連休中の土崎駅へ入線する、奥羽本線上り・秋田行き普通列車。
堂々の5両編成
秋田地区(奥羽、羽越、津軽各線)の701系電車は、2両で1セットの編成と、3両で1セットの編成があり、それぞれでローテーションして運用される。
2016年以降、事故廃車や利用減への対応と思われる減車があり、2両編成での運用がいくらか増えた。その結果、3両編成や、複数編成を組み合わせた4両以上で運行される列車は、かなり少なくなってしまった印象を受ける。そもそも、元から2両編成のほうが数が多く、3両以上の運行は少なかったのだけど。
冒頭の写真は、弘前13時27分→秋田16時02分の列車番号1656M。
本来は、2両編成+2両編成の4両編成での運行だが、4月半ばから5月初めにかけては、連日、2両編成+3両編成(3両が後ろ)の5両編成に変更されていた。
ちなみに、この列車は、2000年代後半辺り~2022年春(2021年春かも?)までは、常時、5両編成。2000年代時点では、大館までは2両で、大館で後ろに3両を連結していた(その後は不明)。
別の日の1656Mを手形陸橋から
同じ期間、秋田から青森方面の奥羽本線(いわゆる奥羽北線)では、ほかにも同様の増結が実施された。
2023年では、秋田駅を発着する列車で確認できた限りでは、
【10日コメントいただき追記】
5両編成は、1656Mで秋田到着後、1679M 秋田18時10分→東能代19時21分。翌朝1624M 東能代6時14分→秋田7時17分、1656Mで弘前へ、と車両基地へ入らずに東能代へ往復して、再び弘前へ向かう運用のようだ。となると、ほかのどこかで3両編成を差し替えて、秋田の基地へ入れることが行われていそう。
【10日追記】昨年だったか一昨年だったかは、1656Mの増結が3両編成で、5両で運転された年があった。1643Mがどうだったかは不明。
増結の目的は、弘前さくらまつりへの対応。
といっても上記4列車が、花見客で混雑するということではなく、弘前周辺で運行される列車(青森~弘前など)の増結に使う編成を、車両基地がある秋田から送り込んで/秋田へ戻すために、増結しているのだと思われる。
2023年は、弘前周辺で701系による臨時列車の増発はない(他形式はあり。後述)ので、送り込んだ編成を、定期列車へ増結して花見輸送をまかなっていることになろう。
昔から、このような形での送り込みのための増結があったのか知らないが、あまり印象がない。ここ数年、701系の総運用数が減ったので、通常ローテーションの青森側分ではやり繰りできなくなって、追加分の投入として行われるようになったのかもしれない。
ネットでリアルタイムで編成数が分かるJR東日本の運行列車位置情報サービス「どこトレ」によれば、秋田→弘前は5月6日(土曜日)から、青森・弘前→秋田は5月7日(日曜日)から、それぞれ増結がなくなっている。まだ連休中なのに。
今年の弘前さくらまつりは4月21日~5月5日(早咲きのため、先立って4月15日から「準まつり体制」)。だから、まさにさくらまつり期間に合わせた増結だったことになる。連休最後の帰省客のUターンへの対応ができるのか心配になるけれど。
JR東日本秋田支社管内では、8月末の大曲の全国花火競技大会の輸送が大規模。秋田支社の車両フル稼働といった感じで、奥羽北線では減車されたこともあった。でもそれはひと晩のこと。
弘前さくらまつりは、半月以上の長期。他の列車・他の区間への影響や、点検整備のスケジュールを考慮して、車両をやり繰りしないといけないだろうから、秋田支社の車両運用担当者にとって、頭の悩ませどころであり、腕の見せどころなのでしょう。
ところで、弘前には、五能線のGV-E400系電気式気動車も乗り入れる。
津軽線でも使われるため、その送り込みを兼ねて、奥羽本線の弘前~青森の普通列車1往復にも充当される。通常は2両編成だが、さくらまつり対応で4両に増結されていたようだ。また、4月21~23日、5月1日、4日には、青森発弘前行きの臨時快速(無名)にも使われた。
さらに、秋田側では、クルーズ船客の輸送列車(秋田~土崎~貨物支線・秋田港)にも使われ、GV-E400系も忙しいと思ったが、違った。津軽線の蟹田~三厩間が、豪雨被害により2022年8月から運休中で、むしろヒマなようだ。【12日訂正・津軽線の途中・蟹田駅までは通常通りの運用があるので、車両の運用数=“拘束時間”としては全線運転時と変わっていないかもしれません。】
そんなGV-E400系も、車両基地は秋田にあるため、入出庫のために奥羽本線・東能代~秋田間でも、1日2往復運行される。
東能代13時50分→秋田14時56分の1654Dは、1両での運行なのだが、5月5日だけは、
土崎駅にて。堂々のGV-E400形×2両編成!
2021年の連休明けには、このダイヤが3両だか4両だか、ものすごく長い編成で運行された日があった。【12日補足・どこトレを見る限り、2023年はそのようなことはなかった。】
弘前さくらまつりと関係ない、秋田近郊の利用者としては、おこぼれの増結はうれしい(回送扱いでないのが何より)。通常は立つのを覚悟する列車でも、増結時は(車両を選べば)ゆったりと座れるのだから。
連休後半のとある日の1656Mの秋田市内区間は、普通の土日と比べると、客は多いが、全員が座れる程度。秋田駅まで乗って新幹線に乗り換える人たちも多そうだが、泉外旭川駅でかなりの下車があったのに驚いた。車掌が集札に手間取って、秋田到着が2分少々遅れるほど。
日帰りのお出かけから帰宅するような風情の皆さんが多く、車掌に精算してもらっていた人(=無人駅から乗車)もいた。どこへ何しに行っていたのだろう。
※翌2024年の春の増結。
堂々の5両編成
秋田地区(奥羽、羽越、津軽各線)の701系電車は、2両で1セットの編成と、3両で1セットの編成があり、それぞれでローテーションして運用される。
2016年以降、事故廃車や利用減への対応と思われる減車があり、2両編成での運用がいくらか増えた。その結果、3両編成や、複数編成を組み合わせた4両以上で運行される列車は、かなり少なくなってしまった印象を受ける。そもそも、元から2両編成のほうが数が多く、3両以上の運行は少なかったのだけど。
2019年末の記事の後、2023年春時点で変化はないはずで、再掲すると以下の状況。
運用離脱3両編成(1本) N5
3両編成(11本) N1~N4、N6~N10、N13、N101
2両編成(30本) N11、N12、N14~N38、N102~N104 ※N36~38は一部ボックスシート改造で別運用。【2024年10月16日追記・2024年3月ダイヤ改正から、ボックス付き(セミクロスシート)編成の運用が、オールロングシート編成と共通となった模様。】
この他、元は上記と共通運用で、途中で仙台へ転出した2両編成(2本) N105、N106
運用離脱3両編成(1本) N5
3両編成(11本) N1~N4、N6~N10、N13、N101
2両編成(30本) N11、N12、N14~N38、N102~N104 ※N36~38は一部ボックスシート改造で
この他、元は上記と共通運用で、途中で仙台へ転出した2両編成(2本) N105、N106
冒頭の写真は、弘前13時27分→秋田16時02分の列車番号1656M。
本来は、2両編成+2両編成の4両編成での運行だが、4月半ばから5月初めにかけては、連日、2両編成+3両編成(3両が後ろ)の5両編成に変更されていた。
ちなみに、この列車は、2000年代後半辺り~2022年春(2021年春かも?)までは、常時、5両編成。2000年代時点では、大館までは2両で、大館で後ろに3両を連結していた(その後は不明)。
別の日の1656Mを手形陸橋から
同じ期間、秋田から青森方面の奥羽本線(いわゆる奥羽北線)では、ほかにも同様の増結が実施された。
2023年では、秋田駅を発着する列車で確認できた限りでは、
1643M 秋田7時27分→弘前10時10分 4両→5両(弘前寄りが3両編成)
1663M 秋田13時35分→弘前16時11分 2両→4両
652M 青森10時39分→秋田14時01分 2両→4両
1656M 弘前13時27分→秋田16時02分 4両→5両(弘前寄りが3両編成)
1663Mは、通常は秋田→大館はワンマン運転(客が少なくなる大館→弘前は車掌が乗るらしい)。ワンマン運転できない4両編成では、当然、秋田から車掌が乗る。1663M 秋田13時35分→弘前16時11分 2両→4両
652M 青森10時39分→秋田14時01分 2両→4両
1656M 弘前13時27分→秋田16時02分 4両→5両(弘前寄りが3両編成)
【10日コメントいただき追記】
5両編成は、1656Mで秋田到着後、1679M 秋田18時10分→東能代19時21分。翌朝1624M 東能代6時14分→秋田7時17分、1656Mで弘前へ、と車両基地へ入らずに東能代へ往復して、再び弘前へ向かう運用のようだ。となると、ほかのどこかで3両編成を差し替えて、秋田の基地へ入れることが行われていそう。
【10日追記】昨年だったか一昨年だったかは、1656Mの増結が3両編成で、5両で運転された年があった。1643Mがどうだったかは不明。
増結の目的は、弘前さくらまつりへの対応。
といっても上記4列車が、花見客で混雑するということではなく、弘前周辺で運行される列車(青森~弘前など)の増結に使う編成を、車両基地がある秋田から送り込んで/秋田へ戻すために、増結しているのだと思われる。
2023年は、弘前周辺で701系による臨時列車の増発はない(他形式はあり。後述)ので、送り込んだ編成を、定期列車へ増結して花見輸送をまかなっていることになろう。
昔から、このような形での送り込みのための増結があったのか知らないが、あまり印象がない。ここ数年、701系の総運用数が減ったので、通常ローテーションの青森側分ではやり繰りできなくなって、追加分の投入として行われるようになったのかもしれない。
ネットでリアルタイムで編成数が分かるJR東日本の運行列車位置情報サービス「どこトレ」によれば、秋田→弘前は5月6日(土曜日)から、青森・弘前→秋田は5月7日(日曜日)から、それぞれ増結がなくなっている。まだ連休中なのに。
今年の弘前さくらまつりは4月21日~5月5日(早咲きのため、先立って4月15日から「準まつり体制」)。だから、まさにさくらまつり期間に合わせた増結だったことになる。連休最後の帰省客のUターンへの対応ができるのか心配になるけれど。
JR東日本秋田支社管内では、8月末の大曲の全国花火競技大会の輸送が大規模。秋田支社の車両フル稼働といった感じで、奥羽北線では減車されたこともあった。でもそれはひと晩のこと。
弘前さくらまつりは、半月以上の長期。他の列車・他の区間への影響や、点検整備のスケジュールを考慮して、車両をやり繰りしないといけないだろうから、秋田支社の車両運用担当者にとって、頭の悩ませどころであり、腕の見せどころなのでしょう。
ところで、弘前には、五能線のGV-E400系電気式気動車も乗り入れる。
津軽線でも使われるため、その送り込みを兼ねて、奥羽本線の弘前~青森の普通列車1往復にも充当される。通常は2両編成だが、さくらまつり対応で4両に増結されていたようだ。また、4月21~23日、5月1日、4日には、青森発弘前行きの臨時快速(無名)にも使われた。
さらに、秋田側では、クルーズ船客の輸送列車(秋田~土崎~貨物支線・秋田港)にも使われ、GV-E400系も忙しいと思ったが、違った。津軽線の蟹田~三厩間が、豪雨被害により2022年8月から運休中で、
そんなGV-E400系も、車両基地は秋田にあるため、入出庫のために奥羽本線・東能代~秋田間でも、1日2往復運行される。
東能代13時50分→秋田14時56分の1654Dは、1両での運行なのだが、5月5日だけは、
土崎駅にて。堂々のGV-E400形×2両編成!
2021年の連休明けには、このダイヤが3両だか4両だか、ものすごく長い編成で運行された日があった。【12日補足・どこトレを見る限り、2023年はそのようなことはなかった。】
弘前さくらまつりと関係ない、秋田近郊の利用者としては、おこぼれの増結はうれしい(回送扱いでないのが何より)。通常は立つのを覚悟する列車でも、増結時は(車両を選べば)ゆったりと座れるのだから。
連休後半のとある日の1656Mの秋田市内区間は、普通の土日と比べると、客は多いが、全員が座れる程度。秋田駅まで乗って新幹線に乗り換える人たちも多そうだが、泉外旭川駅でかなりの下車があったのに驚いた。車掌が集札に手間取って、秋田到着が2分少々遅れるほど。
日帰りのお出かけから帰宅するような風情の皆さんが多く、車掌に精算してもらっていた人(=無人駅から乗車)もいた。どこへ何しに行っていたのだろう。
※翌2024年の春の増結。
昭和時代は上野発の長い特急が繁忙期になると福島で青森や仙台行きと切り離して秋田に向かう、山形で秋田行きを半分切り離すなどが定番だったようです。
ちなみに、単独で東北新幹線をはしるこまちやこまちタイプの東北新幹線はいつの間にか廃止されてました。
昔の多層建て列車は、気動車や客車の急行ではないでしょうか。東北新幹線開業の頃まで、気動車急行では通年で行われていて、かすかに記憶があります。秋田~仙台間でも、経由路線がいろいろあり、分割と併合を繰り返しながら進んでいました。
上り始発のこまち6号も、いつの間にか盛岡始発のはやぶさ6号と連結するようになったのですね。はやぶさ6号は、今のところ「毎日運転の臨時列車」扱いですが、近いうちに定期化されそうです。
大まかに言うと、土崎駅よりは少なく、上飯島駅と同じか少し少ない程度の乗降、ということが多いでしょうか。
「乗降なし」ということはまずなく、秋田駅と逆方向の土崎以遠と行き来する人も、(通学の生徒でない大人でも)そこそこいるのが、意外に感じています。路線バスでは移動しづらい方面なので、開業前はどうしていたのか。
対秋田駅方面では、高齢者はバスに100円で乗れるのでそちらへ流れるようで、JR利用者の年齢層は若い(60歳代前半未満)ように見えます。一方で、路線バスの利用者が、駅開業によって激減したような感じはしませんが、土日の昼間などは多少減っているかもしれません。
記事中で触れた、連休中の北方面からの下車客の多さには驚きました。駅が定着した現れなのでしょうが、不思議です。
送り込みにしても東能代止まりだし、変な運用だな…と思っていたら、なるほど1656M~1643Mの間合い運用だったのか!
有益な情報、毎度ありがとうございます。
1656Mは数年前までは、2番線に到着後、すぐに分割されていましたが、今は6番線。そのまま1679Mで東能代へ行って、翌朝の1624Mで秋田へ戻って、すぐに1643Mで弘前へという流れでしょうか。
でも、それだと南秋田センターに入庫できなくなるので、別にほかのどこかでも、3両編成に変更されていたのか、青森側で3両編成どうしの差し替えが行われていたのでしょうか。
車両運用は興味深いものです。
そして、泉外旭川駅は、周りは住宅地です。遠方から人が集まる商業施設などありません。したがって、乗降客のほとんどが、周辺住民と近くの学校の生徒です。誰もが知り、乗り降りするような駅ではありません。
そんな駅ですから、秋田駅から奥羽本線下り方面を利用しない人、鉄道に興味のない人は、知らなくてもおかしくないでしょう。