次に、内服の回数で2つに分けられます。
ダビガトラン(プラザキサ)とアピキサバン(エリキュース)は1日2回
リバーロキサバン(イグザレルト)とエドキサバン(リクシアナ)は1日1回です。
1日1回の方が飲み忘れも少なく、便利で良いように思います。
ところが1日1回か2回かで効果にも微妙に違いがあるのです。1日1回の製剤では1日分を1度に内服するため血中濃度のアップダウンが大きくなります。このため予防効果や出血率にわずかながら差が出るとする報告があるのです。
しかし一方で、夜の内服を忘れてしまう方も多くおられます。そうなると話は全く変わってきます。この手の薬はきっちりと内服することで予防効果が得られる証明が得られており、半量で脳梗塞の予防効果が得られるかどうかは全く分からないからです。
「1日1回か2回か?」
これは単純にどちらが良いとは言えない状況です。患者さん一人一人のライフスタイルや既往症、そして内服が規則正しく出来るかどうかといった問診などを基に選ばれるべきと考えます。
さて、私たちは患者さんが出血を起こしやすい状態かどうかについて、HAS BLEDという評価法を参考にしています。
HAS BLEDは、心房細動患者に抗凝固療法を行う際に、重大な出血の発現リスクを評価する方法です(表)。
この表で点数を計算し、3点以上の場合には抗凝固薬で出血しやすくなることが示されています。このような場合には薬を減量したり、出血しにくいとされる種類を選ぶ必要が出てくると考えられます。(Clinical Cardiology 37, Issue 1, 32–47, 2014)