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歩行者/音響 信号機の位置

2021-09-08 23:24:33 | 秋田のいろいろ
歩行者用信号機(歩灯)や音響式スピーカーの設置位置について。
高さは、道路交通法施行規則第四条別表第一により、路面から信号機底面までが2.5メートル以上という基準があるそうだ。大分県ホームページ(ページ番号:0012025709)によれば「人が自転車に乗車したときの高さを2.25メートルと想定し、自転車の走行時の揺動等に対して0.25メートルの余裕高を確保した高さとされています。」。実際には、アーケードなどの制約でそれより低いものも珍しくない。

今回は、左右、横方向の位置のこと。
常識的に考えて、その信号を見て渡られる横断歩道(の白線)の真上に、横断者に相対して設置されるわけだが、基準はなさそう。
そして、交差点形状や道幅、電柱類の位置の都合上、とんでもない位置に設置されることがある。とんでもないというほどでなくても、ズレているものはけっこうある。
秋田大学医学部附属病院前。横断歩道の線より右に信号機
↑向こう側は公道ではないとはいえ、これは横断歩道の位置に無理がある。こちら側の構造もあってこれ以上右にはできないし、安全上斜めにもできなくて、こうなっているのだろう。

細い柱の先に信号機が“串刺し”された、自立式の設置方法もあるが、秋田県警では好まない。
全国的に標準なのは、上の写真のような、アームを介して柱から横(まれに前)へ突き出す設置方法。アームは規格化されているので、横方向の長さも決まっている。
ただ、柱と横断歩道が「遠い」場合用に使う、より長いアームも存在する。秋田県警はあまり使いたがらない感じもするが、設置例はそれなりにある。上の大学病院では、長いアームを使っても良さそう(車に引っかけられる可能性が低そうなので)だが。
県外では、さらにものすごく長ーいアームを使う場合もあるが、秋田県内にはあるだろうか。

横断歩道の幅は、住宅地などの一般的な所では3メートルが基本。横断歩道のすぐ横に柱があったとしても、標準アームはそんなに長くないので、横断歩道の1.5メートルのど真ん中に設置されることはまずない。白線上の右か左に寄るのが基本。
秋田市の保戸野と泉の境、秋田生鮮市場保戸野店そばの交差点の、狭い道を渡る横断歩道の信号機。
白線が薄れているが、両側とも真横に柱が立つ
背中を向けているほうの歩灯は、通常アーム。前後の距離は若干遠いが、左右方向の位置としては普通。

対して、こちら向きの歩灯は、長いアームを使って、ほぼ横断歩道の中央に位置している。
横断歩道のほぼ中央に信号機
この柱の位置ならば、これも通常アームで問題ないのでは?

歩灯の背後に注目。
お店の看板が出ている。通常アームならば、歩灯でその一部が隠れてしまう。推測だが、そのジャマをしないよう気を遣って、長いアームを採用したのではないだろうか。

この交差点は、1985年頃の道路開通時に新設された。当初は、歩灯のある横断歩道は3本だけで、この狭い道側にだけなかった(車両用を見て渡る)。
2000年代に入ってから、この横断歩道にも歩灯が増設された【11日追記・銘板によれば2006年1月製造】。その時点で看板はすでにあったはずだから、遠慮したのでは。【9日補足】通常アームよりは若干高価なのだろうが、地元に対する警察の配慮ということで許容できるでしょう。
※そんな経緯なので、この2台の歩灯は、電球式のボディを流用した、初期のLED式歩灯が今も使われている。交差点内の他の車灯や歩灯は、当初は電球式で、ここ10年ほどで薄型のLEDに交換されている。


もう1点。
目の見えにくい・見えない人たちにとっての歩行者用信号機の役を果たすのが、「視覚障害者用付加装置」、いわゆる音響式信号、盲人用信号。
音を頼りに道路を横断するので、音を発するスピーカーの位置が重要になり、その設置位置は歩灯以上の精度を求められるはず。音源に向かってまっすぐ進んだことにより、縁石のある箇所、あるいは交差点中央へ誤誘導してしまうおそれがあるから。歩灯を見る場合は許容されるズレも、音を聞く場合はダメなことがある。

そのために、信号機よりも横方向に遠い位置まで届く棒状のパイプの先にスピーカーを取り付ける対応がされる。秋田県警では一時期少なくなったが、最近はまた増えつつある印象。棒/パイプは正式には「スピーカーアーム」と呼ぶようだが、信号機本体のアームとまぎらわしいので、ここでは棒/パイプと呼びます。
再掲)手前側が、長アーム歩灯+棒スピーカー
青森県五所川原市では、
(再掲)こんなに長ーい棒
↑すぐ右のコンクリート柱は電信柱のようで、青森県警が借りるのをためらったのか。歩灯のほうも多少は長いアームに付けてもいいのでは。

イオン土崎港店前の交差点。
2017年7月Googleマップストリートビューより
ストリートビューではゆがんで写ってしまっているが、ごく一般的な設置。
横断歩道に対して左側すぐに信号柱が立ち、通常アーム歩灯、そこにスピーカーが取り付けられている(赤矢印)。これ以前の電球式時代も同じ。これで問題はないと思うのだが。

今年初め(昨2020年度末)、ここで信号機関係の工事が行われた。と言っても、柱も信号機もアームも変わらず。車両用信号機の「音響式」表示板が新しくなったほか、
上と同じ場所
スピーカーを棒の先に移設した。
実際には、スピーカーやその他部品が新品に交換されているのだが、見た目には移設。
棒は長短あり
ここは横断歩道が3本、6台のスピーカーがあるのだが、すべてがアームから棒へ移された。長さ2メートルと、短い1メートルの棒が使われている。
両側とも短い棒
上の写真の短い棒では、以前の位置との違いはごくわずか。車止めがあるものの、点字ブロックもあるので、さほど問題ではないのではないか。
たしかに横断歩道のほぼ中央にスピーカーが位置するようになり、理想ではあるが、こうまでする必要性があるのだろうか。ここに1メートルの棒は無駄遣いではないか。

この時は、土崎の旧国道・五十嵐病院の交差点でも同様の工事がされた。こちらは狭いので移設で多少は安全になったかもしれない。
また、イオンの1つ西隣のローソンの交差点では、2018年か2019年に同様の工事がされていた。イオン前と似た環境なので、意義には疑問。
一方、東隣の自衛隊入口交差点(スクランブル式)では、手つかず。歩灯さえ斜め横断用がなく、向きをかしげてごまかしているのだが、こっちを先になんとかするべきでは。

そんな調子なので、必要性や優先度が高い工事なのか疑問。必要ならばやるべきだが、音響式は全県でかなりの数になり、このペースではかなりかかるぞ。
【9日追記】土崎の新国道一帯は、かつて県立盲学校(南ケ丘へ移転し、現・県立視覚支援学校)があったため、音響式信号が多いのだと思う。今は利用する人は多くないだろう。他の場所も含めて、万一、スピーカーの向き等に問題があっても、誰も気付かないケースもありそう。専門の警察職員や業者であっても、見えない人の立場にはなり切れないだろうから。
その対策として、とりあえず棒に付けておくのは解決策ではあるかもしれない。でも、棒がない箇所のほうが多い現状ならば、その点検を先にしたほうがいいようにも思う。

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