脳卒中をやっつけろ!

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脳動脈瘤 その1 脳動脈瘤とはどんなものか?

2019年10月14日 | 動脈瘤
まず最初は脳動脈瘤についてお話ししたいと思います。なぜなら、この病気は極めて多くの方に見つかり、治療するかどうか悩んでいる人が多いからです。このためこれからしばらくの間は脳動脈瘤とそれに関連する様々な事柄を、紹介していきます。
脳動脈瘤はたった一つの病気でありながら、関連する情報は膨大です。一つずつ、お話ししていきますね。

脳動脈瘤というのは脳の動脈がぷっくりとふくれた状態のことを指します。ふくらむだけでは通常は症状は出ません。しかし、チューイングガムや焼き餅のように、ふくれるほどその壁は薄くなります。そして、ふくらんでいるのは動脈ですから、ドクンドクンと脈打っています。動脈の圧力はとても高いので、どんどんふくらんでいくと、最終的には「パーン!」と破裂してしまいます。(ちなみに動脈の圧力のことを「血圧」と言います。)
テレビのドラマなどで、首を切るケガをするとすごい勢いで出血する場面があります。おそらくみなさん、「大げさだなぁ。あんなに出血するはずないだろう!」と思われますよね?私もそう思っていました。しかし、あれは実は誇張ではなく、本当なのです。動脈の中の圧力はそのぐらい高いですし、脳に行く血液量はすごく多いのです。
では脳の動脈がふくらんで、破裂したらどうなるのでしょうか?そう、激しい頭痛を来たしたり、意識を失ってしまいます。多くの方はとても大変な状態になってしまうのです。

脳の動脈は、「くも膜」という半透明の薄い膜の下を走っています。白っぽくて薄く透けているので、たしかにクモの糸で出来ているような感じの膜です。その膜の下に出血するので「くも膜下出血」と言われるのです。

「なぜ、大変なことになるのかの説明になっていないですよ」という声が聞こえてきそうです。そう、その理由は、『出血の勢いがとても強いから』なのです。私たちの頭は一見、大きなものですが、実は脳が収まっている部分の容量はそれほど大きなものではありません。しかもその中には私たちの脳がしっかりと収まっていて、隙間はわずかしかないのです。そこに勢いよく出血すると、圧力が一気に高まってしまうのです。出血が続けばいずれその圧力は動脈の圧力と同じぐらいまで上がります。そうすると脳の中に血液が入らなくなってしまい、脳に血液が行かなくなる...というわけです。

まずはここまで。ちょっと怖い感じになってごめんなさい。
それでは次回は動脈瘤というものについてもう少し詳しくお話しします。

ちなみに今日は、福岡に来ています。今から手術の指導です。頑張ります!


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新たなシリーズをはじめます

2019年10月14日 | 動脈瘤
皆さんこんにちは!
このブログでは脳卒中に関する情報を時に(頻繁に?)脱線しつつ、提供してきました。2008/01/22が最初ですから、もうずいぶん時間が経ちました。このため、記載した当時と比べ医療機器や、医学自体が大きく変化しています。そこで、ここでもう一度原点に戻って、一つ一つの病気について詳しく解説していくことにしました。
皆さんのお役に立ちそうな情報を選び、出来るだけ詳しくお伝えしていこうと思います。つまり、これまでよりも深いところまで、そして最新情報も紹介します。時には医療関係者や医師のレベルにまで触れることになることを想定しています。

さて、形式としては私が外来診察室や病棟でお話しする時と同じく、自分の頭の中にある範囲で話し言葉で説明します。そして様々なエピソードや、実体験についても紹介したいと思います。脳動脈瘤のある方やそのご家族にはきっとお役に立つと思います。また高度なレベルのお話に関しては、脳神経外科専門医、特に脳血管を専門とする医師がどんなことを考えて、どのように診療しているか、世界の最新情報はどんなものかを知るための参考になるかもしれません。

記載する順序についてもある程度、構想を練ってはいますが、その時その時でトピックとなる事柄が入り込んでしまうかもしれません。また、日々の診療をしながら記載していくため、時には舌足らずになることもあるかもしれません、出来るだけみなさんが消化不良とならないよう、一旦記載してもその後に修正するなどして対応してまいりますが、もしも行き届かない点や質問ががあれば、是非コメントに入力して下さい。ただし、個人的な病気に関するご質問は、個人情報の観点からも、このブログの画面にある「Dr. Yoshimura's Website 」の相談メールから送って下さい。必ずお返事いたしますので、パソコンからのメールが受け取れるアドレスをご記載ください。

それではみなさん、どうぞよろしくお願い致します。



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