世田谷一家惨殺、Mの悲劇 (2010年版 第一回)
(今日、明日の2回に分けてアップ致します)
★第一回。
世田谷一家殺人事件、Mの悲劇 (2000年12月30日)
微力ながら、本ページで書き続けることが、この恐るべき宮沢家惨殺事件を風化させないように、せめてできることだと思っている。そして動かぬ物的証拠をつかんでいながら、なぜ警察は沈黙を守るのか。
ジャーナリストの斉藤寅が、執念で追い詰めた真犯人と事件の真相を著した力作「世田谷一家殺人事件」(2006年6月発刊、草思社)がある。
2000年12月30日(土) 午後11時30分頃、恐怖の惨劇は起こった。犯人は宮沢さん一家4人を無慈悲に惨殺した後も、そのまま宮沢家に居座り、翌朝の大晦日の朝、午前10時頃、玄関から出て行った。
惨殺された宮沢みきおさん一家は、主人のみきお(当時44歳)、東大卒の外資系経営コンサルタント会社社員、妻の泰子(41歳)、長女・にいな(8歳)、長男・礼(6歳)。
さて、この事件の結論からずばり述べよう。斉藤寅が追い詰めた犯人とは、
★犯人のプロファイル:韓国人の男、名前は韓(ハン)。犯行当時は20代、10年経った今は30代と推察する。写真から見る犯人の当時の特徴は、細面、頬はこけ、三白眼、髪は無造作、唇は薄く目の下の隈が目立つ。
★(犯人とする物的証拠)
宮沢家の現場に残された指紋と、韓(ハン)が大阪で住んでいた木造アパート内の指紋とが一致。その借主は韓国人の韓と判明。さらに韓が日本に来る前に住んでいたソウルの集合団地の部屋に残された指紋と一致した。これらはハードエビデンスとして証拠能力は非常に高い。
★(状況証拠)
1.犯人が現場に残した靴跡から、犯人のシューズは韓国製スラセンジャーと判明。そのサイズ28センチは韓国内でしか販売していなかった。
2.犯人が残した迷彩色のヒップバッグ(韓国製)の中から採取されたチタン製バリウムという化学物質は、触媒や電子部品(携帯電話のセラミックコンデンサー)の塗装等に使われるが、工場や研究所の特定の場所以外では付着しない。この化学物資を製造する工場は九州に多い。韓は九州の大学に留学していたと見られることから、化学工場でアルバイトをした際に付着したとする推測が成り立つ。そして韓の犯罪仲間であった複数の中国人が、その工場でアルバイトをしていたことが判明した。
3.犯人は現場で大の排泄をしている。その排泄物には消化されない松の実が混じっていた。それは韓国朝鮮料理によく使われる。(例えば参鶏タン)
4.韓は宮沢みきおさんと格闘になり、犯人も手に傷を負い出血した。(韓の血液はA型、宮沢さん一家にはA型はいない)。その止血の方法は軍隊でしか使わない止血用ラテックスで行なわれた。そのラテックスの粉末が現場で検出された。つまり完全徴兵制の国、韓国へと繋がる。
5.現場に残された犯人の血液DNAの人種分析も行われた。その結果、朝鮮系DNAと分析された。
6.アジア系犯罪集団の仲間の証言によれば、韓は犯罪集団(クリミナルグループ)への勧誘を、他のアジア系外国人に行なっていたことが確認された。
★犯行の動機。
1.金目当て(極端な拝金主義者、カネの為には手段を選ばぬ主義と冷酷さ)
2.日本に対する歪んだ感情。嫉妬と恨みを正当化。
★(犯行グループの実態)。
韓国、中国人留学生を主体にした若者グループ。その後、日本で発生した資産家を襲った複数の殺人事件は、中国と韓国の混成団であることが明らかになった。
★当時の犯行再現。
宮沢家の内部情報と家族構成は前もって調べられ、綿密に襲撃計画が立てられた。京王線千歳烏山を降り、世田谷区上祖師谷の宮沢家へ向かった。宮沢家の近辺は公園に囲まれた3軒家しかない。リーダーの韓国人・韓と中国人YとGの3人が暗くなった午後5時30分、現地に集合した。3人は黒い服で身を包み宮沢家の近くに潜み待機。いよいよ午後11時25分に襲撃を開始した。まず韓が身体を翻し、裏側に面する二階の風呂場窓に取り付いた。アルミ製の格子をはずした。風呂場の磨りガラスを外から道具を使って切り抜く。手を入れて鍵をはずし屋内に侵入。軍隊の特殊部隊で鍛えられた韓は、ゲリラの接近戦で使われる音を立てない歩行を試しながら、まず3階の屋根裏部屋に向かい、革手袋をはめた指をしならせると、6歳の男児「礼ちゃん」の首を一気に絞め、絞殺。次に二階のリビングへ降り堂々とドアを開けて中に入った。中には母と8歳の娘がいた。韓は無言のまま母娘に接近するや、アーミーナイフを鋭く横に払い、母親を切り裂いた。強烈に鮮血が飛び散ったが、まだ母親の息はあった。次に娘の「にいなちゃん」の胸部にナイフをまっすぐ突き刺した。その瞬間、胸部から血潮が噴水のように噴き上がったという。母親は必死の思いで娘をかばおうと犯人を睨みつけたが、韓は情け容赦なく母と娘にトドメを刺した。その瞬間、母親の「咆哮」が隣家まで聞こえたという。そして階下にいた主人の「みきおさん」が不審に思い階段を上ってきた。リビングのドアの前で待ち伏せしていた犯人は、「みきおさん」が階段を上ってくる勢いを利用して、いきなりアーミーナイフで「みきおさん」の右胸を突き刺した。その衝撃で「みきおさん」はズドーンと階下に落下した。その雷鳴のような音も隣家で確認されている。時間は午後11時28分頃。隣家は後に証言する、「隕石が落ちたような音だった。けれどそれが隣家からのものだとは思わなかった。離れた所で、空から石が降って来たような鈍い音だった」。
しかし「みきおさん」はそれで死んだわけではなかった。
(明日に続く)