10月22日は、新天皇の「即位礼正殿の儀の行われる日」で今年だけの祝日。
お祝いとして、有料施設で無料開放を行ったところがあり、秋田市営の観光施設10か所でも実施された。7月12日の「市の記念日」と同じ方式。※秋田県営施設については、情報が見当たらず不明。
今年の市の記念日は、展示替えの臨時休館中だった市立千秋美術館を除く9施設で実施され、そのうち千秋公園の御隅櫓へ行った。
今回は、天気が良ければ、改めて御隅櫓から秋の景色を眺めようかと思ったものの、あいにくくもり空。
そこで、以前から行きたかった「旧秋田藩主佐竹氏別邸(如斯亭)庭園 」へ。
如斯亭は、本来は佐竹藩主の別邸だった建物の名前。それに付属するのが「如斯亭庭園」だが、実質的に秋田市民には庭園も込みで「如斯亭」と称される。以下、そう表記します。
如斯亭は孔子の論語が出典で、「じょしてい」と読む。WindowsのGoogle日本語入力では、ちゃんと変換できた(スマホ版はできない)。秋田の人は「女子」のイントネーションで発音する。
場所は旭川に架かる旭川橋近く、旭川南町。市道と県道15号が交わる「からみでん」交差点の角で、秋田大学や秋田高校も近い。
如斯亭は、元禄年間(1700年前後)に起源があり、その100年ほど後に手が加えられ如斯亭と命名され、現在に近い形になった。
久保田城(現・千秋公園)の搦手(からめて)にあることから、「唐見殿(からみでん)」とも呼ばれ、それが地名として搦田(からみでん)→手形からみでんのルーツであるようだ。
後に(昭和の住居表示実施よりも前らしい)、所在地が搦田でなく旭川になってしまった。今は、如斯亭南側・旭川橋の通りが、旭川地区と手形地区の境目。
明治になって民間所有になり、戦後さらに所有者が代わって「旅館如斯亭」だった(1964~1990年)こともある。
2007年に国の名勝に指定され、2010年に秋田市へ寄贈。市が整備して、2017年10月から常時一般公開されている。
(再掲)2008年。月ぎめの「如斯亭駐車場」の奥の雪が積もった屋根が当時の如斯亭
私有だった2008年時点でも、春と秋の1日ずつだったか、ごくわずかに見学することができていた。
庭園はともかく、如斯亭(建物)のほうは屋根がトタンになるなど、変わってしまっていたようだ。
今は往時の姿に復元され、210円(年間パスも等あり)で見られるので、いつか行こうと思っていたのだった。タダならチャンス。
左が旭川橋・右が交差点、道路向かいが2008年に如斯亭駐車場だった所
道を渡って、
奥が旭川橋
見学者出入り口は、敷地南側、旭川橋の通りに面した南門。
東側、県道のバス通り・秋田銀行向かいには、無料駐車場(15台)あり。こちら側にも門があるが閉鎖。
南門。ピンクの紙は無料の告知
祝日かつ、無料開放がわりと周知されたこともあるのか、常時複数組が見学している感じで、盛況。ボランティアガイドも3人くらいいて、忙しそう。
芝生があって、奥に茅葺きの建物。これが如斯亭の本体「如斯亭主屋」だけど、この段階(見えている面)では地味。
門を入って右・道路に近い芝生の中の建物は「農具小屋」でこれは歴史的なものではなさそう。手前左に券売所・受付やトイレ(小さいけどきれい)がある。
主屋の北側が庭園。
西面。大きなケヤキがある。左が庭園
さらに庭園側へ回りこむと、
縁側(広縁)が囲む
見学コースとしては、主屋と庭園をそれぞれ見て回る。
主屋は靴を脱いで上がる。畳の部屋が4室あって、うち2つが広縁に面している。
北側、12畳の一ノ間
修復前の状態を知らないけれど、新しいことを除けばほとんど現代を感じさせない。LEDらしき照明や緊急地震速報受信装置はあったけれど。
広縁から庭園を眺める。左奥に小さい滝
庭園は、第一印象では思っていたほど広く感じなかった。
しかし、広縁から見える以上に北側に広がっていて多少の高低差があり、その中を一周できる作りになっており、また違う印象を受けた。
一周の中に水や岩などが配されて「園内十五景」が構成されており、それを楽しむ「回遊式庭園」であり、主屋から眺める「鑑賞式庭園」でもあり、北西の山(天徳寺・平和公園の山あるいは男鹿半島ってことか)を眺める「借景式庭園」でもある。
ただし、現在は視界がさえぎられ、借景の山は見えないだろう。また、東側にそびえる太平山は、手形山に隠れて元々見えないはず。
庭園の順路は反時計回り。
主屋北側、小高くなっている
主屋がまったく見えない場所もあって、雰囲気が違う
敷地の外に視線を向ければ、県道を行き交う車と秋田銀行の看板、川側の家やアパートが見えてしまうのだけど…
主屋より低いところも
「清音亭(せいおんてい)」
庵みたいな茶室みたいなのは、昔は使っていたのか、ただの飾りだったのか。屋根も昔は茅葺きだったのか。
以前からツツジ(狂い咲きしているのが数株あった)や紅葉はきれいだと言われていた。今は紅葉にはまだ早かったが、たしかに美しいだろう。雪景色もよさそう。
秋田市管理になった今は、生け花の展示や俳句会などが開催されることもある。公共施設の有効活用をすべきなのかもしれないが、静かなたたずまいのほうがいいようにも感じる。前の芝生はもうちょっと使いみちがありそう。飲食は明確には禁じられていなかったと思うがダメかも。敷地内に自販機などはなかった。
バス(秋田温泉・仁別方面)がそこそこあるので、アクセスは悪くないけれど、観光客がわざわざここだけを見に来るのは、個人の興味次第でもあり、誰にでもおすすめとは言いにくい。
受付でもらった「歴史散策マップ」では、旭川対岸の天徳寺方面、秋大裏のお寺と三吉神社方面、川沿い下流の千秋公園と、如斯亭を含めた所要時間1.5~2時間の3コースが紹介されていた。時間を取って歴史散策コースの拠点にはなりそう。
お祝いとして、有料施設で無料開放を行ったところがあり、秋田市営の観光施設10か所でも実施された。7月12日の「市の記念日」と同じ方式。※秋田県営施設については、情報が見当たらず不明。
今年の市の記念日は、展示替えの臨時休館中だった市立千秋美術館を除く9施設で実施され、そのうち千秋公園の御隅櫓へ行った。
今回は、天気が良ければ、改めて御隅櫓から秋の景色を眺めようかと思ったものの、あいにくくもり空。
そこで、以前から行きたかった「旧秋田藩主佐竹氏別邸(如斯亭)庭園 」へ。
如斯亭は、本来は佐竹藩主の別邸だった建物の名前。それに付属するのが「如斯亭庭園」だが、実質的に秋田市民には庭園も込みで「如斯亭」と称される。以下、そう表記します。
如斯亭は孔子の論語が出典で、「じょしてい」と読む。WindowsのGoogle日本語入力では、ちゃんと変換できた(スマホ版はできない)。秋田の人は「女子」のイントネーションで発音する。
場所は旭川に架かる旭川橋近く、旭川南町。市道と県道15号が交わる「からみでん」交差点の角で、秋田大学や秋田高校も近い。
如斯亭は、元禄年間(1700年前後)に起源があり、その100年ほど後に手が加えられ如斯亭と命名され、現在に近い形になった。
久保田城(現・千秋公園)の搦手(からめて)にあることから、「唐見殿(からみでん)」とも呼ばれ、それが地名として搦田(からみでん)→手形からみでんのルーツであるようだ。
後に(昭和の住居表示実施よりも前らしい)、所在地が搦田でなく旭川になってしまった。今は、如斯亭南側・旭川橋の通りが、旭川地区と手形地区の境目。
明治になって民間所有になり、戦後さらに所有者が代わって「旅館如斯亭」だった(1964~1990年)こともある。
2007年に国の名勝に指定され、2010年に秋田市へ寄贈。市が整備して、2017年10月から常時一般公開されている。
(再掲)2008年。月ぎめの「如斯亭駐車場」の奥の雪が積もった屋根が当時の如斯亭
私有だった2008年時点でも、春と秋の1日ずつだったか、ごくわずかに見学することができていた。
庭園はともかく、如斯亭(建物)のほうは屋根がトタンになるなど、変わってしまっていたようだ。
今は往時の姿に復元され、210円(年間パスも等あり)で見られるので、いつか行こうと思っていたのだった。タダならチャンス。
左が旭川橋・右が交差点、道路向かいが2008年に如斯亭駐車場だった所
道を渡って、
奥が旭川橋
見学者出入り口は、敷地南側、旭川橋の通りに面した南門。
東側、県道のバス通り・秋田銀行向かいには、無料駐車場(15台)あり。こちら側にも門があるが閉鎖。
南門。ピンクの紙は無料の告知
祝日かつ、無料開放がわりと周知されたこともあるのか、常時複数組が見学している感じで、盛況。ボランティアガイドも3人くらいいて、忙しそう。
芝生があって、奥に茅葺きの建物。これが如斯亭の本体「如斯亭主屋」だけど、この段階(見えている面)では地味。
門を入って右・道路に近い芝生の中の建物は「農具小屋」でこれは歴史的なものではなさそう。手前左に券売所・受付やトイレ(小さいけどきれい)がある。
主屋の北側が庭園。
西面。大きなケヤキがある。左が庭園
さらに庭園側へ回りこむと、
縁側(広縁)が囲む
見学コースとしては、主屋と庭園をそれぞれ見て回る。
主屋は靴を脱いで上がる。畳の部屋が4室あって、うち2つが広縁に面している。
北側、12畳の一ノ間
修復前の状態を知らないけれど、新しいことを除けばほとんど現代を感じさせない。LEDらしき照明や緊急地震速報受信装置はあったけれど。
広縁から庭園を眺める。左奥に小さい滝
庭園は、第一印象では思っていたほど広く感じなかった。
しかし、広縁から見える以上に北側に広がっていて多少の高低差があり、その中を一周できる作りになっており、また違う印象を受けた。
一周の中に水や岩などが配されて「園内十五景」が構成されており、それを楽しむ「回遊式庭園」であり、主屋から眺める「鑑賞式庭園」でもあり、北西の山(天徳寺・平和公園の山あるいは男鹿半島ってことか)を眺める「借景式庭園」でもある。
ただし、現在は視界がさえぎられ、借景の山は見えないだろう。また、東側にそびえる太平山は、手形山に隠れて元々見えないはず。
庭園の順路は反時計回り。
主屋北側、小高くなっている
主屋がまったく見えない場所もあって、雰囲気が違う
敷地の外に視線を向ければ、県道を行き交う車と秋田銀行の看板、川側の家やアパートが見えてしまうのだけど…
主屋より低いところも
「清音亭(せいおんてい)」
庵みたいな茶室みたいなのは、昔は使っていたのか、ただの飾りだったのか。屋根も昔は茅葺きだったのか。
以前からツツジ(狂い咲きしているのが数株あった)や紅葉はきれいだと言われていた。今は紅葉にはまだ早かったが、たしかに美しいだろう。雪景色もよさそう。
秋田市管理になった今は、生け花の展示や俳句会などが開催されることもある。公共施設の有効活用をすべきなのかもしれないが、静かなたたずまいのほうがいいようにも感じる。前の芝生はもうちょっと使いみちがありそう。飲食は明確には禁じられていなかったと思うがダメかも。敷地内に自販機などはなかった。
バス(秋田温泉・仁別方面)がそこそこあるので、アクセスは悪くないけれど、観光客がわざわざここだけを見に来るのは、個人の興味次第でもあり、誰にでもおすすめとは言いにくい。
受付でもらった「歴史散策マップ」では、旭川対岸の天徳寺方面、秋大裏のお寺と三吉神社方面、川沿い下流の千秋公園と、如斯亭を含めた所要時間1.5~2時間の3コースが紹介されていた。時間を取って歴史散策コースの拠点にはなりそう。