『昭和天皇実録』執筆の舞台裏
☆鉄筋コンクリート造り地下一階地上四階建の造の書陵部庁舎
☆書庫は、建物も書棚も免震構造で、古典籍約39万点、公文書類約9万点を貯蔵
*有栖川宮職仁親王筆の「五箇条御誓文」などもある
☆皇室の分厚い歴史と知恵の宝庫である
学者の良心と行政官の良心の狭間 ヽ
☆書陵部は、陵墓課、編集課、図書課三部体制
*職員約300人(宮内庁職員1千人の3割を占め大半が″墓守り″役)
☆陵墓課が「万世一系」の史跡というハード面の守り人集団
*多摩・桃山・月輪・畝傍・古市の五陵墓監区事務所に約230人
*1都2府36県の460力所に散在する総計約900人の陵墓などを維持管理
(内訳は歴代天皇陵112、皇后・歴代外天皇陵76、皇族墓554等)
☆図書課と編修課は「万世一系」の歴史記録というソフト面の守り人集団
☆戦後は皇国史観のタブーから解放された学界・論壇からの指摘
*天皇陵被葬者の治定の大半に疑義が呈さた
*「欠史八代」先史時代の天皇の多くは神話上の存在で実在しないとされてる
*専門家集団として苦しい立場に立たされる
☆編修課は大学院で史学を修めた研究員を主体とする頭脳集団
*学者の良心と皇室に仕える行政官の良心とに悩む存在だ
☆空前の大事業『昭和天皇実録』
*常勤13名が執筆し非常勤7名がチェックにあたる体制
*平成2年から20年計画でスタート
*昭和天皇の戦争、敗戦・占領、戦後平和と歩んだ史料は予想以上に膨大
*平成26年ようやく現上皇への奉呈にこぎつけた
天皇・皇后の関心への忖度
☆完成し印刷にかかろうとしたが、さらに半年遅れた理由の推測
*宮内庁本庁幹部や天皇・皇后側近の侍従職幹部らとの間で
*微妙な論点で「微調整」があったふしもある
☆例えば、南京攻略、従軍慰安婦、靖国神社など
*歴史認識問題が先鋭化しており、注目を集めることが危惧された
*天皇が大規模虐殺の報告を受けたことを示す史料はないとした
☆現上皇は沖縄戦、皇后は自身の結婚の経緯に関心があるとの噂も流れた
*そのためか、沖縄戦の記述は手厚い
☆現上皇后に関しては
*婚約が内定した昭和33年11月13日の記述が目立つ
*典拠史料は雑誌や近年の書籍まで14点に及び、異例の手厚さだ
*現上皇后の長年の心労をもたらしたとされている
☆上皇・上皇后「ご関心」への忖度際立つようにみえる
薄められた「大元帥」の言動
☆総じて実録の記述には
*「お心ならずも勃発した先の大戦」
*「御一身を顧みることなく戦争終結の御英断」(崩御の際の竹下総理謹話)
☆政府見解のトーンが基本的に貫かれてる
☆「大元帥」の生々しい言動や作戦関与については薄められている
☆意外な新事実が明らかにされた例も数多い
*外交官のための国史講座が開催された旨の記事
*天皇は、侍従長に、その影響を懸念する旨の御言葉を述べられるとある
☆未公開の新史料『百武日記』
*昭和天皇が、平泉の皇国史観を危惧していたとの記述がある
*それをさりげなく採用したことがわかる
図書頭・森鴎外も抱えた葛藤
☆『明治天皇紀』を編修し昭和天皇に進講した歴史学者三上参次
*三上は、往時の宮内大臣の協力(資料の閲覧許可)に感謝している
☆明治の国家官僚だった文豪森鴎外
*皇統譜、元号、実録の考証や裏付けを学問的にしっかりしたものにすべく苦闘した
*明治天皇の崩御と乃木希典の殉死に衝撃を受けた森鴎外
*次々に歴史小説を執筆し、宮内省図書頭に任ぜられ、収蔵史料の整理・目録作成
*天皇の追号・元号の学問的考証『帝しこう』『元琥考』執筆に取り組んだ
☆森鴎外の考え
*神話が歴史でないと云うことを言明することは、良心の命ずるところである
*神話の包んでいる人生の重要な物は、保護して行かれると思っている
*此れを維持して行くのが、学者の務めで、人間の務め
☆今の書籍部の葛藤も鴎外の葛藤に連なるのかもしれない
☆平成26年から実録が一般閲覧に供され、多くの人が、書陵部庁舎に足を運んだ
(敬称略)
知識・意欲の向上目指し、記事を参考・引用し、自分のノートとしてブログに記載
出典内容の知識共有、出典の購読、視聴に繋がればと思いブログで紹介しました
☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
詳細は、出典記事・番組・画像で確認ください
出典、『日本の聖域クライシス』
不可侵領域の陰鬱7(宮内庁書陵部
(ネットより画像引用)
☆鉄筋コンクリート造り地下一階地上四階建の造の書陵部庁舎
☆書庫は、建物も書棚も免震構造で、古典籍約39万点、公文書類約9万点を貯蔵
*有栖川宮職仁親王筆の「五箇条御誓文」などもある
☆皇室の分厚い歴史と知恵の宝庫である
学者の良心と行政官の良心の狭間 ヽ
☆書陵部は、陵墓課、編集課、図書課三部体制
*職員約300人(宮内庁職員1千人の3割を占め大半が″墓守り″役)
☆陵墓課が「万世一系」の史跡というハード面の守り人集団
*多摩・桃山・月輪・畝傍・古市の五陵墓監区事務所に約230人
*1都2府36県の460力所に散在する総計約900人の陵墓などを維持管理
(内訳は歴代天皇陵112、皇后・歴代外天皇陵76、皇族墓554等)
☆図書課と編修課は「万世一系」の歴史記録というソフト面の守り人集団
☆戦後は皇国史観のタブーから解放された学界・論壇からの指摘
*天皇陵被葬者の治定の大半に疑義が呈さた
*「欠史八代」先史時代の天皇の多くは神話上の存在で実在しないとされてる
*専門家集団として苦しい立場に立たされる
☆編修課は大学院で史学を修めた研究員を主体とする頭脳集団
*学者の良心と皇室に仕える行政官の良心とに悩む存在だ
☆空前の大事業『昭和天皇実録』
*常勤13名が執筆し非常勤7名がチェックにあたる体制
*平成2年から20年計画でスタート
*昭和天皇の戦争、敗戦・占領、戦後平和と歩んだ史料は予想以上に膨大
*平成26年ようやく現上皇への奉呈にこぎつけた
天皇・皇后の関心への忖度
☆完成し印刷にかかろうとしたが、さらに半年遅れた理由の推測
*宮内庁本庁幹部や天皇・皇后側近の侍従職幹部らとの間で
*微妙な論点で「微調整」があったふしもある
☆例えば、南京攻略、従軍慰安婦、靖国神社など
*歴史認識問題が先鋭化しており、注目を集めることが危惧された
*天皇が大規模虐殺の報告を受けたことを示す史料はないとした
☆現上皇は沖縄戦、皇后は自身の結婚の経緯に関心があるとの噂も流れた
*そのためか、沖縄戦の記述は手厚い
☆現上皇后に関しては
*婚約が内定した昭和33年11月13日の記述が目立つ
*典拠史料は雑誌や近年の書籍まで14点に及び、異例の手厚さだ
*現上皇后の長年の心労をもたらしたとされている
☆上皇・上皇后「ご関心」への忖度際立つようにみえる
薄められた「大元帥」の言動
☆総じて実録の記述には
*「お心ならずも勃発した先の大戦」
*「御一身を顧みることなく戦争終結の御英断」(崩御の際の竹下総理謹話)
☆政府見解のトーンが基本的に貫かれてる
☆「大元帥」の生々しい言動や作戦関与については薄められている
☆意外な新事実が明らかにされた例も数多い
*外交官のための国史講座が開催された旨の記事
*天皇は、侍従長に、その影響を懸念する旨の御言葉を述べられるとある
☆未公開の新史料『百武日記』
*昭和天皇が、平泉の皇国史観を危惧していたとの記述がある
*それをさりげなく採用したことがわかる
図書頭・森鴎外も抱えた葛藤
☆『明治天皇紀』を編修し昭和天皇に進講した歴史学者三上参次
*三上は、往時の宮内大臣の協力(資料の閲覧許可)に感謝している
☆明治の国家官僚だった文豪森鴎外
*皇統譜、元号、実録の考証や裏付けを学問的にしっかりしたものにすべく苦闘した
*明治天皇の崩御と乃木希典の殉死に衝撃を受けた森鴎外
*次々に歴史小説を執筆し、宮内省図書頭に任ぜられ、収蔵史料の整理・目録作成
*天皇の追号・元号の学問的考証『帝しこう』『元琥考』執筆に取り組んだ
☆森鴎外の考え
*神話が歴史でないと云うことを言明することは、良心の命ずるところである
*神話の包んでいる人生の重要な物は、保護して行かれると思っている
*此れを維持して行くのが、学者の務めで、人間の務め
☆今の書籍部の葛藤も鴎外の葛藤に連なるのかもしれない
☆平成26年から実録が一般閲覧に供され、多くの人が、書陵部庁舎に足を運んだ
(敬称略)
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出典内容の知識共有、出典の購読、視聴に繋がればと思いブログで紹介しました
☆記事内容ご指摘あれば、訂正・削除します
私の知識不足の為、記述に誤り不明点あると思います
詳細は、出典記事・番組・画像で確認ください
出典、『日本の聖域クライシス』
不可侵領域の陰鬱7(宮内庁書陵部
(ネットより画像引用)