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Neurosurgery Forum in Tochigi

2013年07月03日 | 学会/研究会
昨日は宇都宮市で講演をさせて頂きました。
テーマは「頭蓋内動脈狭窄性病変に対する治療戦略」です。

この疾患は治療に関して議論の多い疾患です。
というのは、
1)SAMMPRIS trialという臨床試験でステント留置術の有効性が証明できなかった
2)バイパス手術についても虚血症状と脳血流の高度低下が両方そろっていない場合には、比較試験が行われていないため、その有効性が不明
という状況のためです。

つまり現時点では脳梗塞や虚血症状が起きた患者さんでも、血管内治療、バイパス手術ともに行いにくい状況で、「積極的内科治療」、つまり内服治療と危険因子管理が最も有効ということになっています。しかし実際にはこの治療を行っていても発作を繰り返す方が多くおられます。
そんな場合にはどうしたらいいのでしょうか?
一般的にはこのような状況でも内科的治療が継続されることが多いのですが、たびたび発作を繰り返したり脳梗塞が出てしまうと、患者さんやご家族がご不安に思い、相談を受けることが良くあります。また医学的にも危険な状態だと考えられます。

昨日はこういった状況で、私たちがどのようにそれぞれの患者さんを評価し、治療を行っているかについてお話ししました。
講演後は大変多くのご質問やコメントを頂き感激致しましたし、参加された先生方の強い関心に改めて気付きました。
今後も引き続きチャレンジを続け、皆さんに発信していきたいと思います。

このような機会を与えて頂いた関係者の方々に心から御礼申し上げます。
コメント (1)
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