武田じゅうめい 愛と誠と正義

色即是空とは、すべての存在は虚無であると知る。
旗印は日本愛、 日本人には日の丸が足りない

トンになった男

2007年06月26日 | 人生の意味
その男、最初にテレビに映ったとき、豚が2本足で立っているのかと思ったほど、トンに似ていた。
ミート・ホープレスの社長と言うのか、肉切り包丁を持った詐欺と騙しの男と言うのか。
長年、トンを切りさばき、内臓を取り出し、ミンチにして、喰ってきたから、豚の怨霊を体中に吸い取り、自身が豚に変身しつつあったのだろうか。
何か、血なまぐさい牛、豚、羊、鶏の叫び声が聞こえてきそうだ。
町に、お肉屋さんがいるから、おいしい肉が我々の口の中に入るわけで、それはそれで感謝しなければならない、ただ、きれいごとを言うつもりは無いが、生き物を切り捌くときの恐れと感謝の気持ちがあったのかどうか、生きものではなくて、単なる食材としてしか見ていなかったのではないのか。
そこまで考えさせる苫小牧の牛肉・豚詐欺事件であった。
我々は、文明人として己を位置付けるならば、この事件は、偽装と騙しの事件と割り切るのではなく、食材としての動物の意味を考えてみる契機を与えてくれたのかも知れない。
お店で売られている肉は、タンパク質の切り身の姿ではなくて、4つ足の動物であるということだ。
さて、問題は、ミート・ホープレス社には、60人が働いているという。
現実問題として、彼らの収入の道が閉ざされようとしている今、農水省の指導が、もっと早くあったら、会社倒産という2次被害も無かったろうと思うと、役人の怠慢を感じるのだ。
農水省の役人は少なくても1年以上前から、これらの不正行為を把握していたにも関わらず、見て見ぬ振りをしていた責任は重い。
最後に、社長がうなだれて、もう終りですと呟いた姿は、断頭台に消えて行く
豚に似て何とも哀れだった。
(ムラマサ、一閃)
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