わたしの大好きな経営コンサルタント、トム・ピータース。
いまや日本の定年年齢を超えた68歳。
20年以上前からビジネス組織における女性登用の必要性を提言し続けています。
2005年に出版された「トム・ピータースのマニフェスト4トレンド魂(ランダムハウス講談社)」でも、そのほとんどが女性の主役にすべき提言が満載されています。
結論としての「ゴールデンタイムの女性」、最終的には生物学まで持ち出しての提言・・・。
「男性のアタマにあるのは勝利者、女性のアタマにあるのは、温かい気持ち」
「同時進行は、女性の生き方だ」
「それ(女性の感性)は天才のヒラメキだ」・・・などなど
ダイバーシティから産みだされる多様性への適応は、特に女性の感性、ライフスタイル等から出てくるとしています。
なるほど・・・。
今回、アベノミクスで打ち出された「20・30(ニーゼロ・サンゼロ)」。
2020年までに会社等で女性の指導的地位の比率を30%まで増やすというもの。
欧米の女性管理職の比率が30%~40%に対し、日本は10%。3倍増させなければなりません。
市場での激烈な競争、消費者の価値観の多様化、そして確実に進む少子高齢化を考えると女性の活躍は不可欠なものだと思います。
個人的には、企業のグローバル化、ダイバーシティ化というのが、一つの鍵になるような気がします。
男社会としてのニッポンの会社が、グローバルプレーヤーとして躍動していくためには、グローバルスタンダード、アメリカンスタンダードを受け入れていくことが必須。
その中で、女性、高齢者、障害者などの差別のない人事処遇が必然的に求められてくると思います。
TPPに代表される貿易自由化はサービスも含め、国境という壁は限りなく低くなっていきます。
その中で、ニッポンの会社の社内でも、性別、年齢などで制限を加えない昇格昇進の自由競争がなされるべきだと思います。
鍵は、ラインの人事考課と人事部、経営トップの最終ジャッジということになるでしょうか?
TPPに加盟し、ニッポンの輸出入企業が復活する・・・そうしたシナリオの中から女性の復権がかなうものと考えています。
事実、ニッポンの会社に愛想をつかし、アジアに職を求める女性もかなりの数いるとのことですし、また、外資系企業で活躍する女性エグゼクティブが多数いることも裏付けになると思います。
日経ビジネス2013.8.26号の特集が「女性昇進バブル」。
サブタイトルとして、「わが社の救世主か疫病神か」という過激な問いが出されています。
女性による女性部下イジメ地獄、男女差別地獄、ロールモデル地獄、制度ぶらさがり地獄など現場の生々しい話からはじまり、
「女性活用に王道なし」と締めくくります。
まさにそのとおりだと思います。
フェイスブックのサンドバーグさん、deNAの南場智子さんの提言も出ていますので、一読いただきたい記事です。
この特集記事の中に、いくつかの興味深いアンケートが出ていましたので引用させていただきます。
今年8月291名に対するインターネット調査(日経BPコンサルティング)のため、母数はイマイチ少ないのですが、質問の切り口もするどく傾向をつかむことができます。
Q.女性上司と仕事をして、働きづらいと思ったことは?
ある 42%
ない 57%
Q.働きづらい理由は?
感情的になる傾向がある 69%
育児や家庭なと 21%
女性の部下に厳しい 17%
Q.女性の部下は育てやすい?
思う 12%
まあ思う 26%
どちらともいえない 47%
Q.育てにくい理由は?
上昇志向がない 77%
感情的になる 66%
結婚や育児 27%
閉塞感漂うニッポンの職場に活力を復活させるためにも、女性の価値を、感性を入れ込んでいくことが有効ですし、
また、グローバルプレーヤーとしての日本企業の必要条件であると考えています。