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郵貯繰越対応ATM

2020-09-11 23:32:20 | その他もろもろ
2014年にATMでの通帳繰り越しを取り上げた。秋田銀行のことがメインだったが、最後に、ゆうちょ銀行のATMでは繰り越しができないのが不便なことに触れた。
昔はどこの金融機関でも、届出印の印影を通帳に貼付する「副印鑑」というのがあったが、徐々に廃止され、遅かったゆうちょでも2013年に廃止。副印鑑は、通帳繰越時に(行員が)新通帳へ貼り替える必要があったが、それがなくなれば自動化できそう。ゆうちょもいずれは繰越対応ATMを導入するのではないかと、期待していた。


そして、今年2020年3月19日。秋田中通一郵便局を秋田駅ビル1階に移転した「秋田駅トピコ郵便局」が開局した。
駅ビル2階の2台の既存ATMは廃止されたが、新郵便局には3台が設置。局内ATMだから硬貨も扱えるようになった。それだけでなく、ついに通帳繰越ができるようになった!

開局時の告知では、ゆうちょの繰り越し対応ATMは、ここが秋田県内初。
今、ネットを調べても、全国的にもゆうちょATMで繰り越しできる(した)という内容は多くないし、Wikipediaには未記載。

トピコ局のATMは3台とも同型。白っぽいボディながら、通帳や現金の出し入れ口周辺は黒いパーツなのが、ゆうちょATMとして珍しい。
目立たぬ位置のシールを拝見すると、「品名 現金自動預払機(4型)」、沖電気工業製、「型番・品番GQ1487A」。トピコ局左端の端末は、製造番号からすれば128台目?
この1世代前のATMでは、操作音が従来と違って、従来より太く、間延びしたような「ぽっぽ」とハトの鳴き声みたいなのだった【15日補足・とある郵便局のものは2018年9月の「現金自動預払機(4型)」日立オムロンターミナルソリューションズ「TS-E133(ATMR/RP)」だった】。この機種は、それよりはさらに前の機種に近い音に少し戻ったみたい。

その3台すべてに「通帳繰越」表示がある。
秋田銀行ではATMが複数台ある店舗でも、繰越対応は1台だけで、先にほかの人が使っている時などタイミングが難しい。ここならその心配はない。

ついに、ゆうちょの通帳を繰り越す時が訪れた。
残り1行となった通帳に入金。
通常通り入金処理が終わり、通帳とともに、利用明細が出てきた。

「通帳の余白がなくなりました 貯金窓口取扱時間中に窓口へ お申し出ください」
この機械で繰り越しができるはずなのに、窓口へ行けとは。
一瞬、不安になったが、繰り越しできないATMと共通の設定になっているのだろう。
引き続き繰り越し作業に移っても良さそうなものだが、必ずいったん返却されるのは、まだいいとして、この明細は要改善では?


このATMのトップ画面には、「通帳記入・通帳繰越」というボタンが表示される。
通常の通帳記入と同じく、そのボタンを押して、最後のページを開いて挿入。その通帳に余白がない時は、自動的に繰り越しモードに入るということだろう。
確認画面
「お取り引きは2分~4分程度かかります」
「新しい通帳は以下のデザインになります」
所要時間と、通帳のデザインは選べない(基本の緑の通帳)旨を確認させられる。
「しばらくお待ちください」画面
「副印鑑シールが貼付されている場合(略)窓口へおこしください」との案内も。ということは、副印鑑が貼ってある通帳でも、繰り越し自体はATMでできてしまうようだ。

秋田銀行のATM(OKI製だが、機種は違うのだろう)では、ガチャガチャ音がして、3分はかかった気がした。
トピコ局のATMは音がしなかった、が、それは駅ビル内(他の売り場と仕切りがない開放的な郵便局)で音楽など喧騒の中だったからかも。所要時間は早く感じた。2分くらいかも。【12日補足・秋銀は普通・貯蓄・定期と1冊で3種類、郵貯は普通・定額の2種類なので、繰り越すページ数が1つ少ないことも、時間に影響するだろう。】

旧通帳への繰り越し済みの表示方法。昔の窓口では穴をあけていたものだが、今はやらなくなった。
秋田銀行のATMでは、表紙に横倍角みたいな文字で、日付と繰り越し済みの旨が黒印字される。
ここ数年の郵便局窓口では、「新通帳へ繰越済」の赤いゴム印や、切手の消印を大きくしたような局名入りのスタンプを、最終ページや余白ページ、表紙に押していた(局や担当者で対応が違いそう)。
今回のゆうちょATMでは、
普通貯金最終ページの隅に「新通帳へ繰越済」のみ
こんなページの端っこにも印字できるのか。窓口の赤スタンプと同じ位置・サイズだが、黒だし、取引と同じ書体だし、目立たない。
表紙にも、余白があった担保定期定額貯金のページにも、何もなし。
名義人本人が繰り越したことを覚えていればいい話だけど、少々まぎらわしい。

以上、特に難しくも、問題もなくスムーズだった。
硬貨入出金+通帳繰越ができる、他行も含めて秋田では数少ない便利なATMだ。



ゆうちょの繰り越し対応ATMは全国的にも、まだ多くはなく、今後増えていくはずだが、現状を公式サイトで検索できる。
日本郵政グループホームページの「郵便局・ATMをさがす(https://map.japanpost.jp/p/search/)」のページ上部(地図やキーワード)は何もいじらず、下のほうの「利用条件からさがす」の「ATMから選ぶ」タグをクリック。そこの「通帳の繰越」にチェックを付けて、「検索」。

県→市町村と絞りこみできる。※県別でカッコ内に数字が表示されるが、その数は何を意味するのか不明。実際の数より多く表示されてしまう。次の市町村レベルでは、設置箇所数と一致するのだが。
その結果、全国でもまだ数百台レベルと思われ、東京都内でも12区に24局しかない。※この検索では「台数」ではなく「局数」しか分からないはず。
宮城県は3局で、石巻市2つと大崎市。仙台市にはまだない。大崎市というのは、鳴子温泉の鬼首郵便局で、日曜は稼働しない(石巻の2局も)。
青森県内は、青森市の小さい2局だけ。
つまり、ホリデーサービス実施局とか中央郵便局・支店内を優先して設置とかではなく、ATMの更新時期が来た局なら、特定郵便局であってもどんどん設置していくという、方針なのではないだろうか。

秋田県内では、トピコ局を含めて3局。
秋田市外は1つだけ、大館市の「羽後二井田郵便局」。大館市街地から比内寄りの二井田地区だが、郵便局名に駅名みたいに「羽後」が付くとは初めて知った。
秋田市内のもう1つは、「秋田寺内郵便局」。寺内小学校と草生津川の間、やはり小さい(普通の)特定局。

ちなみに、寺内局前に設置されたポストは、秋田では少数派のいちばん大型の「郵便差出箱12号(参考記事)」がなぜか設置されている。

ネット銀行、通帳レス口座も増えていく今、通帳は消えていくものかもしれないが、ATMで通帳繰り越しできるのは、まだまだありがたい。
硬貨対応と同様にメンテナンスやトラブル対処上、郵便局外への設置は難しそうだけど、増備に期待。

【追記】2020年10月7日に、秋田中通六郵便局のATMが繰り越し対応機に交換されていたのを確認。同日時点では、ホームページの情報は未更新。
2020年10月29日、秋田中央郵便局のうち1台が交換されていた。同日時点では、中通六とともにホームページ未更新。

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54 コメント

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Unknown (Unknown)
2020-09-22 22:30:49
通常貯蓄貯金通帳とかは再発行できないのでしょうか。

一般的な銀行では、総合口座通帳と普通預金通帳の繰り越しが一般的ですが、通常貯金通帳の存在があってないようなものなので。

どうなんでしょ。
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総合口座以外は (taic02)
2020-09-23 00:16:35
一般銀行向けATMでは、複数種の通帳をセットできます。ゆうちょも、ATMのサイズは同じくらいなので、技術的にはできるかも。
でも、利用者数からすれば、総合口座に絞っているかもしれません。
まだ設置数も少なく、情報も足りないので、現時点ではやはり分からないですね。
返信する
Unknown (Unknown)
2020-09-28 01:05:38
公式には、ATMにセットできる通帳は4種類とされています。

秋田銀行の場合は、普通預金のキャラクターと一般、総合貯蓄預金通帳のキャラクターと一般がセットされていて、今までのデザインで排出というパターンで、七十七銀行は、当初は、総合口座通帳すべてに対応していて、デザインも選べましたが、普通預金通帳の繰り越しができない問題があったため、1ヶ月もしないうちに、普通預金通帳に対応し、総合口座通帳のデザイン選択不可、かつ89ERSのデザインは窓口対応になった経緯があります。

どっちも4冊子までは対応ですが、金融機関によっては、こぼれる通帳はいくつか出そうです。

システムリプレース前の七十七銀行は、ATM繰り越しができない代わりに、支店内に繰越機があって貯蓄預金通帳や定期預金通帳も繰越できたのですが、勘定系リプレースで、主要な通帳に絞られました。

繰越機というのも、捨てたものではないかも。
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繰越機 (taic02)
2020-09-29 00:44:05
餅は餅屋ってことでしょうかね。
費用対効果や場所の問題で、ATMに集約するのも分かるし、多くの客はそれで充分でしょうし。
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Unknown (Unknown)
2020-10-03 16:02:23
> ネット銀行、通帳レス口座

岩手銀行イーハトーヴ支店の新規口座開設が10月いっぱいで終了となるようです。

一般の支店でも通帳レス口座ができる環境があるのと(通帳冊子自体が課税文書となるため、その印紙税負担軽減というのも大きいところではあるのは事実。信金や労金、農協などは通帳に対して非課税となるので、これらが通帳をなくすのは別の理由)、近年ではネット定期専用の金利がつけらなくて差別化しにくいなど、色々あるのだろうと思います。

他地域の地銀では、地盤県外在住者若しくは店舗非展開県在住者からの開設がダメなケースもあるようです(秋田県近隣だと、青森銀行は、店舗展開している道県限定となっているので、現在店舗はないものの同一県の他市に支店があるため、秋田市在住者の口座開設は可能とのこと。きらやか銀行は、以前は全国から受け入れていたものの、一時新規停止の期間を経て、現在は山形県在住者限定に変更)。秋田銀行あきぎんこまち支店と北都銀行あきたびじん支店は、現状居住地の制約はありません(北都銀行については、一般支店に既存のマイネットバンク契約がないことが条件)。
ネット支店がないところでも、みちのく銀行のように、ネットで通帳レス口座開設ができるところもできてはいます(一般の通帳のある口座開設と同じ考え方で、実体店の近隣であることが求められるので、例えば、秋田市在住者が能代支店というのはおそらく難しいはず)。いわゆるメールオーダーは、絶滅危惧種になりつつあります。秋田銀行の場合は、これを一般支店ではなくあきぎんこまち支店での開設対応としている形になっています。

都銀では、みずほ銀行とりそな銀行にはネット支店はありますが、三菱UFJ銀行(三和→UFJがインターネット支店、東京三菱がキャッスルタウン支店)が新規停止済み、三井住友銀行は最初からネット支店がない状況(但し、主にSMBC日興証券利用者向けとされる三井住友銀行日興支店であれば、ネット支店のような利用は可能。SMBC日興証券秋田支店での取扱いも可能)で、通帳レスの推進や店舗非展開地域の利用者を開拓したいか否かで多少対応が分かれているように思います(BankTimeがファミリーマートから撤去されたので、セイコーマートのある北海道と一部のドラッグストアなどで展開している地域を除けば、地方在住者にりそな銀行が使いづらいのは事実。以前は多少店舗から遠方となれば口座開設を拒絶する傾向が他行に比して強いところだったので、ネット支店の展開は大転換なのは間違いないけど)。

その一方で、ネット銀行も、対応した証券会社が大抵あるので、こちらについては今後も色々な結び付きが増えそうです。
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ネット支店 (taic02)
2020-10-03 23:13:53
銀行によって、だいぶ対応、考え方が違うようですね。
地方銀行は、どちらかと言えばネット化されても、やはり地元客重視なのでしょう。
昔はATMコーナーに用紙が置かれていたメールオーダーも、過去のものなのですね。今はネットも介し、その後電話確認も来るそうで。不正開設防止もあるでしょうが、時代も変わったものです。
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Unknown (Unknown)
2020-10-23 01:25:18
ゆうちょ銀行秋田店とか秋田中央郵便局の貯金窓口のような、直営店あるいは相応な大型窓口のある代理店拠点や、そういうところに設置をした方がいいのではないかと思います。

ただ、副印鑑未登録の通帳を繰越ししてしまうのは問題になりそう。
窓口での取引確認(いわゆる、以前からの本人確認)が求められるのでそれを検知できるものだと思っていました。

公式サイトではできないとされているのに、出来てしまうのは、いざ窓口取引の際に面倒なことが起きないか、大丈夫なのかと思ってしまいます。

私は、振替口座の取引時確認の要請が来たのでその際に、現行の本人確認一式は済ませました。
印鑑登録はすんでいたのですが、CTM更新の際に電子的に方法に変わったとかで、印鑑登録と取引時確認もされました。

ちなみに、従来の本人確認、10万円以上の振込・振替の本人確認ができているか、その後の取引時確認が行われているかで、通帳の見開きの印字が変わっているので注目してくださいませ。

昔は本人確認済であることは、機械印字ではなかったので、本人確認済と主務者印を表紙に表示していましたが、今は機械印字になっています。

但し、副印鑑登録済については、通帳に表示される物はないようです。

だから、ATM繰越で、副印鑑の確認をスルーする仕様はちょっと耳を疑いました。
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この分では (taic02)
2020-10-24 22:18:48
局内設置で更新時期になったものは、局の規模や立地に関わらず、どんどん繰り越し機能付きに更新していく可能性がありそう。
抜け穴というか、なあなあで流されてしまうというか。ゆうちょの規模が大きいとはいえ、この分ではいつまで経っても統一されないでしょう。
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Unknown (Unknown)
2020-10-26 13:55:50
> 秋田銀行のATMでは、表紙に横倍角みたいな文字で、日付と繰り越し済みの旨が黒印字される。

現在は、
* x年xx月xx日 新通帳へ繰越 *
と表示されますが、平成26年頃?までは、
*** xx年xx月xx日 ご使用済 ***
とされていました。
(年は、元号。月日が一桁の場合は0はつかない)

平成22年5月のシステムリプレース前は、表紙の中央付近に
xx年xx月xx日 新通帳へ繰越
(正確には上下にアスタリスクのラインが印字される)
の表示だった(旧システム通帳を現在のシステム移行後に窓口で繰越した場合も、上記した現システムでの表示がなされる)ので、繰越に関して何らかの運用変更がなされたかもしれません。

北都銀行は、ATM繰越をしたことがないので詳細は不明ですが、窓口で繰越の場合は、磁気ストライプの位置にPAIDの文字での穴あけが行われます。
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Unknown (Unknown)
2020-11-28 23:18:00
秋田中央郵便局に導入されたとなれば、ゆうちょ銀行秋田店にも導入の期待が。

ただ、ロビー内のみで、外のゆうちょ銀行秋田店前出張所にまで手が加わらない場合は、秋田銀行本店営業部状態になるのは間違いないわけで、どっちも手を加えてほしいところ。
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