バスの話題の続きなど。市営バスカテゴリーに設定していますが、市営バス関連の話題は、後半にて。
創業100周年記念「謝恩運賃 100円デイズ」で、ほぼ全路線が2日間100円均一になった羽後交通。
せっかくなので、1度だけ乗らせてもらった。乗ったのは、23日日曜日午後早い時間の、県立体育館前発秋田駅西口経由本荘行き急行。
車両は大型バス。座席が少なめの路線仕様。秋田駅より後のバス停で乗ったのだけど、座席は全部埋まって、通路に5~6人くらい立っていた。こんなに乗っている急行・秋田本荘線なんて見たことない!(実際には、悪天候で羽越本線が運休した時などはもっと混みそう)
日曜日だし、若者が多いかと思ったが、年齢層は高め。2人以上で連れ立って乗って、買い物した袋を持っている人が多いように感じた。長崎屋バスターミナルからも、同じような人たちが数人乗ってきた。
新屋より手前に住む高齢者なら、秋田市コインバス事業で100円で中央交通に乗れるから、このバスに乗る必要はない。おそらく、新屋より先、下浜、由利本荘市岩城、本荘市街まで帰る人たちだと思われる。
僕はすぐに降りたけれど、立ったまま岩城や本荘市街まで行った人もいたかもしれない。おつかれさまでした。
翌24日に見かけた限りでは、日曜よりは少ないものの、通路に立つ人もいて、やはり盛況。あのくらい乗っていれば、モトが取れないにしても、それなりの収入にはなったかもね。
羽後交通の車内には、整理券と対照する機械じかけの運賃表示器(液晶、LED、昔は行灯式の幕)はなく、運転席背後に「三角表」と呼ばれる運賃表が掲出される。
今回は、それを覆う形で100円均一の告知があった。子どもは場合によっては100円以下でいいこともあるのだし、僕のような日頃乗らない人が「いつもならいくらなんだろう?」と思った時は、その告知をめくり上げないと運賃を知ることができない。(でもその前に人が座っているから、遠慮してしまう)
運転士さんは、新たに乗った客がいる度に、肉声で100円均一の告知。「現金で100円」と明確に支払い方法に言及していたのはこれだけだった。(掲示物には支払い方法の記載がなく、回数券でも支払えるかと誤解される恐れがあった)
ほかに気づいたこと。
急行本荘線には、中央交通の長崎屋経由大川反車庫行き/発と重なる区間があり、そこでは「山王十字路」バス停を竿燈大通り側と新国道側の2回通る。
中央交通では、どちらでも乗降でき、おそらく車内放送もそれぞれ流れる。
羽後交通本荘線も、どちらにもバス停が設置されているので、やはりどちらでも乗降できるはず。しかし、車内放送は先に通る竿燈大通り側の前に1度流れただけだった。【27日訂正】勘違いしていた。この路線では、秋田駅へ立ち寄って逆戻りする経路であるため、竿燈大通りの山王十字路を1度の運行で2度通る。竿燈大通り側では、本荘発は秋田駅通過後(2度目)、秋田発は秋田駅通過前(最初)に通る時だけ乗降できることになるようだ。たぶん。したがって、どちらの山王十字路でも乗降できるものの、今回乗った区間では、新国道側でしか乗降できなかったようだ。流れた放送は、新国道側の分ということになる。たぶん。
その後は、長崎屋バスターミナルの中に入る。中央交通では「長崎屋バスターミナル」という名称だけど、羽後交通では「長崎屋前」という名称だった。「あの程度のもんでバスターミナルとは呼べない」という、羽後交通の気持ちが反映されているのだろうか。(だとすれば同意します)【12日補足】本荘発秋田行きでは、ターミナル内に入らず、路上のバス停で乗降を扱う。だから、それに逆側もそろえて「~前」ということのようだ。
車内設備。
機械の運賃表示器がない代わりにその位置(車内前方左上)には、3色LEDで次のバス停の名称を表示する装置が設置されていた。大きめの文字で1行表示。
平成初期頃に首都圏の均一運賃の路線バスに設置されていたものと同じだから、この車両の前の所有者が使っていたものを使い回しているのかもしれない。
運転士はどうやって運賃を確認するのかと思っていたら、シフトレバーの下辺りに、リングで束ねた紙(A5サイズ程度のやや厚手の色付き用紙)があった。
紙には、1枚につきバス停名が1つ書いてあって、そこまでの整理券番号ごとの運賃が記載された表。つまり、機械式の運賃表示器と同じ形式。
それを、バス停を通過するごとにめくっているのだった。100円均一の日でも、ちゃんとめくっていた。
羽後交通のバスに乗ったのは、おそらく5年以上ぶり。たまには乗りたい、というかほぼ並行する中央交通新屋線の本数が減る一方の昨今、これからは急行本荘線の利用を増やしていかないといけないことになるかもしれない。
羽後交通を身近に感じるきっかけになった、謝恩運賃だった。
【2019年7月20日追記】その後、何度か羽後交通本荘線に乗っているが、発車時のクラクションについて。本荘営業所の運転士の年配の人(何人なのかは知らない)で、バス停に停車して発車する際に、必ずクラクションを鳴らす人がいる。旅客自動車運送事業運輸規則では「発車の直前に安全の確認ができた場合を除き警音器を吹鳴すること」とされており、昔は鳴らす場合が多かったが、今(20世紀末以降?)は鳴らさないほうが多くなった。バス会社によっては、今も鳴らすよう指示しているかもしれない。羽後交通では人それぞれということになろう。
秋田市営バスでは、移管が始まる頃まで在籍していた年配の運転士の中に鳴らす人が何人かいて、始発点でだけ鳴らすようなこともあった。2005年頃、岩手県内のJRバス東北の高速バスでは、若い運転士が鳴らしていた。現在の秋田中央交通では、秋田市内では恒常的に鳴らす人は皆無ではないだろうか。(以上追記)
秋田魁新報では、謝恩運賃の記事の後にも、県南地域面で、100年を振り返る3回の連載や、記念式典の報道が掲載された。
連載には、鉄道路線があった当時のことや、バス関連では
・豪雪地帯であるためかつては冬期間はずっと運休していた路線が多くあり、その対策として自前で道路を除雪したこと。
・乗務員とガイドが研修し、貸切バスを連ねて、首都圏方面まで中学校の修学旅行を請け負ったこと。
などが興味深かった。
昔は、雪国でも道路除雪がほとんどされなかったようで、秋田市でも秋田市交通局が自前で除雪していたそうだ。それは、公営バス事業者だからできたことだと思っていたが、羽後交通もやっていたのか。
学校から目的地まですべてバスを使った修学旅行は、秋田市立の小学校では1980年前後までは行われていたようだ。それだと長い遠足みたいなもんで、鉄道に乗るような今までにない経験をするのが修学旅行のようにも思うけど、そういうもんか。
記念式典では、バス待合所の清掃などをしてくれている、沿線の個人や団体への表彰が行われたとのこと。
【2日追記】2日付地域面のコラム「地方点描」でも取り上げられた。写真と作文のコンクールも行われたそうで、作文では「メロディーバス」での通学、昭和40年代後半のフェリーでの北海道修学旅行、東日本大震災直後の高速バス運転士とのやり取りなどが入賞したとのこと。
さて、中央交通100周年では、どんなことになるでしょうか。
ここから、市営バス関連。
前回、秋田中央交通の「一日乗りほうだい券」のことも取り上げた。
コメントで、売っている場所が少ないというお話になった。個人的には、どこでなにを売っているのかの情報からして、市営バス時代と比べて分かりづらくなって不親切に感じている。
その後、公式ホームページを見ると、いちおう掲載されていた。メニューの「路線バス」>「営業案内」という分かりにくい場所。
その「券発売所」によれば、五城目営業所でも乗りほうだい券が発売されていた。今回の実証実験とは無関係にいつも売っているのだろうか? 男鹿営業所では扱っていないのは、まあ当然。
ホームページ掲載の「券発売所」は、自社の営業所・案内所のみで、定期券と高速バス乗車券の扱いについてのみ。回数券がどこで買えるかは掲載されていない。
市営バス時代は、委託した市中のお店などあちこちで購入できたはずだが、それらが今どうなっているのか、知ることができない。セット回数券はバスの車内でも買えるので、それでいいといえばいいのですが。
ここで、以前も取り上げた、1988年の市営バスの冊子時刻表。
その中に、回数券発売所の一覧があった。これとは別に、各営業所や木内など定期券発売所でも回数券を売っていたし、もしかしたら別に中央交通側で委託した販売所もあったのかもしれない。当時から、車内でも販売していた。
まず、公民館や地域センター、さらに秋田市文化会館など、秋田市役所の出先機関の多くで売られていたことに驚く。
地域に密着した市の施設で販売して、市民の足である市営バスをお得に利用してほしいという気持ちなのだろう。現金の扱いや在庫管理・補充などは大変そう。【2日追記】委託先には手数料を支払っていたかと思われるが、秋田市の施設に委託すれば、それが不要だとか、必要だとしても結局は市の収入になるので、金銭的負担が少なく済んだのかも。
「ダイエー(大町)」とは、正確には秋田ニューシティのサービスカウンターということでしょう。
「升屋(大町)」とは、仏壇の升谷(広告)ではなく、交通公社前バス停の前(今の大和ハウスの場所)にあった、呉服店。乗車客が多い主要バス停の真ん前だけに、呉服店には似つかわしくないけれど扱っていたのか。
「ミッキーマート(御野場)」はまったく知らなかった。御所野【4日訂正】御野場五丁目にある個人商店のようだ。
新たに、10年後・1998年10月1日現在の「市営バス乗車券発売所および取扱券種一覧表」も発見。パソコンで作ってオフィス用印刷機で印刷したようなもの。大判時刻表といっしょに配布されたのだろうか。
販売所ごとに、3000円のセット回数券やこども用のりほうだい券を含む券種別の扱いの有無、営業時間・定休日についてもまとめられていて、親切。販売所が堅苦しい正式名称で掲載されたり、左端に振られた番号がメチャクチャだったりするのはご愛嬌。
「この他にもあります」ともあるが、掲載分だけでも1988年よりも増えている。
駅ビルトピコ、御所野の中央シルバーエリア、ジャスコ御所野店など新しくできた施設。そして「サークル・ケイ(市内15店舗)」。
サークルKでは、定期券類と単券回数券(同じ金額の券片だけの11枚綴り)を扱わないだけで、子ども用などは扱っており、回数券発売所としては本格的だったようだ。
市営バスがなくなった今、回数券はどこで買えるのだろう。
トピコのサービスカウンターでは売っている。いただいたコメントではファミマで扱っている店舗があるとのことだったが…
今さら秋田市の各出先機関では買えなさそう。升屋は、現在は川反に入ったところに移転したけれど、そこでは?
ニューシティ閉鎖後は、向かいの秋田観光コンベンション協会のオフィスで売るようになったそうだけど、今も?
【2日追記】風前の灯のサークルKでは?
先日、イオン土崎港店のサービスカウンターに用事があった。
何気なく、ショーケースを見ると、色あせていたけど中央交通のセット回数券の見本が飾ってあった。ということで、
買えた!
(少なとも)1988年からジャスコ土崎港店で取り扱っているのが、今も脈々と受け継がれていた。セット券以外の取扱券種は不明(1998年当時はフルラインナップだったけど)。
秋田市役所内にあって回数券も売っていた「バスコーナー」は、新庁舎には引き継がれず廃止された。だったら、市役所内に新しくできたローソンで発売したらどうだろう。【3日追記】コメントによれば、市役所のローソンで、セット回数券のみだが売っているとのこと。
弘南バスでは、弘前大学生協や弘前学院大学(のどこ?)で回数券を売っていることがホームページに掲載されている。それにならって、秋田大学(附属病院売店では売っている?)や美術大学で売ったらどうだろう。
バスを利用する人が、少しでも利用しやすいよう、できることはまだまだあるはず。
【2日追記】他のバス会社と比べると、市営バス時代は販売所がとても多かったと思う。委託料も発生するし、今は高齢者は現金100円で乗れるので回数券の需要が減ったとも考えられ、あちこちで売る必要性は低いのかもしれない。(でも需要はあるのだし、売っているのならそのことを告知するべき)
【2日さらに追記】青森市営バスや八戸市営バスでは、委託販売所がかつての秋田市営バス並みかそれ以上に多数あり、ホームページで公開している。両事業者とも、個人商店や複数のコンビニチェーンで売るほか、青森市ではスーパーでも扱っている。
※2022年にICカードAkiCAが導入され、紙の回数券は発売終了。委託販売所も役目を終えることになるはず。
市営バス関連はここまで。
秋田魁新報の別刷り女性向け情報紙「マリ・マリ」。
以前はJR駅の女性助役が掲載されたが、10月28日付vol.380では、中央交通臨海営業所の女性運転士が取り上げられた。
写真では、中型バスであるいすゞエルガミオの「819」が写っているのに、文中では「大型バス」となっているのは、とりあえずいいことにしましょう。
この方は、路線バスを運転して1年7か月。
高卒後、中央交通のバスガイドを5年して退社。37歳で大型2種免許を取得して、「別会社でプール送迎マイクロバスの運転、ジャンボタクシーの運転など10年勤務してから転じた」とのこと。
「別会社」というのは、中央交通系列の秋田中央トランスポートのこと? それともまったくの別会社ってこと?
バスガイド時代の上司の後押しもあり、亡くなった前社長も「おかえり」と声を掛けてくれたとのこと。
この辺は、「サタナビっ!」でやっていた羽後交通の女性運転士(こちらはガイドから間を置かずすぐ転身?)と似ている。
臨海営業所について。
「臨海営業所は、秋田駅から秋田市北部、五城目町までの124路線をバス75台、運転手97人で運行している」
→「秋田駅から秋田市北部、五城目町まで」だと、新屋方面など秋田市南部が含まれないが、そちらも臨海管轄ですよ。
→2011年時点では、秋田市内を走る(秋田営業所と臨海営業所)中央交通の路線バスは181台だった。その後、少し減ったと思われるが、そんなもんか。
「(運転士の乗務は)3カ月で124路線を一巡します。」
→「124路線」とは、“路線”を経由や行き先違いで区分した124“系統”という意味かな。それはすなわち、系統番号の数と一致するはず。ところが、数えてみると、秋田市内には全部(秋田営業所+臨海営業所)で118系統前後しかないはず(当然路線数はもっと少ない)。おかしい。
往復で2系統とカウントしたのだろうか。とすれば、秋田営業所と二分してちょうど良さそうな数だけど…
→「3か月で一巡」だと、毎日きれいに順々にローテーションしているように受け取れるけど、そうなんだろうか。偏りというか、ローテーションが崩れることもありそう。
「遅番は午後3時50分のバスに乗車して、最終で営業所に着くのが午後11時10分。」
→最終は秋田駅西口22時20分発新国道経由飯島北行きか。飯島北着が22時52分。
ちなみに早朝は、臨海営業所発駅行き5時45分が、現在の中央交通では唯一の5時台に営業運転するバスのようだ。秋田営業所も含めて、郊外へ向かう回送では、同じ時間帯から何台も動いているでしょう。
創業100周年記念「謝恩運賃 100円デイズ」で、ほぼ全路線が2日間100円均一になった羽後交通。
せっかくなので、1度だけ乗らせてもらった。乗ったのは、23日日曜日午後早い時間の、県立体育館前発秋田駅西口経由本荘行き急行。
車両は大型バス。座席が少なめの路線仕様。秋田駅より後のバス停で乗ったのだけど、座席は全部埋まって、通路に5~6人くらい立っていた。こんなに乗っている急行・秋田本荘線なんて見たことない!(実際には、悪天候で羽越本線が運休した時などはもっと混みそう)
日曜日だし、若者が多いかと思ったが、年齢層は高め。2人以上で連れ立って乗って、買い物した袋を持っている人が多いように感じた。長崎屋バスターミナルからも、同じような人たちが数人乗ってきた。
新屋より手前に住む高齢者なら、秋田市コインバス事業で100円で中央交通に乗れるから、このバスに乗る必要はない。おそらく、新屋より先、下浜、由利本荘市岩城、本荘市街まで帰る人たちだと思われる。
僕はすぐに降りたけれど、立ったまま岩城や本荘市街まで行った人もいたかもしれない。おつかれさまでした。
翌24日に見かけた限りでは、日曜よりは少ないものの、通路に立つ人もいて、やはり盛況。あのくらい乗っていれば、モトが取れないにしても、それなりの収入にはなったかもね。
羽後交通の車内には、整理券と対照する機械じかけの運賃表示器(液晶、LED、昔は行灯式の幕)はなく、運転席背後に「三角表」と呼ばれる運賃表が掲出される。
今回は、それを覆う形で100円均一の告知があった。子どもは場合によっては100円以下でいいこともあるのだし、僕のような日頃乗らない人が「いつもならいくらなんだろう?」と思った時は、その告知をめくり上げないと運賃を知ることができない。(でもその前に人が座っているから、遠慮してしまう)
運転士さんは、新たに乗った客がいる度に、肉声で100円均一の告知。「現金で100円」と明確に支払い方法に言及していたのはこれだけだった。(掲示物には支払い方法の記載がなく、回数券でも支払えるかと誤解される恐れがあった)
ほかに気づいたこと。
急行本荘線には、中央交通の長崎屋経由大川反車庫行き/発と重なる区間があり、そこでは「山王十字路」バス停を竿燈大通り側と新国道側の2回通る。
中央交通では、どちらでも乗降でき、おそらく車内放送もそれぞれ流れる。
羽後交通本荘線も、どちらにもバス停が設置されているので、
その後は、長崎屋バスターミナルの中に入る。中央交通では「長崎屋バスターミナル」という名称だけど、羽後交通では「長崎屋前」という名称だった。「あの程度のもんでバスターミナルとは呼べない」という、羽後交通の気持ちが反映されているのだろうか。(だとすれば同意します)【12日補足】本荘発秋田行きでは、ターミナル内に入らず、路上のバス停で乗降を扱う。だから、それに逆側もそろえて「~前」ということのようだ。
車内設備。
機械の運賃表示器がない代わりにその位置(車内前方左上)には、3色LEDで次のバス停の名称を表示する装置が設置されていた。大きめの文字で1行表示。
平成初期頃に首都圏の均一運賃の路線バスに設置されていたものと同じだから、この車両の前の所有者が使っていたものを使い回しているのかもしれない。
運転士はどうやって運賃を確認するのかと思っていたら、シフトレバーの下辺りに、リングで束ねた紙(A5サイズ程度のやや厚手の色付き用紙)があった。
紙には、1枚につきバス停名が1つ書いてあって、そこまでの整理券番号ごとの運賃が記載された表。つまり、機械式の運賃表示器と同じ形式。
それを、バス停を通過するごとにめくっているのだった。100円均一の日でも、ちゃんとめくっていた。
羽後交通のバスに乗ったのは、おそらく5年以上ぶり。たまには乗りたい、というかほぼ並行する中央交通新屋線の本数が減る一方の昨今、これからは急行本荘線の利用を増やしていかないといけないことになるかもしれない。
羽後交通を身近に感じるきっかけになった、謝恩運賃だった。
【2019年7月20日追記】その後、何度か羽後交通本荘線に乗っているが、発車時のクラクションについて。本荘営業所の運転士の年配の人(何人なのかは知らない)で、バス停に停車して発車する際に、必ずクラクションを鳴らす人がいる。旅客自動車運送事業運輸規則では「発車の直前に安全の確認ができた場合を除き警音器を吹鳴すること」とされており、昔は鳴らす場合が多かったが、今(20世紀末以降?)は鳴らさないほうが多くなった。バス会社によっては、今も鳴らすよう指示しているかもしれない。羽後交通では人それぞれということになろう。
秋田市営バスでは、移管が始まる頃まで在籍していた年配の運転士の中に鳴らす人が何人かいて、始発点でだけ鳴らすようなこともあった。2005年頃、岩手県内のJRバス東北の高速バスでは、若い運転士が鳴らしていた。現在の秋田中央交通では、秋田市内では恒常的に鳴らす人は皆無ではないだろうか。(以上追記)
秋田魁新報では、謝恩運賃の記事の後にも、県南地域面で、100年を振り返る3回の連載や、記念式典の報道が掲載された。
連載には、鉄道路線があった当時のことや、バス関連では
・豪雪地帯であるためかつては冬期間はずっと運休していた路線が多くあり、その対策として自前で道路を除雪したこと。
・乗務員とガイドが研修し、貸切バスを連ねて、首都圏方面まで中学校の修学旅行を請け負ったこと。
などが興味深かった。
昔は、雪国でも道路除雪がほとんどされなかったようで、秋田市でも秋田市交通局が自前で除雪していたそうだ。それは、公営バス事業者だからできたことだと思っていたが、羽後交通もやっていたのか。
学校から目的地まですべてバスを使った修学旅行は、秋田市立の小学校では1980年前後までは行われていたようだ。それだと長い遠足みたいなもんで、鉄道に乗るような今までにない経験をするのが修学旅行のようにも思うけど、そういうもんか。
記念式典では、バス待合所の清掃などをしてくれている、沿線の個人や団体への表彰が行われたとのこと。
【2日追記】2日付地域面のコラム「地方点描」でも取り上げられた。写真と作文のコンクールも行われたそうで、作文では「メロディーバス」での通学、昭和40年代後半のフェリーでの北海道修学旅行、東日本大震災直後の高速バス運転士とのやり取りなどが入賞したとのこと。
さて、中央交通100周年では、どんなことになるでしょうか。
ここから、市営バス関連。
前回、秋田中央交通の「一日乗りほうだい券」のことも取り上げた。
コメントで、売っている場所が少ないというお話になった。個人的には、どこでなにを売っているのかの情報からして、市営バス時代と比べて分かりづらくなって不親切に感じている。
その後、公式ホームページを見ると、いちおう掲載されていた。メニューの「路線バス」>「営業案内」という分かりにくい場所。
その「券発売所」によれば、五城目営業所でも乗りほうだい券が発売されていた。今回の実証実験とは無関係にいつも売っているのだろうか? 男鹿営業所では扱っていないのは、まあ当然。
ホームページ掲載の「券発売所」は、自社の営業所・案内所のみで、定期券と高速バス乗車券の扱いについてのみ。回数券がどこで買えるかは掲載されていない。
市営バス時代は、委託した市中のお店などあちこちで購入できたはずだが、それらが今どうなっているのか、知ることができない。セット回数券はバスの車内でも買えるので、それでいいといえばいいのですが。
ここで、以前も取り上げた、1988年の市営バスの冊子時刻表。
その中に、回数券発売所の一覧があった。これとは別に、各営業所や木内など定期券発売所でも回数券を売っていたし、もしかしたら別に中央交通側で委託した販売所もあったのかもしれない。当時から、車内でも販売していた。
まず、公民館や地域センター、さらに秋田市文化会館など、秋田市役所の出先機関の多くで売られていたことに驚く。
地域に密着した市の施設で販売して、市民の足である市営バスをお得に利用してほしいという気持ちなのだろう。現金の扱いや在庫管理・補充などは大変そう。【2日追記】委託先には手数料を支払っていたかと思われるが、秋田市の施設に委託すれば、それが不要だとか、必要だとしても結局は市の収入になるので、金銭的負担が少なく済んだのかも。
「ダイエー(大町)」とは、正確には秋田ニューシティのサービスカウンターということでしょう。
「升屋(大町)」とは、仏壇の升谷(広告)ではなく、交通公社前バス停の前(今の大和ハウスの場所)にあった、呉服店。乗車客が多い主要バス停の真ん前だけに、呉服店には似つかわしくないけれど扱っていたのか。
「ミッキーマート(御野場)」はまったく知らなかった。
新たに、10年後・1998年10月1日現在の「市営バス乗車券発売所および取扱券種一覧表」も発見。パソコンで作ってオフィス用印刷機で印刷したようなもの。大判時刻表といっしょに配布されたのだろうか。
販売所ごとに、3000円のセット回数券やこども用のりほうだい券を含む券種別の扱いの有無、営業時間・定休日についてもまとめられていて、親切。販売所が堅苦しい正式名称で掲載されたり、左端に振られた番号がメチャクチャだったりするのはご愛嬌。
「この他にもあります」ともあるが、掲載分だけでも1988年よりも増えている。
駅ビルトピコ、御所野の中央シルバーエリア、ジャスコ御所野店など新しくできた施設。そして「サークル・ケイ(市内15店舗)」。
サークルKでは、定期券類と単券回数券(同じ金額の券片だけの11枚綴り)を扱わないだけで、子ども用などは扱っており、回数券発売所としては本格的だったようだ。
市営バスがなくなった今、回数券はどこで買えるのだろう。
トピコのサービスカウンターでは売っている。いただいたコメントではファミマで扱っている店舗があるとのことだったが…
今さら秋田市の各出先機関では買えなさそう。升屋は、現在は川反に入ったところに移転したけれど、そこでは?
ニューシティ閉鎖後は、向かいの秋田観光コンベンション協会のオフィスで売るようになったそうだけど、今も?
【2日追記】風前の灯のサークルKでは?
先日、イオン土崎港店のサービスカウンターに用事があった。
何気なく、ショーケースを見ると、色あせていたけど中央交通のセット回数券の見本が飾ってあった。ということで、
買えた!
(少なとも)1988年からジャスコ土崎港店で取り扱っているのが、今も脈々と受け継がれていた。セット券以外の取扱券種は不明(1998年当時はフルラインナップだったけど)。
秋田市役所内にあって回数券も売っていた「バスコーナー」は、新庁舎には引き継がれず廃止された。だったら、市役所内に新しくできたローソンで発売したらどうだろう。【3日追記】コメントによれば、市役所のローソンで、セット回数券のみだが売っているとのこと。
弘南バスでは、弘前大学生協や弘前学院大学(のどこ?)で回数券を売っていることがホームページに掲載されている。それにならって、秋田大学(附属病院売店では売っている?)や美術大学で売ったらどうだろう。
バスを利用する人が、少しでも利用しやすいよう、できることはまだまだあるはず。
【2日追記】他のバス会社と比べると、市営バス時代は販売所がとても多かったと思う。委託料も発生するし、今は高齢者は現金100円で乗れるので回数券の需要が減ったとも考えられ、あちこちで売る必要性は低いのかもしれない。(でも需要はあるのだし、売っているのならそのことを告知するべき)
【2日さらに追記】青森市営バスや八戸市営バスでは、委託販売所がかつての秋田市営バス並みかそれ以上に多数あり、ホームページで公開している。両事業者とも、個人商店や複数のコンビニチェーンで売るほか、青森市ではスーパーでも扱っている。
※2022年にICカードAkiCAが導入され、紙の回数券は発売終了。委託販売所も役目を終えることになるはず。
市営バス関連はここまで。
秋田魁新報の別刷り女性向け情報紙「マリ・マリ」。
以前はJR駅の女性助役が掲載されたが、10月28日付vol.380では、中央交通臨海営業所の女性運転士が取り上げられた。
写真では、中型バスであるいすゞエルガミオの「819」が写っているのに、文中では「大型バス」となっているのは、とりあえずいいことにしましょう。
この方は、路線バスを運転して1年7か月。
高卒後、中央交通のバスガイドを5年して退社。37歳で大型2種免許を取得して、「別会社でプール送迎マイクロバスの運転、ジャンボタクシーの運転など10年勤務してから転じた」とのこと。
「別会社」というのは、中央交通系列の秋田中央トランスポートのこと? それともまったくの別会社ってこと?
バスガイド時代の上司の後押しもあり、亡くなった前社長も「おかえり」と声を掛けてくれたとのこと。
この辺は、「サタナビっ!」でやっていた羽後交通の女性運転士(こちらはガイドから間を置かずすぐ転身?)と似ている。
臨海営業所について。
「臨海営業所は、秋田駅から秋田市北部、五城目町までの124路線をバス75台、運転手97人で運行している」
→「秋田駅から秋田市北部、五城目町まで」だと、新屋方面など秋田市南部が含まれないが、そちらも臨海管轄ですよ。
→2011年時点では、秋田市内を走る(秋田営業所と臨海営業所)中央交通の路線バスは181台だった。その後、少し減ったと思われるが、そんなもんか。
「(運転士の乗務は)3カ月で124路線を一巡します。」
→「124路線」とは、“路線”を経由や行き先違いで区分した124“系統”という意味かな。それはすなわち、系統番号の数と一致するはず。ところが、数えてみると、秋田市内には全部(秋田営業所+臨海営業所)で118系統前後しかないはず(当然路線数はもっと少ない)。おかしい。
往復で2系統とカウントしたのだろうか。とすれば、秋田営業所と二分してちょうど良さそうな数だけど…
→「3か月で一巡」だと、毎日きれいに順々にローテーションしているように受け取れるけど、そうなんだろうか。偏りというか、ローテーションが崩れることもありそう。
「遅番は午後3時50分のバスに乗車して、最終で営業所に着くのが午後11時10分。」
→最終は秋田駅西口22時20分発新国道経由飯島北行きか。飯島北着が22時52分。
ちなみに早朝は、臨海営業所発駅行き5時45分が、現在の中央交通では唯一の5時台に営業運転するバスのようだ。秋田営業所も含めて、郊外へ向かう回送では、同じ時間帯から何台も動いているでしょう。