🌸会田誠キャンセル騒動(2)
⛳芸術家が「芸術」を擁護する理由
☆キャンセル運動がプラットフォームを問題にした場合
*作家本人は当事者でも、蚊帳の外に置かれてしまう
☆会田誠は、自ら「犬」の制作意図を説明した
*抗議が会田の「芸術」を全否定していたからだろう
☆会田によって描かれた美少女
*「一個の人格を持った人間」なのかは議論が分かれるだろう
☆法的・哲学的問題を脇においても
*「人間の尊厳を脅かすな」との主張に説得力がある
☆「犬」シリーズが「芸術」でないのだとしたら
*自身の「芸術」を文章で擁護しなければならないと
*会田が考えた理由なのだろう
⛳「日本画」は日本固有の絵画ではない
☆1980年代年代半ばに芸術を目指す若者たちの前に
*大きな壁が立ち塞がっていた
☆19世紀後半のモネら印象派によって始められた芸術革命
*パブロ・ビカソによっていちおうの完成をみた
*キュビスム、シュールレアリスム、 ロシアアバンギャルド
*抽象絵画など、人間が思いつくような実験は
*100年間でほとんどやりつくされてしまった
☆「美術」にいったいなにが残されているのか
*日本固有の問題、「美術」が西洋文化の借り物であることである
*「日本画」は日本固有の絵画ではない
*日本画は、「洋画」に対抗しつくられた絵画ジャンルだ
*東洋の辺境で「美術」をやる者、洋画&日本画であっても
*西洋の呪縛から逃れることができない
☆この壁を乗り越える見込みがないのだとしたら
*「美術」などやる意味はないんのが、会田誠の迷いだった
*藝大の油画科に入ってからも、会田はそこで指導される
*「20世紀の世界的な美術の潮流」に納得できなかった
☆その葛藤のなかで突破口を開いたのが
*大学院時代に会田が制作した「犬」第一作だった
⛳会田「変態」でオリエンタリズムを乗り越える
☆会田の著作から理解した範囲で述べるなら、
*近代絵画や現代美術が西欧に出自をもつ以上
*日本の美術家は、西欧人の物真似を上手にするか
*「日本」の独自性を強調するしかない
☆「日本」なるものは、西欧から見た
*エキゾチックな東洋の文化でしかない
☆自分が日本人であり、日本に生まれ育ったという事実
*「日本」にこだわりつつ、オリエンタリズムを超えていく
☆会田の念頭には、自分が十代から慣れ親しんできた
*日本のサブカルチャーだった
*日本のマンガ、アニメは「クールジャパン」と呼ばれているが
*会田はそこに昏い秘密が隠されていることを見逃さなかった
☆「ロリコン」と「変態」だ
*「低俗な変態的両題を、風雅な日本画調で描く」発想が生まれた
☆浮世絵の春画に代表されるように
*日本の絵画の伝統(日本古美術)にはエロティシズムがあり
*西洋のエロスとは異なる「背徳的・変態的」なものだった
☆コンセプトが明快に示されているのが、会田の代表作のひとつ
*しばしば批判にさらされる「巨大フジ隊員VSキングギドラ」だ
*葛飾北斎の艶本「喜能会之故真通」に収録された春画「蛤と海女」
*2匹の蛤が全裸の海女とからみあい、1匹は海女の女性器に吸い付いている
*「巨大フジ隊員VSキングギドラ」は江戸時代の春画の翻案で
*「子ども向け」とされた「ウルトラマン」や「ゴジラ」にも
*隠微なエロティシズムが埋め込まれているという作品の意図は明快だ
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