おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

明治の文に触れてみたり

2019-02-26 | ■ サマザマな おはなし

 

久しぶりに たわいもないような 肩の凝らない ものを

 

仕事がら 古い手書き文書にお目にかかる ということもあり

四苦八苦しながら なんとかかんとか 意を探る などということもあります

 

なぜか そうした折に 

どういう加減なのか

明治の大家さんの本を眺めたくなったりして・・・

 

久しぶりに 一葉さまの 【大つごもり】を手にしたので・・・

リバイバル 編集記事で ゴメンコウムリマス

 

 

[・・・よき事には大旦那が甘い方ゆえ、少しのほまちは無き事も有るまじ、

厭やに成ったら私しの所まで端書一枚・・・・]

2003年に手に入れなおした岩波文庫版

独特の味があるなあ  明治の文(もちろん その当時そのものの表記

というわけにはいかないが・・・第一 自分には読めないだろう)

なんて思いながら 読み始めて 

“ ン   なんか  ひっかかっているな  ・・・そうか  あのときの

あの言葉 ”

                ほまち

   主人に内密で家族・使用人が開墾した田畑、また、たく  
   わえた金
   役得
   へそくり
   個人の所有となる臨時収入


20歳代 公務員であった頃 ある夜 勤務を終えて帰ろうと

役所の外塀を曲がろうとするとき

闇から 若い? 男の声

“どうです ほまち なんですが  どうです・・・ ほまち  ”

とかなんとか そうか   もしや  

彼はあの時 ほまち 

と言ったのでは・・・

あきらかに 独り者の役所勤め男の帰りを待ち伏せていたようなシーン

カードか写真か よくわからなかったが そのようなものを片手にチラツカセ

こちらの気を誘っていました

闇の中で男に勧めるもの  たぶん あのてのもの ? だったのでしょう か・・・

そんなところで お硬い実務参考書はセールスしないでしょうから

わたしも まだまだ初心(うぶ)でしたね

“ こんな寒い 暗い場所で しかもヒソヒソ声で 変わったセールスなんだな

もっとハッキリ 売り物を眺めさせてくれればいいのに ”

なんてことを心の中で呟いていたのでした


想像ですが 小遣いに困っていたのか 親分への上納金が足りなかったのか
 
惚れた娘さんとの駆け落ち代をつくろうとしていたのか・・・


まだ 雪道だったかもしれません  いかにも薄い 大きめの背広だけで

寒かっただろうなあー

とにかく お金が要だったんでしょうね

相手が悪すぎました よりによって野暮な貧乏書生に

もっと機転を利かして察してあげればよかったのだけれど・・・・なにしろ
 
わたしときたら  30年以上後に ァ そうだったのかな

ですもんね

ゴメンナサイね  オア兄さん  

そういえば オア兄さんの その場からの去り台詞

『どうしょうもない 世知らず男め』 という感じだったなアー 

でも わからないな  素人の男さんだったかも


遠い昔の記憶が ひょっこり と 登場しました

ありませんか 皆さんにも

ん十年来の ?


それにしても

いい題ですね

 大つごもり 
   
これだけで 小さな文机と一葉さん と 明治の巷が浮かんできそうな・・・

 

他にも とても素敵なタイトル ありますね

私のお気に入りを 二つ


  ≪ 私 鉄 沿 線 ≫
    
            ある歌謡曲の題

            この4文字 だけで 絵になりそう

            街並と 巷の人々の声 と 遠く汽笛が聞こえて きそうな


                       
  ≪ 中 世 の 秋 ≫ 
    
            20世紀最高といわれる歴史家

            ホイジンガの傑作

            4文字 
だけで

            幽かな灰色の大気


            騎士に降りかかる落ち葉を感じます

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