道・出版関係

耳鳴り、目の充血

これが脳卒中の前触れのことがあります。

耳鳴りの中でも、脈拍に合わせるような、ザッザッっという音がする時。

目の充血がなかなか治らず、目が腫れたり、物が二重に見えたりする時。

こんな時は要注意です。

そのような状態を引き起こす原因に「硬膜動静脈瘻(こうまくどうじょうみゃくろう)」という病気があるからです。

硬膜動静脈瘻とは、聞きなれない名前です。しかも名前自体が難しい。

簡単に言えば、硬膜動静脈瘻とは脳を覆う硬膜の動脈と静脈が毛細血管を介さずに直接つながってしまう病気、です。

症状は以下の通りです。

  • 耳鳴り:脈に合わせたようなドクドクという音
  • 目の異常:充血、ものが二重に見える、目が腫れる、眼圧が上がる、など
  • 麻痺、意識障害(脳出血、くも膜下出血による)
  • けいれん(脳の腫れによる)

最初に紹介したように耳鳴りや目の異常だけのことも多いのです。

しかし、重症では脳出血やくも膜下出血を起こしてしまう確率が高くなります。

ではどんな検査を受ければ良いのか?

治療法は?

動画で詳しくお話ししていますのでぜひご覧ください。

 

 

 

 

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