「傑作!広告コピー516」
メガックス編 文春文庫 714円+税
サブタイトルは、「人生を教えてくれた」という結構ベタなコピー。
1980年代の糸井重里さんの西武百貨店のコピー「不思議、大好き」「おいしい生活」などがポスターとともに掲載されています。
1行100万円と言われたコピーライター・・・ただし、その人数は日本で五人・・・。結構たいへんな世界です。
当時、わたしも学校に通っていました。
「クボセン」と言われた宣伝会議のコピーライター講座、昔は久保田宣伝研究所と言われていた名門講座。
そこで基礎を習得・・・そして大学四年の頃は、東京デザイナー学院コピーライティング科に通っていました。
昼間は、法学部法律学科で学び、夜はお茶の水でコピーを学ぶ・・・今でいうダブルスクールです。
マロニエ通りは、アテネフランセや日仏学院があり、フランスっぽい文化の香りが漂う空間でした。
夜間に開設されているこの講座には、今でいうフリーター、職のない若者、大学生・・・さまざまな出自の学生が集まっていました。
朝日広告社、旭通信社のコピーライター、TBSのCFディレクターなどが講師をされていました。
授業が終わる21時から繰り出す安い居酒屋・・・。そこで語る若者たちの夢と希望・・・それは今思い出しても「熱い想い」に満ちたものでした。
今回取り上げる「「傑作!広告コピー516」は、日本を代表するコピーライターが残した名コピー516を文庫本にまとめたもの。
時代を思い出させるお奨めの一冊です。
1.女
2.男
3.愛
4.仕事
5.人間
6.家族
7.毎日
8.人生
という8つの章からまとめられています。
結構、いい文章だと思ったのが、巻末の解説。
歌人の穂村弘さんが書かれている4ページです。
パルコの「けれども、君は永遠じゃない。」に感動したという穂村さん。
まったく同感です。
516のコピーのうち、感激!の印をつけたのが、次のコピーです。
「本を読む馬鹿が、私は好きよ。」 パルコ
「アイ・ラブ・ミーでいいんじゃない」 資生堂
「女は、仕事で死んだりしない。」 ジュエリー会社
「40歳は2度目のハタチ」 伊勢丹 故真木準さんのコピーです。
「男も妊娠すればいいんだ」 オカモト
「アタマのキレイなひと」 講談社
「女性の美しさは、都市の一部分です。」 資生堂インウイ
「私の主食は、レタスと恋とカンビールね。」 サントリー
「ワンモア ビジン」 資生堂 これも真木さん
「こどもになれますか、オジサン」 ソニー
「スーツを着て高い声だすな、と 歳上の男は思った。」 メルボ紳士服
「スーツを着てガムをかむな、と 歳上の男は思った。」 メルボ紳士服
「毎日ビールを飲んだ。それでも渇いていた。」 キリンビール
「薄ぎたない男は許せる。許せないのは薄ぎれいな男。」 伊勢丹
「浪漫はあるか、お前に」 ニッカウヰスキー
「あんたなんか 大好きです」 西武百貨店
「恋が着せ、愛が脱がせる。」 伊勢丹
「はじめは恋、あとで愛。」 パルコ
「あったかい夜を、プリーズ。」 サントリーレッド 糸井さんのコピーです
「きみは僕のホットウイスキーさ」 サントリーレッド
「恋は、遠い日の花火ではない。」 サントリーオールド
「好きだから、あげる。」 丸井
「カンビールの空きカンと敗れた恋は、お近くの屑かごへ。」 サントリービール
「働いているお父さんより、遊んでいるお父さんのほうが、好きですか。」 サントリーオールド
「ネクタイ労働は甘くない。」 伊勢丹
「飲み会で仕事の話をやめた。すると話題がなくなった。」 リクルート人材センター
「ゴメン、課長より、いい椅子で。」 マルニ木工
「働けば働くほどビールは、うまくなる。」 バドワイザー
「げんき、ゆうき、のんき。」 肥後銀行
「父も母も素敵でした。」 サントリービール
「忙しいなら無理して帰らなくていいよ。」は、ほとんどの場合嘘です。 JR東日本
「うちのコにかぎって、かっこいい。」 パルコの子供服
「あそんでねむれ。」 パルコ
「なんにもしないをするの。」 西武百貨店
「おいしい生活。」 西武百貨店
「誰かに何か言われるから、何もしないの?」 セゾンカード
「毎日生きてりゃ、腹もたつ。」 サントリーローヤル
「世の中、バカが多くて疲れません?」 チョコラBB
「考えて、考えないことにした。」 パルコ
「多くの夢は、かなえられた瞬間に失われる。」 キューピーマヨネーズ
「今日は、何時間生きていましたか。」 パルコ
「この夏も、やがて あの夏になる。」 味の素ブレンディ
「政治学。経済学。文学。恋愛論。今夜も大人の授業が始まる。」サントリー山崎
「あした、考えよう」 パルコ
「おいしい生活。」 西武百貨店
コピーの力って、やっぱりスゴい!ですね。