広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

NHK弘前の今

2022-01-17 17:10:15 | 津軽のいろいろ
2021年12月の弘前。※前回の記事
2010年に記事にしているが、弘前公園のすぐそば、弘前文化センター(文化会館・中央公民館からなる、弘前市の施設)の向かい、県立弘前中央高等学校の隣に、NHKがある。
名称は「NHK(日本放送協会)弘前支局」。
※この日は12月らしからぬ快晴で、陰影や逆光が激しく、撮影に難儀しています。
外壁は淡いピンクにも、グレーにも見える色合い
NHKの国内の拠点は、かつては大規模な順に放送局、支局、報道室があった。
報道室は記者が駐在する取材拠点のみ、支局はそれに受信料など視聴者窓口があるもの、放送局はさらにアナウンサーなどもいて番組制作や電波の送出もする、といった違い。
全国的に支局の数は少なく、県庁所在地でない主要都市にまれにあり、青森県では八戸支局もあった。昭和末までは放送局だったものを、合理化で格下げした組織。

ところが、2015年8月。それまで報道室だったものも「支局」と呼称することになった。同時に、それ以前からの支局では、視聴者対応をしなくなった(後述)ようで、つまり「報道室の支局への格上げ」ではなく、「旧支局の旧報道室相当への格下げ」=さらなる合理化が本質だった。

Wikipediaによれば、現・弘前支局は、1937年に弘前放送局として開局。東北では仙台、秋田、山形に次ぐ4番目で青森局より先。
1967年に現在の建物「弘前放送会館」が完成。1975年にアナウンサーや制作スタッフの配置がなくなり、1988年に弘前支局へ改称。
1986年には、関連会社・株式会社エヌエイチケイ文化センターによる「NHK文化センター弘前教室」ができた。2階部分らしいが、放送会館はNHK本体所有だろうから、テナントの位置付けだったのか。

弘前放送会館は、今の秋田市役所の位置にあった、旧・秋田放送会館(秋田放送局)を少し小さくしたような建物。紅白の高いアンテナがそびえ、古い県域放送局とほとんど同一の見た目。旧秋田局は1964年完成なので、3年違いなこともあるが、昔のNHKの地方局は、たいていがこんな平べったくて、高いアンテナが飛び出たものだったはず。
アンテナには、リモコンカメラ(お天気カメラ)も設置されていて、東北ブロックでは定番のアングルである弘前公園や岩木山を見せてくれる。
天カメは公園じゃない方を向いていた

そんなわけで、当初とは役目が変わったものの、取材拠点とカルチャーセンターとして、平成から令和を迎えた弘前放送会館。
現在も、外壁には、向かって左の卵マークの下と、右の車の出入口の2か所に、NHK文化センターの表示がある。建物中央の玄関の自動ドアのガラスにも、文化センターの表示。自動ドア上には古めかしい角ゴシック体で「日本放送協会弘前放送会館」とある。

しかし、「弘前支局」の表札的なものはなさそうだった。

写真のように、正面玄関にはカーテンが引かれていて、張り紙が2枚。【17日追記】以前は、ガラスに番組ポスターやカルチャー教室の告知が貼られたり、カーテンの間に「おかあさんといっしょ」の着ぐるみ人形劇のミニ人形が並んだりしていたのはなくなっている。
左は「NHK弘前支局では、2021年3月31日をもちまして、窓口でのお客様対応を終了させていただきました。」。NHKは報道ではいまだに和暦を使うのに、ここでは西暦か。ということは、2015年以降も、昨年度までは視聴者対応をまだ支局でやっていたのか。

右は、

「<弘前教室3月営業終了のお知らせ>(←ヘンな言い回し)」「~35年間ありがとうございました~」「NHK文化センター弘前教室は、2021年3月27日(土)をもちまして、すべての講座を終了し、営業を終了いたしました。」
文化センターも廃止された。これにより、今の弘前放送会館は、取材拠点である弘前支局だけが使う建物になったのだろう。
「弘前支局」の表札はなかったが、車両出入口には、
「部外者の駐車はお断りします 弘前支局」

新型コロナウイルス、地方人口減少、そしてNHKの合理化が求められる中、(受信料とは切り離されるのだろうが)文化センターの縮小も当然だろう。青森市、八戸、鶴岡、いわきなどの教室もなくなった。
ところで、NHKのアナウンサーだった山本和之氏は弘前市出身。昭和末には「NHK特集 地球大紀行」や定時ニュース(土日昼とか?)で全国放送に出演していた。2011年度で60歳(NHKは役職定年や嘱託制度があり、60歳で辞めるとは限らない)になり、その前後で、弘前支局長に就任。東北ブロックのニュース(誰だかが、支局を訪問したという話題の映像)に姿が映ったことがあった。
さらにその後、NHK文化センター弘前支社長に就いたとのこと。弘前撤退の最後まで支社長だったのだろうか。


今となっては取材拠点だけである(新しい定義の)支局に、この建物は大きすぎるだろう。まさに合理化して、土地を売却すべきではないか。お天気カメラを移設して。
弘前放送会館の玄関すぐ横には、上り「文化センター前」バス停があった。名前の由来は市の弘前文化センターのほうだろうけど。土手町循環100円バスや花見のシャトルバスも停車し、NHKのひさしがあって待つのにいい場所だけど。

東側から。奥が弘前公園、左の市文化センターは改装工事で休館中
↑ここの交差点は、丁字路を2つ互い違いに隣接させたような変則交差点で、前後の道路には角度が付いている。秋田市の旧・大工町(保戸野・旭北・大町の境)の、昔「六道の辻」と呼ばれた所にちょっと似た構造。

上記の通り建物としては昔のNHK地方局らしいものだが、立地は少し変わっているかも。建物の周囲のスペースに余裕がない。左(西)隣はすぐ中央高校のテニスコートだし(冒頭の写真にフェンスが写っている)、右隣はすぐタクシー会社のビル(桜商事ビル・さくら交通本社)。裏手に駐車場があるようだが、それは支局名の赤札が下がっていた、会館の1階を抜けてしか出入りできなそう。大きい中継車などは通れなかったかもしれない。

弘前の話題は続く

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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そうとう削られて (FMEN)
2022-01-17 22:51:32
昔はJOUTというサインで大館にも放送局があったらしいですが、60年代に廃止になってるんで秋田では見られない建物ですが弘前はこんなんですか。
いまでは北九州ぐらい。
昔秋田にいた藤重ひろきアナがいる場所です。
文化センターからの案内は土日の昼のラジオ天気で流れますが、こちらも秋田に無い。
休みのニュースをぜんぶ仙台からに切り替えたりしてるんで取材体制もかなり切られてるようです。
(年末年始大寒波はL字すらでなかった)
他にも大量の打ち切りがあったりしますし、あの紅白とかNHKはどこに行きたいのか。
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どうなっていくやら (taic02)
2022-01-17 23:51:36
大館は電波を出すだけで、番組制作はしていなかったのではないでしょうか。
八戸支局も、弘前と同年代の同じような建物だそうです。面積は秋田県よりやや狭いですが、地理や文化的には、県内でも違いが大きい地域性に合わせたのか、かつての青森は手厚い体制でした。

14日にNHK会長が記者会見して、来年度業務計画を発表していました。地域番組に力を入れたいとして、拠点局からの応援を出したり、職員を育成したり、数年かけて変えていくような話でしたが、期待していいものか…
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