アマゾン男。
貯金1000万円・・・住宅を買うためにためたおカネ・・・彼は30歳代後半。
「家も高いし、今の時代、このまま住宅ローンを組むのもリスクが高いよなあ。」
家を買うのをあきらめ、そのお金を、部屋の片隅にある段ボールのロゴのある会社の株を買うことに・・・。
「家も高いし、今の時代、このまま住宅ローンを組むのもリスクが高いよなあ。」
家を買うのをあきらめ、そのお金を、部屋の片隅にある段ボールのロゴのある会社の株を買うことに・・・。
10年後、1000万円は、3億1000万円になります・・・31倍!
まさに、テンバガーです。
2001年にドンキの株を買っていれば、今10倍。
2003年にユニクロの株を買っていれば、今10倍。
2009年にソフトバンクの株を買っていれば、今10倍。
2013年にZOZOTOWNの株を買っていれば、今10倍。
安倍さんが総理になる頃に、東証インデックス連動の株式や投信を買っておけば、今、2倍。
「~たら」「~れば」の話・・・その逆にドツボにはまる人もいます。
金融資本というのは、大化けします・・・もちろん、その逆もありますが・・・。
格差と階級の未来 超富裕層と新下流層しかいなくなる世界の生き抜き方
鈴木貴博著 講談社+α文庫 860円+税
鈴木貴博著 講談社+α文庫 860円+税
著者は、ボストンコンサルティング等を経た経営戦略コンサルタント。
「仕事消滅」「AI失業前夜」などの名著もあります。
今回の新著は、「格差と階級の未来」というタイトルですが、ファイナンシャルの本。
これからの時代、搾取される人的資本だけではなく、金融資本を活用してサバイバルすべきと提唱する一冊です。
第1章は、富の食物連鎖という切り口で狩猟社会、農耕社会から始まる資本主義の進展、歴史という格調高い話から始まります。
資本家-経営者-労働者というピラミッド。
中でも、そのテッペンには、米国の企業、資本主義社会があるとします。
目次
第1章 富の食物連鎖 あなたは生態系の頂点にはいない
第2章 現代社会の格差
第3章 資本主義と搾取の仕組み
第4章 サラリーマンのための資本論
第5章 資本家から見た「仕事消滅」
第6章 新下流層拡大に向かう世界
第7章 21世紀の投資理論
第8章 お金の新しい基本法則
日本人の得意技である、正直と勤勉・・・今は、それが報われない社会。
ベンサムが掲げた「最大多数の最大幸福」が実現した現代社会・・・でも、格差はどんどん広がっています。
給料は、この20年間上がらず、非正規雇用が4割にも達する勢いの日本社会。
働き方改革関連法が施行されたとしても、この社会のトレンドはますます加速するように思います。
さらに、AIやRPAが進化を続ければ、今度は労働者からの搾取から、機械からの搾取へ展化していくことは、ほぼ間違いありません。
2045年頃のシンギュラリティが起これば、超格差のある残酷な世界が待ち受けていると思います。
そんな中、著者が説くのは、人的資本(働いて稼ぐ)だけではなく、金融資本の活用しかないということ。
65歳で5000万円の資産を持つべきとします。
そのためには、伝統的なファイナンシャルプランナーが言う分散投資ではなく、S&P500といった米国株式インデックスに集中投資しなさいと助言します。
出来るだけ若いうちから始めれば年7%で運用し、20歳代であれば月4万円米国株式インデックス積み立てで65歳で5000万円の試算ができると説明します。
また、貯金のない年寄りであれば、テンバガー株式を獲得するために米国株式でギャンブルすることもありと助言します。
ナビスコのロス・ジョンソンの話、外資系コンサルティング会社のコスト構造なども、なかなか面白い話でした。
超富裕層と新下流層しかいなくなる世界・・・。
生き抜くためには、この本を読んで、危機感をもつこと、アクションを起こすことが大切だと思います。
ただ、個人的には、2019年、ちょっとネガティブな市況になると踏んでいます・・・。