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脳梗塞の予防薬 その3 アスピリン

2012年04月03日 | 脳梗塞
ラクナ梗塞またはアテローム血栓性脳梗塞であった場合、つまり頭や頚の血管が原因の脳梗塞の場合には、再発予防のため抗血小板薬が推奨されています。「抗血小板薬」といわれてもピンと来ませんね。具体的にはアスピリン、プラビックス、プレタールという名前の薬です。
さてその中から、今回はまずアスピリンについて紹介します。

1. アスピリンはいつ頃から使われ始めたのでしょうか?
 すでに紀元前からヤナギの樹皮や葉は痛みを和らげる目的で使われていました。19世紀になりその成分がサリチル酸として分離され、解熱鎮痛薬として用いられ始めました。しかし副作用として強い胃腸障害があったため、この副作用を和らげるために開発されたのがアセチルサリチル酸、別名アスピリンなのです。これは1897年のことですので、115年前のことです。100年以上前の人類初めての合成薬でありながら、現在も第一線で使われている薬なのです。すごいと思いませんか?

2. 痛み止めなのになぜ脳梗塞に使われるのでしょうか?
 もともと痛み止めとして合成された薬なのですが、1971年、アスピリンを飲むと血液の中の血小板という成分が抑制され、血液がさらさらになることが発見されました。この作用のことを「血小板凝集抑制作用」と言います。血液がさらさらになり血管が詰まりにくくなることで脳梗塞や心筋梗塞が予防されるため非常に重要な発見とされ、この発見にはノーベル賞が贈られています。

アスピリンの歴史、面白いですね!

コメント (1)
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