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富山市・小竹貝塚 縄文前期の埋葬人骨13体が出土

2010年06月27日 | Weblog
 富山県文化振興財団埋蔵文化財調査事務所が24日、同市呉羽町北の小竹(おだけ)貝塚で、縄文時代前期後半(約5500~6000年前)に埋葬された人骨13体が、石斧や石皿などの副葬品とともに見つかったと発表した。
 小竹貝塚は日本海側最大級の貝塚として知られ、河川工事などに伴い県や市が断続的に調査してきた。貝塚は「く」の字形に広がり、推定で約2万3千㎡の範囲に及ぶ。これまで、竪穴住居10棟を含む集落跡や墓域から人骨3体が見つかっている。
 同財団が北陸新幹線建設に伴って、東西120m、南北8mにわたり昨年度に調査を始めた。今年は4月から調査し、人骨が出土したのは、今回の調査場所のほぼ中央部分で、小高くなった「通路」の両側に12個の墓坑が見つかった。
 人骨は深さ約2・5mの地中から、約40mの間に2列でほぼ等間隔に並んで出土した。1体は足を伸ばしたままの伸展葬、12体は膝を曲げた屈葬。
 このうち、2体が重なり合うように埋葬されていた墓坑からのみ、副葬品の石斧数個(長さ3~10cm)と四角い石皿(1辺約20cm)が見つかった。石皿は女性の道具、石斧は男性の道具と考えられ、この2体は親族関係があったとみられる。縄文時代の遺跡で、男女を象徴する道具とともに埋葬された人骨が確認されるのは珍しい。
 他に石を抱いて屈葬された人骨もあった。人骨の保存状態が良かったのは、貝のカルシウムと周囲の土に含まれる水分が骨を酸化から守ったためとみられる。
 現地では26日、一般市民を対象にした遺跡の説明会が開かれた。

主な出土品
 イノシシ形の土製品:長さ8cm、幅4cm、高さ3cmの大きさ。背中から腹部に向けて2カ所に穴があり、ひもを通すことができる構造。胴体に模様があり、子どものイノシシをかたどったと見られる。
 イルカやサメ、クロダイ、イヌ、イノシシ、シカなど生物の骨や歯。イヌは、人が埋葬されていた場所の近くから骨が発見され、食用ではなく狩猟の「仲間」として埋葬したと見られるという。
 骨製品:イノシシやシカの骨を加工した釣り針や装身具のヘアピン
 木製品:磨製石斧の柄や筒型の容器、皿など製作途中のものや編み物の一部
[参考:北日本新聞、読売新聞、朝日新聞、KNB北日本放送、NHK]



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