能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

俺のイタリアン・俺のフレンチ ぶっちぎりで勝つ競争優位のつくり方 ブックオフの創業者坂本孝さんの挑戦

2013年09月20日 | 本と雑誌

「俺のイタリアン・俺のフレンチ -ぶっちぎりで勝つ競争優位のつくり方-」

坂本孝著 商業界刊 1、500円+税


著者の坂本さんは、ブックオフの創業者。


今回の著書は、その坂本さんの半生記でもあります。

さまざまな事業を起こし、成功と失敗を繰り返しながら、一大チェーンを築きました。

それだけでもスゴイのに、さらに新規事業としての飲食チェーンの新規立ち上げ。

「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」は気になっているのですが、いつも行列・・・。

その人気ぶりには、まさに脱帽です。


同書では、その背景や店舗効率などを含めて解説されています。

たとえば、「立ち」で2.5回転させる、また「座り」で2.5回転させる・・・売上は、それぞれ900万円と396万円になるとのこと。

実に2.5倍の差異があります。


その仕組みを利用し、

ある意味採算度外視で高級食材を使う・・・

一流のシェフを雇う・・・

お客さんが集まる・・・

行列ができる・・・

さらに人気を呼ぶ・・・

まさに天使のサイクルが回り始めるのです。


20坪、1階、大商圏にある空き店舗を狙う…銀座あたりでは、わずか16坪で実に月商1910万円。

年商で2億円以上・・・。

スゴイ坪効率です。

坂本さんは、「おいしいこと」「親しみやすいこと」を追及し、ここにたどり着いたと書かれています。

ユニクロの柳井会長の1勝9敗ならぬ、2勝10敗とのことです。

さらに、毎日のカイゼン活動により、その経営の質は、さらに高まっているとのこと。


自身、驚いたのが、稲盛和夫さんの塾で、新しい経営者の境地を切り開いたという記述。

瀕死のJALを立ち直らせた稲盛イズムの基本的な考え方である「経営12カ条」「6つの精進」を俺のイタリアン・俺のフレンチ」の中にも取り入れられたのです。


坂本さんの謙虚で勇気ある経営・・・本当にすごいと思います。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする