雑誌を読んでいて、出てきたランチェスターの法則。
懐かしさのあまり、広告代理店時代を思い出してしまいました。
その頃は、田岡信夫さんというカリスマ・マーケターが、このランチェスターの法則で一世を風靡していました。
自分自身、田岡さんの著作を全冊、一所懸命読んだことを覚えています。
田岡さんは、1927年東京生。
1955年東京都立大学大学院修了。
日本広告主協会調査室長、社団法人セールスプロモーションビューロー調査部長などを経て、
1976年ランチェスターシステムズ設立。
1984年に亡くなられました。
松下電器、花王石鹸、イトーヨーカ堂、大塚製薬など日本を代表する企業で絶大な成果をあげました。
日本の「マーケティングの父」といっても過言ではないと思います。
このランチェスターの法則は、
第一次世界大戦における戦闘機の被害状況をイギリス人のランチェスターが分析し、まとめあげたもの。
これにマーケティングのテイストを交え、ビジネスの世界に応用。田岡さんの最大の功績は、
日本のビジネス界に戦略や戦術の思想を持ち込んだことだと思っています。
このランチェスターの法則は、二つの法則から成り立っています。
第一法則 一騎打ちの法則
第二法則 集中効果の法則
前者は弱者の戦略、後者は強者の戦略です。
第一法則は、弱者が強者に勝つための差異化戦略。
違うものを持つ、違うやり方をすることがベース。
五つの戦術から構成されています。
1.局地戦 ニッチを狙え!
2.一騎打ち
3.接近戦
4.一点集中
5.陽動作戦 手のうちを読まれない。
第二法則は、強者の戦略。
ただちに追随する・・・コトラーのリーダー戦略とニアイクオールです。
1.広域戦 でかい市場を狙う。
2.確率戦
3.遠隔戦
4.総合戦
5.誘導作戦 こちらの有利な場で戦う。
弱者と強者が、様々な駆け引きをしながら、相手の心を読みながら陣取りゲームをする・・・。
シミュレーションするだけでもワクワクします。
当時、この法則をアタマのすみに置いて企画書を書いていたことを覚えています。
田岡さんのまとめあげたランチェスター・マーケティング。
また、どこかで見直され、復活する時期が来るものと確信しています。