広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

秋田駅に「とらん丸」

2022-12-15 23:34:01 | 秋田の季節・風景
秋田駅東側の留置線。
E6系新幹線の手前の赤と黒のモノ
雪国ではおなじみの、手押しのロータリー式の「小型除雪機」のように見える。
手作業よりはるかに効率的に除雪でき、たぶんここ20年くらいで普及した。今や、秋田市程度の積雪量の土地でも、公共施設や敷地が広い民家では、必需品ではないだろうか。鉄道でも、ホームの除雪用に置かれていることがある。
各農業機械メーカーやホンダなどが作っているが、ボディーカラーはたいてい赤い。ヤマハ発動機は青いようだけど。雪の中でも目立つようにだろう。

それが、秋田駅のホームでなく線路部分に置かれているのかと思ったけれど…
線路に乗っている!

反対側から

手押し除雪機と比べると、やや大きく、人が乗って操作できそうな箱が付いている。
乗用の自走式小型除雪機で、線路を除雪する機械ということか?

真横から側面
青い車輪があり、別にゴムタイヤもある。
こちらが後部


緑色の秋田市ナンバーが付いているから、小型特殊自動車。鉄道車両らしい書体で「自重 2.4t」の表記もある。
道路も線路も走行できるようだ。
四国で世界で初めて営業運転が始まったDMVと同じだけど、線路保守用の車両(作業機械)としては「軌陸車」として、トラックの改造などで昔からわりとある。

お尻のボンネットには、白で「とらん丸」と書かれている。
書体は「HG創英角ポップ体」に似ているが、線が丸いし、「丸」の右下が丸まっているのが違う(HG創英丸ポップ体でもない)。

そして、運転席の裏側には「NIIGATA」。車両や機械のメーカー「新潟トランシス」。「新潟鐵工所」の後身で、昔も今も、気動車や路面電車など鉄道車両メーカーとしては知っていた。除雪機器も製造しているとのこと。
「とらん丸」自体が同社の商品名で、ホームページによれば、ゴムタイヤだけのものが市販されている。
したがって、とらん丸は鉄道用除雪装置の商品名や、JR東日本が命名した愛称ではない。新潟トランシスの社名が由来なんだろうけど、除雪機との関連性はなく、イマイチなネーミング。

JR東日本では、2018年頃から、積雪地にとらん丸の軌陸仕様を導入しているようだ。市販品を軌陸仕様に改造しているのだと思うが、改造したのは新潟トランシスなのかJR東日本なのか。
2019年1月10日の産経新聞「小型除雪機導入、順次救出で再発防止 JR信越線立ち往生から1年(https://www.sankei.com/article/20190110-QS5AYUENLJI2BKYHU7ST5VQDQ4/)」によれば、2018年始の信越本線での豪雪による立ち往生を教訓に、とらん丸を導入。現場へ運んで、立ち往生した列車の前後を素早く除雪して復旧させるという。
立ち往生するほどでなくても、ドカ雪でポイントが埋まったような場面でも使えそう。
使い方の練習みたいなのが実施されていた
冬の間、秋田駅に常駐ということなのか。また横手とか弘前とか、秋田支社管内のほかの駅にも配備されたのか。


線路の除雪といえば、昔はディーゼル機関車に、除雪用のアタッチメントを付けた「除雪車(雪かき車)」だった。
最近は、車籍がない作業用機械(モーターカー)としての除雪車が増えているようだ。
秋田駅の西側(1番線の北)にもいつもいる。

「第一建設工業」所有らしい。片側がロータリー、もう片方がラッセルになっていて、1台2役。【16日追記・「MCR-600A」という型番で、これも新潟トランシス製らしい。】
反対側

いよいよ本格的な雪と寒さがやって来た。これらの機器が、ほどよく活躍する、ほどよい雪と寒さの冬であってほしい。

【2023年3月11日追記】雪が消え、新たな積雪のおそれがほぼなくなった3月8日に見ると、とらん丸は車止めの先、線路の外に置かれていた。
コメント (3)
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