旅にしあれば

人生の長い旅、お気に入りの歌でも口ずさみながら、
気ままに歩くとしましょうか…

「魔法少女特殊戦あすか」の再評価

2022-01-25 19:28:00 | NHKに捧げる歌

ここにきてけっこう時間に余裕が出てまいりました。2022年冬アニメを
ばっさばっさと切り捨て、視聴番組を減らしたことが大きい(それでもいい加減
たくさん見てますけど)のと、さすがにこれだけ新型コロナウィルスの新規感染者数が
増え続けている最中、考えうる自己防衛手段は、外出および人との接触機会を極力
避ける努力をし、引きこもるしかなさそうですしね。

それで、これまでストックした記録メディアからいくつかアニメ作品を見返すことが
今できていて、「幼女戦記」「宇宙よりも遠い場所」「魔法少女特殊戦あすか」と
続けざまに3作品を見倒しました。前2作品についてはこれまでも何度か紹介機会が
あったし、触れだすと際限なく話が止まらず前に進めないので、ここでは魔法~
に焦点を絞って話を進めます。


2019年放映の魔法~は、ブルーレイに残すか残さまいか迷った記憶があります。
理由の一つしては、このアニメがシリーズものだと錯覚したからで、なぜかって、
まず冒頭、これまでのあらすじが語られるところから作品が始まるからなんです。
前作が存在する場合、単体でこれだけ残すのはちょっとつらいんですよね。

『異世界から侵攻を受け、通常兵器が無効化され太刀打ちできない人類は、侵略を
快く思わない別の異世界からの支援で魔法少女を誕生、結集させ抵抗、激しい戦闘で
多くの同胞が命を散らせる中、残った5人の戦士(のちマジカル・ファイブと呼ばれる)
が奮戦、ラスボスを倒し、人類はかろうじて勝利をおさめ、世界に再び平和が戻る。
しかし、戦いに疲れ果てたリーダー格・あすかは一線を退き、普通の高校生に戻る…』
ところから引き続いて新たな物語が始まる出だしでした。このあらすじで描かれる
過去の戦闘シーンはその後もたびたびフラッシュバックされ挿入、切りとられた一部の
回想場面だけみてもかなり過酷な戦いだったことがうかがい知れるなど、ストーリーも
練られていて興味深く、てっきり第一期が存在するものだと思い込んだのです。

迷った別の負の理由としては、彼女らのコスチュームが奇抜すぎる点だったでしょうか。
主人公ラプチャー☆あすかはメイド服、コンビを組むウォーナース☆くるみはナース服
なんですよね! 魔法少女のいずれもが肉感的な美少女ぞろいで、不健全な男子である
わたくしなどは鼻の下を長くし喜びもしましょう。だがしかしですよ、それにつけても、
そこまで(主に)男性ファン向けサービスショットを入れなくてもいいと思うのです。
エロい演出がちょっと多すぎるような気がして、そんな視聴者迎合みえみえの作品は、
私としては逆に評価を下げるし、自己基準に抵触するように思えたんですね。


しかしその負を差し引いても保存したのは、設定やストーリーがおもしろかったのと、
バトルシーン、アクションが迫力満点だったからです。ダークでグロい魔法少女もの、
過激なバイオレンスシーンが多く、一般向けとは言い難く正視できないような悲惨な
場面もあります。原作者の深見真さんはよく見聞きするお名前だと思ったら、人気作
「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズなどで知られた方で、なるほどどうりで考証、
筋書きがしっかりしているはずです。なので、そこまで彼女らの衣装をおふざけにせず、
美少女ものを強調しなくても、十二分に楽しめるのではとも考えますが、一方相当
ヘビーで残虐な内容であることも間違いなく、学園における友人らとの束の間の息抜き、
はしゃぐ場面や麗しい容姿が、それを和らげ中和していることもまた事実でしょう。

今回番組のHPなどを確認して判明したのは、この作品がシリーズでなく、単体作品で
あったことです。これには驚きました。挿入部の出来事だけで十分2クール分くらいの
アニメ作品がつくれそうな興味深い設定、内容なのですから、もったいない気もします。
しかもこの作品でも敵との戦いは終結していない訳で、前後合わせると相当な分量となり、
シリーズ化してもいい気がします。なるほど、逆に単体作品だとすると、今更ながら
このアニメは構成がかなりしっかり練り込まれていたことを再認識します。劇場版
並みのテンポよさで、説明足らず気味に展開早く話が進み、また、「第一期を見ていたら
もっとこのあたり突っ込んだ話がわかるんだろうな」と思わせつつ、実は前作などなく、
それでも視聴者を置き去りにしない、計算ずくでプロットが仕上げられたのでしょう。


この作品が放映時どれくらい支持を集めたのかを私は知りません。しかし、「鬼滅の刃」の
ように国民に広く知れ渡ったわけでないのは違いなく、シリーズ化されたり、劇場版が
つくられない限り、番宣を兼ねる再放映されることもまずなくて、そのまま一部のファン
以外には忘れ去られ消えてしまうアニメはごまんとあって、それがつくづく惜しいし、
この作品もそうしたひとつなのかもしれません。鬼滅や「呪術廻戦」のように幅広く
認知される突出した人気有名作品以外、多くが使い捨てられ、忘れ去られる現状を憂います。


戦いから退き、普通の学園生活に溶け込もうとするあすかは、異世界から非合法に手に入れた
魔法力を行使する闇の組織「バベル旅団」に対し、学友の危険を救ったのを契機に魔法少女に
復活、自衛隊特殊作戦部隊へと参加、再び過酷な戦闘へと身を投じることになります。
魔法少女らもめっぽう強いが敵の魔力もそれを凌駕するほど強烈で、味方陣営にも多大な
犠牲を出しながら、ギリギリ紙一重で繰り広げられる戦闘シーンはかなり激しく見ごたえが
あります。あすかの武器、コンパクトな刃物がかっこよく、それを指で勢いよくグルグル回す
シーンにしびれますが、よい子は真似しないほうがいいでしょう。私がもし同じアクションを
しようとすると、指が何本あっても足りなさそうです。


改めて最終話を見ると、今度の新たな敵との戦いは始まったばかりであることが示唆されて
いますし、原作(マンガ?)もまだ先があるようなので、続編・第二期制作を心待ちに
したいと思います。見逃した方は、そのタイミングでの第一期の再放映も期待しましょう。

コメント
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