能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

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博報堂生活総合研究所 生活者というキーワードを定着化しませんでしたが・・・生活者発想は大切!

2013年08月13日 | マーケティング

博報堂生活科学研究所が、設立されて32年。

当時の博報堂は、「マーケティングエンジニアリング」を標榜し、同社のフラッグシップとしてのシンクタンクを設立しました。

広告コンセプトやマーケティング戦略を策定する上で差異化要因となるマーケティング調査機関としての位置づけだったように思います。


現在も、定点観測、未来年表など興味深い取り組みを続けており、定性分析の草分け的なプレゼンスを示しています。

設立時は神田だったと思いますが、いまは赤坂のBizタワー。

生活とは少し場所的距離がある立地です。


同社が打ち出した「生活者」というキーワードは、30年たってもなかなかマーケティングの世界に定着しなかったように思います。

「消費者<生活者」という定義なのですが、どうもしっくりこないまま今になってしまいました。

以前あった「売り場」ではなく「買い場」という消費者目線のとらえ方も、生活者というカテゴリーによく似ています。

3.11の1年前に出版された「生活者発想塾」博報堂生活総研著・日本経済出版社刊は、なかなか素敵な本で、従来のマーケティングの概念に対し新しい切り口を与えてくれます。


「広告は人間学」という導入から始まり、

生活者発想を「兆しの見方」「声の見方」「数字の見方」「場の見方」「波形の見方」という観点から解説していきます。

 

「兆しの見方」のポイント・・・気になるを集めよう・・・事実有根

 

「声の見方」のポイント・・・人は上手く語れないから・・・点で見つけて系を掘り起こす

 

「数字の見方」のポイント・・・数字は偉大な表現者・・・生きるとは数字を生産すること

 

「場の見方」のポイント・・・真を写すから、写真・・・写されたものが映していることを見る

 

「波形の見方」 のポイント・・・時系列データは雄弁である・・・YTTの視野(YTTとは、昨日、今日、明日のこと)

 

そして、生活者発想を暮らしに活かすための心得として3つを取り上げ、まとめとしています。


日々の心得1 創造性を暮らしの実利に。


日々の心得2 分かち合って太る。


日々の心得3 明転の精神。


まさに、そのとおりだと思った次第です。

これから、インターネット、IT、グローバル化、価値観の多様化など、マーケティングがますます難しい時代となってくることは明らかです。

博報堂生活総研も過去の延長線にとらわれず、

ビッグデータやグローバル、高齢社会といったキーワードで新しい境地を切り開いていただきたいものです。


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