「俺のイタリアン・俺のフレンチ -ぶっちぎりで勝つ競争優位のつくり方-」
坂本孝著 商業界刊 1、500円+税
著者の坂本さんは、ブックオフの創業者。
今回の著書は、その坂本さんの半生記でもあります。
さまざまな事業を起こし、成功と失敗を繰り返しながら、一大チェーンを築きました。
それだけでもスゴイのに、さらに新規事業としての飲食チェーンの新規立ち上げ。
「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」は気になっているのですが、いつも行列・・・。
その人気ぶりには、まさに脱帽です。
同書では、その背景や店舗効率などを含めて解説されています。
たとえば、「立ち」で2.5回転させる、また「座り」で2.5回転させる・・・売上は、それぞれ900万円と396万円になるとのこと。
実に2.5倍の差異があります。
その仕組みを利用し、
ある意味採算度外視で高級食材を使う・・・
一流のシェフを雇う・・・
お客さんが集まる・・・
行列ができる・・・
さらに人気を呼ぶ・・・
まさに天使のサイクルが回り始めるのです。
20坪、1階、大商圏にある空き店舗を狙う…銀座あたりでは、わずか16坪で実に月商1910万円。
年商で2億円以上・・・。
スゴイ坪効率です。
坂本さんは、「おいしいこと」「親しみやすいこと」を追及し、ここにたどり着いたと書かれています。
ユニクロの柳井会長の1勝9敗ならぬ、2勝10敗とのことです。
さらに、毎日のカイゼン活動により、その経営の質は、さらに高まっているとのこと。
自身、驚いたのが、稲盛和夫さんの塾で、新しい経営者の境地を切り開いたという記述。
瀕死のJALを立ち直らせた稲盛イズムの基本的な考え方である「経営12カ条」「6つの精進」を俺のイタリアン・俺のフレンチ」の中にも取り入れられたのです。
坂本さんの謙虚で勇気ある経営・・・本当にすごいと思います。